EQ型リーダーシップとは?部下や自分の感情を理解し、働きかける

「感情レベルの働きかけ」に着目したリーダーシップ

リーダーシップは古くから学問的な関心を集めていて、20世紀初頭にアメリカを中心にその理論化・体系化が進められてきました。

古典理論である特性理論では、「リーダーシップとは生まれ持って備わった性質である」という考え方が前提となっていましたが、時代を減るごとにリーダーの行動や環境が注目されるようになり、「状況に応じた具体的なリーダーシップのとり方」の研究が現在の主流となりました。これをコンセプト理論と言います。

現代のリーダーシップ研究は、コンセプト理論が主流となっています。コンセプト理論は、条件適合理論を発展させたリーダーシップ論です。条件適合理論では、部下や問題の難易度に応じたリーダーシップの一般的な共通解を見つけ出すことが目的でしたが、コンセプト理論は、具体的なビジネスシーンや課題に対して、誰もが活用できるように研究されています。コンセプト理論の概要と、コンセプト理論の中でも代表的な理論について説明します。

コンセプト理論のひとつが、今回紹介する「EQ型リーダーシップ」です。EQ型リーダーシップは「組織内の人間関係やモチベーションなどの感情面」に特化したものです。

EQ型リーダーシップでは、「優れたリーダーシップとは、感情のレベルに働きかけるもの」という考えをベースにしています。

EQ型リーダーシップとは

「EQ」とは「Emotional Intelligence Quotient」の略で、「心の知能指数」と呼ばれるものです。EQに注目したリーダーシップのコンセプト理論における「EQ型リーダーシップ」は、実務や体制の改革などよりも組織のメンバーの感情への働きかけを重視しています。

EQ型リーダーシップは20世紀末期にダニエル・ゴールマンにより提唱されました。彼の理論は、部下の感情を正しく方向づけすることで、組織運営を良い方向へ導くという考え方を採用しています。

EQ型に不可欠な4つの領域

EQ型リーダーシップに基づくメンバーとのコミュニケーションには以下の4つのポイントがあります。

  1. 自分の感情を認識する
  2. 自分の感情をコントロールする
  3. 他者の気持ちを認識する
  4. 人間関係を適切に管理する

ダニエル・ゴールマンの研究による大きな功績は、これら4つの関係性を明らかにしたことと言われています。

他者の気持ちを理解するために必要なのは、共感することです。しかし「共感」をクリアするためには、まず自分の感情を正しく認識できている必要があります。上記の4つのポイントは、いわば「人間関係を適切に管理する」という最終的なフェーズへ向かうためのステップであり、段階的にクリアしていくことで、EQ型リーダーシップを適切に発揮できるのです。

6つのリーダーシップスタイル

現代のリーダーシップ理論で重要なのは「リーダーシップは個人の資質だけでなく、他者や環境との関係性により変化する」という考え方です。

EQ型リーダーシップでも、状況に応じて以下の6つのリーダーシップが提唱されています。

1.ビジョン型リーダーシップ

方向性を示すことで、部下の感情を良い方向へ導こうとするリーダーシップです。

チーム全体で共通の目標を設定するなど、組織としてのコミットメントを生み出すことが特徴です。

2.コーチ型リーダーシップ

部下の長所短所などを対話を通して引き出し、自らの行動目標の設定をサポートするリーダーシップです。

3.関係重視型リーダーシップ

業務目標の達成よりも、部下の承認や感情面のケアを重視したリーダーシップです。

組織内のコミュニケーションを円滑にする狙いがあります。

4.民主型リーダーシップ

メンバーとの対話やミーティングに時間を割き、組織としてどうしていくかの方向性を全体で決めるように舵をとるリーダーシップです。

メンバー一人ひとりの考えを掘り起こし、組織で共有が必要な際に発揮されます。

5.ペースセッター型リーダーシップ

リーダーが部下に高いレベルのパフォーマンスを求め、それを自らやってみせる「背中で語る」タイプのリーダーシップです。

メンバー全員の能力が高く、モチベーションが高い時に有効です。

6.強制型リーダーシップ

メンバーに対し、一方的に指示のみをするリーダーシップです。

通常、組織内のコミュニケーション不全を招くことが危惧されますが、緊急時など早急な対応が必要なケースで効果的に働くことがあります。

優れたリーダーとは?

EQ型リーダーシップでは、以下の2つを優れたリーダー像としてあげています。

  • 良い雰囲気を醸成して集団を導く能力がある
  • 人の心を動かす。人の情熱に火をつけ、最高の力を引き出す。

リーダーシップ理論は環境や条件により意味が変わるものですが、「他者の感情」を大きなファクターとして扱ったとき、他者の自発性を引き出せるリーダーが「優れたリーダー」として浮かび上がります。

EQ型リーダーシップの事例

実際にEQ型リーダーシップを発揮した例として、元ダイエー会長の林文子氏があげられます。

彼女が力を入れて取り組んだのは「積極的に挨拶をすること」「声をかけること」「ほめること」「承認すること」です。小さなコミュニケーションを積み重ねることで、メンバーの感情をポジティブな方向へ導き、自発的に組織にコミットする社員の育成に成功しました。

他者を動かすスキルは誰でも身につく!

EQ型リーダーシップは人間関係やモチベーションなどの感情面に着目したリーダーシップであり、そのためのステップはダニエル・ゴールマンの研究で体系化されました。誰でもトレーニング次第で他者への共感力や働きかけ力は向上させることができます。

現代のリーダーシップで重要なのは、状況に応じてリーダーシップ・スタイルを使い分けることです。状況を客観的かつ冷静に判断し、チームワークを機能させ組織を成功に導く能力がリーダーには求められます。

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