ホリゾンタル・リーダーシップとは?組織の多様化への活用方法について

ホリゾンタル・リーダーシップとは?リーダーシップ理論の歴史の概要について

リーダーシップという概念は、古くから研究される学問として、様々な知識人に議論されてきました。ビジネス業界におけるリーダーシップ理論については、20世紀初頭のアメリカで体系化が進み、近年になるまで主流となっていました。

20世紀初頭のアメリカでは「リーダーとは先天的な性質である」とされていましたが、近年においては、リーダーシップは訓練によって誰もが習得可能な「状況に応じた振る舞い方のスキル」として扱われています。

近年のリーダーシップ理論では、組織のメンバーを上から引っ張るだけがリーダーシップだとは考えられておらず、組織のメンバーを下から支える「サーバント型リーダーシップ」といったリーダーシップ理論も登場しています。

特に最近では、従来の「上から引っ張る」「下から支える」といったタテの関係のリーダーシップではなく「同じ立場から共感・協力する」というヨコの関係のリーダシップ理論である「ホリゾンタル・リーダーシップ」が登場し、注目を集めています。

今回の記事では、ホリゾンタル・リーダーシップの意味や定義、求められる能力やメリット・デメリットについてご紹介します。

ホリゾンタル・リーダーシップとは?意味や定義、求められる能力やメリット・デメリットについて

ホリゾンタル・リーダーシップとは、従来のタテの関係によるリーダシップではなく、ヨコの関係を重視した新しいリーダーシップ理論です。

ホリゾンタル・リーダーシップの意味や定義、求められる能力やメリット・デメリットについて、順を追ってご紹介します。

ホリゾンタル・リーダーシップの意味や定義とは?

ホリゾンタル・リーダーシップは「ホリゾンタル(水平の)」という言葉の意味の通り、ヨコのつながりを重視した組織構造を意味します。

従来の一般的な組織構造は「ピラミッドの頂点にリーダーが配置され、下部のメンバーを引っ張る」という構造でした。また、サーバント型リーダーシップと呼ばれる理論においては「ピラミッドの形を上下逆さまにして、リーダーが下からメンバーを支える」という組織構造も提唱されていますが、どちらも「タテの関係でリーダーがメンバーをフォローする」という構造は共通しています。

ホリゾンタル・リーダーシップとは、そもそもの組織構造をタテに階層化するのではなく、リーダーもメンバーも「ホリゾンタル(水平)」に配置したヨコの組織構造で発揮するリーダーシップのことを意味します。

ホリゾンタル・リーダーシップは、横並びの組織構造を構築することによって、役職や部署にとらわれない連携・協力関係を構築できるという特徴があります。

ホリゾンタル・リーダーシップが注目されている理由とは?

ホリゾンタル・リーダーシップの考え方が注目されるようになった理由としては、多様化やグローバル化が求められるようになったという、ビジネス業界や社会全体の背景が挙げられます。

現代のビジネス業界では、固有の業界のみの狭く深い視点では限界があることから、人材や価値観の多様化・グローバル化が求められています。

ホリゾンタル・リーダーシップは、ビジネスの成功に必要な多様化・グローバル化のためには、ビジネスモデルだけでなく組織の構造自体もヨコのつながりが重要であるという、現代の世相や考え方にマッチしたリーダーシップ理論として注目されるようになりました。

ホリゾンタル・リーダーシップに求められる能力とは?

ホリゾンタル・リーダーシップに求められる能力は、従来のリーダーシップで重要とされていた専門性やカリスマ性ではなく「共感力」や「好奇心」といった業界・業種に依存しないコミュニケーション能力です。

ホリゾンタル・リーダーシップは、異なる専門性や考え方の人材の間に立ち、人と人を結びつける上で求められる能力です。協力構造をヨコに拡大していくホリゾンタル・リーダーシップは、特に女性リーダーの起用において注目されています。

女性管理職の推進は全国的に広がりを見せていますが、女性にリーダー職を打診しても「自分は人の上に立つ人間じゃない」という理由で拒まれてしまうケースが多くあります。そうした自身のリーダーシップ能力に自信のない女性に対しては「組織の上に立つ」「メンバーを牽引する」といったタテ型のリーダーシップではない、ホリゾンタル・リーダーシップという考え方を説明することで、女性リーダーが働きやすい環境づくりにつながる可能性が期待できます。

ホリゾンタル・リーダーシップのメリット・デメリットとは?

ホリゾンタル・リーダーシップの主なメリットとしては、従来のタテ型からヨコ型の組織構造にすることで、組織に多様性が生まれるという効果が挙げられます。

組織内の考え方や価値観に多様性が生まれると、女性活躍推進やダイバーシティ推進に役立つだけでなく、ヨコのつながりから自社のビジネス全体の多様化も期待できます。

ホリゾンタル・リーダーシップのデメリットとしては、部署や業種によってはヨコのつながりを重視した組織構造が不向きな場合があることが挙げられます。

専門性の高い部署や業種では、技術に対するストイックさが求められることや、リーダーが力強く決断をして組織をけん引する必要があることから、ホリゾンタル・リーダーシップによるヨコのつながりがあまり重要ではない場合があります。

ホリゾンタル・リーダーシップを組織で活用する際には、専門性の高い能力や技術が求められる組織よりも、ヨコのつながりが重要な組織に導入してみるとよいでしょう。

ホリゾンタル・リーダーシップは組織の多様化・グローバル化に役立つ!

ホリゾンタル・リーダーシップとは、従来のタテの関係によるリーダシップではなく、ヨコの関係を重視した新しいリーダーシップ理論です。

従来の一般的な組織構造は「ピラミッドの頂点にリーダーが配置され、下部のメンバーを引っ張る」という構造でしたが、ホリゾンタル・リーダーシップは、リーダーもメンバーも「ホリゾンタル(水平)」に配置したヨコの関係を重視する組織構造になるという特徴があります。

ホリゾンタル・リーダーシップは、ビジネスの成功に必要な多様化・グローバル化のためには、ビジネスモデルだけでなく組織の構造自体もヨコのつながりが重要であるという、現代の世相や考え方にマッチしたリーダーシップ理論として注目されるようになりました。

自社のビジネスや組織全体の多様化・グローバル化に役立つだけでなく、女性活躍推進やダイバーシティ推進にもつながる考え方として、ホリゾンタル・リーダーシップの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

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