企業理念が共感できない?従業員に浸透しない理由とは

企業理念が浸透しない原因と対策

HR総合調査研究所の調査によると、98%の企業が「社員への理念の浸透は必要であると思う」「ややそう思う」と回答しています。残り2%も「よくわからない」であり、「あまりそうは思わない」などの「理念の浸透は必要でない」と回答した企業は0%で、「理念の浸透」に対して肯定的な意見が多いことが分かります。

社員への理念の浸透は必要か
出典元『HRPro』「企業理念浸透に関するアンケート調査」結果報告

一方で「自社の理念が社員に浸透している」と考えている企業はあまり多くありません。「やや浸透していると思う」を含めても42%、「あまりそうは思わない」「そう思わない」などの否定的な意見は53%と過半数を占めています。

理念は浸透しているか

出典元『HRPro』「企業理念浸透に関するアンケート調査」結果報告

では、企業理念は何故浸透しない(共感できない)のでしょうか?今回は企業理念が共感できない理由と改善策について説明します。

企業理念が共感できない理由とは

企業理念を浸透させるためには、自社の社員にどれだけ浸透しているのか、段階を理解する必要があります。各段階を踏むことで、最終的に全社員に企業理念が浸透したと言えます。

  1. 全従業員が企業理念の存在を認知していない
  2. 全従業員が企業理念の存在を認知しているが、内容が理解できていない
  3. 全従業員が企業理念の内容を理解しているが、実際の行動につながっていない
  4. 全従業員が企業理念の内容を理解し、実際の行動にもつながっている

なぜ企業理念が共感できないのか、その具体的な理由と改善策をまとめています。自社の企業理念や施策を振り返り改善に役立てていただければと思います。

1.企業理念を従業員が知らない、覚えていない

企業理念と接する機会がなければ、認知することはできません。企業理念を明文化していないのであれば、まずは明文化することが必要になります。

明文化した後の改善施策としては「従業員全員に企業理念の存在を知ってもらう」「企業理念などをまとめた冊子を作り全員に配布する」「社内ポータルサイトに掲載する」「全社会議など全員が集まる場で説明する」「全員へ社内メール等を用いて発信する」などが挙げられます。

全社員が目にする機会や方法を用いて、全社員へ向けてアナウンスを行うことが重要です。アナウンスは1回で終わらせてしまっては意味がなく、定期的に発信を繰り返すことで徐々に従業員へ浸透していきます。

新しく入社した従業員に対しても入社時の研修プログラムに組み込みながら、企業理念を理解し共感してもらう必要があります。

2.わかりやすく明文化されていない

企業理念を明文化するだけでなく、わかりにくいものであれば、内容を理解することが難しくなります。抽象的で様々な意味合いで捉えられる内容だと、従業員同士で企業理念の内容の認識が異なる可能性すらあります。

改善施策としては「誰が聞いても一定の解釈ができる」「わかりやすい言葉で具体的に説明する」などが挙げられます。

かっこよさやシンプルさを追求するあまり、従業員に浸透しなくなってしまっては、企業理念として本末転倒です。明文化した企業理念を様々な人に見せることで「一定の解釈ができるか、企業が考えている内容と相違はないか」などを確認することが有効です。

3.経営層が旗振り役になれていない

経営層や管理職が企業理念に従った行動をする必要があります。企業理念を認知していたとしても、上司が「企業理念に沿った行動をしていない」のであれば「企業理念の内容を理解する必要がない」と判断されていまいます。逆に「企業理念に沿った行動をしている」のであれば、あらゆるビジネスシーンにおいて企業理念と上司の行動を対比させながら、徐々に自分の行動を決める意思決定ができるようになります。

改善施策としては「経営層をはじめとする役員に本気に関与してもらうためのエンロールメント活動」「経営陣と社員の対話の場を増やす」などが挙げられます。

経営者や管理者が模範者になり、企業理念に沿った行動をしながら従業員に伝えていくことで、従業員にも企業理念が浸透するようになってきます。

4.現場リーダーの不足

企業理念に従った行動をしてもらうためには、経営層・管理職の一方向からの指導・教育だけでなく、部下からの双方向のコミュニケーションが必要です。強制的に企業理念を唱和させる、社内報に記載するなどは認知の向上には繋がりますが、内容の理解とは全く別問題です。

改善施策としては「リーダー育成系研修で、理念そのものを研修題材に用いたケースワーク等を取り入れる」などが挙げられます。正解のない判断に困る意思決定が必要な場合に、企業理念に従った決定と従わなかった決定がどう差を生むのか、自社のケーススタディとして伝えると、実務上でのイメージもわきやすくなります。

特に新入社員などの現場社員は、自身の業務を覚えることやこなすことに注力しています。接する機会の多い現場リーダーが企業理念に従った行動や意思決定を行うことにより、現場リーダーを見習う部下は徐々に企業理念が浸透していきます。

5.企業理念に基づいた体制・制度になっていない

企業理念に基づいた行動を行うためには、企業理念に沿った行動ができる職場環境を作る必要があります。企業理念が「お客様第一主義」であるのに、実態はお客様をないがしろにしてでも「会社の売上や個人の成果」が重視されるのであれば、企業理念に沿った行動をすることはできません。

改善施策としては「部署ごとの具体的な行動指針を明確にし、評価制度へつなげる」「昇格昇進の審査項目に追加」など企業理念に基づいて組織体制や社内制度などを設定し取り入れる」などが挙げられます。

顧客満足度が評価項目の一つであれば「お客様第一主義」を実際の行動に移しやすいでしょう。会社の制度として「お客様にお歳暮などを送る」などがあれば、お客様との関係構築を会社がどれほど重視しているのかも理解しやすくなります。

企業理念浸透の対策をして従業員に浸透させる

企業理念を浸透させるためには、①全従業員に認知させる②全従業員に内容を理解してもらう③全従業員に企業理念に沿った行動をしてもらう、の段階があります。企業理念を浸透させたいのであれば、自社はどの段階の課題を抱えているのかを明確にする必要があります。

全従業員が認知していないのに企業理念に沿った行動をしてもらうことは非常に難しいです。また企業理念に沿った行動をしてもらっているように見えながらも、企業理念の内容を理解していない人がいるのであれば、企業理念が真に浸透しているとは言いづらいでしょう。

企業理念が浸透できない原因として「経営層の行動が企業理念に伴っていないため、お飾りの理念になっている」「企業理念が抽象的すぎて様々な解釈ができる」など様々な理由が挙げられます。

まずは覚えてもらうこと、次に理解してもらう、そして行動にうつしてもらう、という風に段階を経て徐々に浸透させていくことが大切です。

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