ナレッジワーカーの条件や特徴とは?抽象化して定義すると

ドラッカーが提唱したナレッジワーカーとは

マネジメントの生みの親として知られる経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーが提唱した用語「ナレッジワーカー」。「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を組み合わせた造語で、従来の製造業などに求められた「マニュアルワーカー(マニュアル化された業務に携わり、画一的に働く単純作業労働者=いわゆるブルーカラー)」と異なり、企業に対して「ナレッジ(知識)」をもって付加価値を生み出す労働者を指します。

ロボットや人工知能の発展により、単純作業の置き換わりが、製造業だけでなく様々な産業で起こっています。初期費用はかかるものの維持費は人件費より安い、ヒューマンエラーなども起こりにくく精度が高い、故障のリスクはあるものの離職する心配がない、そもそも単純作業を行う人材が採用できないなどの理由が挙げられます。

高度経済期では「モノがない」状態を打破するために、大量の工業製品などが作られました。現代は「モノに溢れている」状態であり、各企業はどのような付加価値を創造するか、多様化する顧客ニーズにどのように対応するかが企業競争に勝つために必要不可欠となっています。現代の顧客ニーズだけでなく、将来的に変化する可能性がある未来の顧客ニーズへの対応も求められています。

不確定要素の多い現代のようなビジネス環境において、知識や経験を知恵として活用するナレッジワーカーが重要視されています。

今回は、高いパフォーマンスを発揮するナレッジワーカーの特徴や求められる条件について、ご紹介します。

ナレッジワーカーの定義と特徴とは

「ナレッジワーカー」とは、「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を組み合わせた造語で、マネジメントの生みの親として知られる経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏が提唱した用語です。

従来の製造業などに求められた「マニュアルワーカー(高度経済成長期の大量生産体制時に特に顕著だった働き方。マニュアル化された業務に携わり、画一的に働く単純作業労働者=いわゆるブルーカラー)」と異なり、企業に対して、「ナレッジ=知識」で付加価値を生み出す労働者を指します。

「知識労働者」とも呼ばれ、ドラッカー氏が1969年に発刊した著書『断絶の時代』で、『知識経済を根本から支える高度な専門知識をもつ労働者』として位置付けています。

ナレッジワーカーは、単にアイディアを実行するだけでなく、チームのアイディアを集約し発展させる力を持つ人材として、どういった組織にも求められるスキルを有しています。

ナレッジワーカーの業務の概要について

ナレッジワーカーは、高度な専門知識をフルに活用して、自ら考え行動します。豊富な知識量はもちろん、常に知恵を働かせて、組織にとっての利益や財産を新たに想像することも追求します。

専門領域に対するあくなき探求心を持つ上、他の分野にも広く関心を持ち、さまざまな知識を得ようとする姿勢も有しています。研究心が旺盛で、自分の知的創造力や専門知識、知恵を高めながら、仕事の目的や価値観、達成感を重視するという特徴があげられます。

ナレッジワーカーは、高度な情報収集能力や分析能力も必須です。コンサルティングやアナリスト、ディーラーなど、日々状況が変化する仕事はまさにナレッジを活かした働き方が求められます。このような仕事は、情報を収集・分析することで、企業の生産活動に付加価値を与えます。

ナレッジワーカーは、常に問題意識を持ってアンテナを張っていることが求められます。「どのような問題が社内にあるのか、誰か困っている人はいないか」。課題に対して、自分はどのようなアプローチで解決策を提案できるのかを考えられる人こそ、ナレッジワーカーなのです。

ナレッジワーカーに求められる条件

現在のビジネス社会の大半は、知識労働を行うビジネス=ナレッジワークが主流となっています。

かつて時間管理や生産管理という概念は、工業産業社会の中で、いかに能率効率よく生産高を上げることができるかということでした。しかし労働の源泉がモノから知識に完全に移り、前時代的な管理手法は通用しづらくなっています。

より複雑化するビジネスの世界において、ナレッジワーカーに求められるものは多岐にわたりますが、代表的なものをご紹介しておきます。

  • 高いモチベーション
  • 問題発見・解決能力
  • コミュニケーション能力
  • 創造性

暗黙知を形式知に変換するナレッジを有すること

暗黙知とは、個人がもつスキルやアイディア、独自のノウハウなど、目に見えない知識のことです。形式知とは、文章や図形など誰もが認識できるもので表現する知識を指します。

個人独自の知識である「暗黙知」を、組織に展開できる「形式知」に変換するナレッジが重要なのです。個人がもつ普遍的な暗黙知を引き出せる環境を整え、形式知として創造することが、企業にとって競争社会を勝ち抜くために必要な課題でしょう。

常に問題意識をもち、知識に対する感度を研ぎ澄ませること

ナレッジワークには、自由な発想力と仕事への高いモチベーションが何より重要です。リスクを恐れないチャレンジ精神もまた、必須の資質と言えるでしょう。

最も大切なことは、周りの意見は拝聴しつつも、周りの意見だけに振り回されることなく、自身で考え抜く思考能力を身につけることです。

ナレッジワーカーは育成できる

ナレッジワーカーの定義はさまざまですが、彼らの価値観や特性、条件は、抽象化し定義化することができます。重要なことは、日々自身のスキルを研鑽し、さまざまな分野の知識をインプットすると同時にアウトプットしていくことです。

ナレッジワーカーは自身で常にアップデートしていく姿勢を有していますが、組織としてもその力を高めるサポートをすることが望まれます。社内でも積極的に学びの場所や時間を設けることは、自社のナレッジワーカーの質をさらに高めることにつながるのです。

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