ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーとは?活用企業事例も紹介!

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーを知っていますか?

「ケイパビリティ(Capability)」は、直訳すると「能力」「才能」「素質」「手腕」を意味する言葉で、企業成長の原動力となる組織的能力や強みのことを指し、経営戦略を構成する上で重要な概念として考えられています。

一般的な組織戦略では、取り扱う商品をその市場性や価値といった外的環境によって競争優位性を持たせることを意味しています。たとえ同業であったとしても、企業の強みは多彩です。自社のケイパビリティを見極め、的確な戦略を立案することが、優位性を保つ上で非常に重要なポイントとなります。ケイパビリティは企業が独自に持つ、競争を勝ち抜くための決定的な強みなのです。

ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化する今のような時代、厳しい競争に勝ち抜く大きな原動力となるのが「ケイパビリティ」を重視した組織づくりです。人材の効果的な配置や部署の連携などを強化した全方位的な組織づくりを行うことで、品質保証など、オペレーション面での強みを確かなものにしていくことができるのは、ケイパビリティを活用する大きなメリットです。

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーとは、「企業がもつケイパビリティ(組織能力)を最大限に活用し、競争優位を構築することを目指す戦略」のことを意味しています。ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーを上手に活用することで、他社と差別化を図った競争戦略が可能になるという点で、昔から注目されている考え方の一つです。

今回はケイパビリティ・ベースド・ストラテジーの概要やその特徴などについて、掘り下げます。

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーとは?

「ケイパビリティ・ベースド・ストラテジー」とは、組織が設定した独自のケイパビリティを最大限に活用し、競争優位を構築するために立てる戦略を意味します。

スピードや効率性などで他社を圧倒するケイパビリティを有する企業であれば、ケイパビリティを生かした新たな競争戦略を立案することが可能となる、ということです。

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーとは
出典元『ダイヤモンド社』◎第1部のはじめに[企業哲学としてのオペレーション]

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーの必要性について

「ケイパビリティ・ベースド・ストラテジー」の重要性の一つとして、他社との差別化を可能にし、自社の成長を促すことが可能な点が挙げられます。

優れたケイパビリティと、ベースとした戦略を有効に展開している企業として、Amazonが挙げられます。『カスタマーサービス』という「ケイパビリティ」が必要と考え、課題解決のために、当時すでに優れたカスタマーサービスを構築していたザッポスという企業を買収しました。

企業は、新しいケイパビリティを自ら構築することもできますし、外部から取り込むことも有効な場面もあります。自社にとって必要なケイパビリティは何なのか、自社に競争優位をもたらすものは何なのかを考える必要があります。

世界最大のプロフェッショナルサービス企業であるPwC(プライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers ))のグローバル・マネージング・ディレクターである、ポール・レインワンド氏は「そもそも多くの日本の企業は、自社のケイパビリティについて、実はほとんど考えていないのではないか」と指摘しています。

ケイパビリティを考えることなくして、自社にとっての重要なケイパビリティを特定することは不可能です。重要なケイパビリティを特定できないことは、他社との差別化ができないことを意味しています。重要なことは、企業自らが自社の競争優位がどこにあるのか、どのような形で持続させられるかについて考えることです。

複数の事業を営んでいる企業の場合、各事業のケイパビリティがばらばらでも、共通性が高ければ会社全体の競争力がより強くなり得ます。ケイパビリティを高める投資が集中でき、より効率的に競争力を強化できることが挙げられます。

ケイパビリティは市場や競争環境によって定義されるものであるため、それぞれの事業ごとに定義されることになります。従って、A、B、Cの3つの事業を行っている会社の場合は、A事業、B事業、C事業それぞれのケイパビリティが存在します。

事業ポートフォリオの観点で事業の取捨選択を考えた場合、ケイパビリティが共通する事業を手元に残し、共通性の低い事業から撤退・売却していくと、事業ポートフォリオ全体を強化していくことができます。「ケイパビリティ・ベースド・ストラテジー」に基づく事業ポートフォリオ管理の考え方です。

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーを活用した企業事例

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーの一例として、株式会社ミスミグループ本社(以下ミスミ)の戦略があります。

ミスミは、金型部品や電子部品などの生産財を通信販売で供給するという流通革命を起こした、東証1部上場企業です。

ミスミはオペレーションの強みに立脚した成長戦略を志向しています。同社の発想の原点は「自分たちが得意なことは何か」ということにあります。言い換えれば、「自社のケイパビリティとは何か、競合他社に比べて優位なところは何か」を発想の原点としています。

普通の商社であれば扱いを嫌がるような細かいもの、たとえば「単価が安く・種類も多く・量のまとまらないもの」などを効率的に調達・販売するオペレーションに長けていることが「自分たちが得意なこと」であると考え、金属製品や電子部品に限らず、医療用消耗品や飲食店向けの雑貨を手がけ始めました。

現在ミスミは、金型部品や電子部品だけでなく、梱包・物流保管用品や安全保護・環境衛生・オフィス用品などをネット販売を行うなど、事業を展開しています。商品の種類は2070万点にも及び、1個から送料無料などのサービス展開を行っています。

参考URL:MiSUMi-VONA

金型部品や電子部品の加工販売だけであれば、幅広い商品を扱うことや、単価が安い商品をネット販売することもなかったことでしょう。「金型部品や電子部品の加工技術に優れている」だけでなく、一歩進んだ「オペレーションレベルでの有意性」を戦略に落とし込んだ事例です。

ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーを活用しよう!

ケイパビリティを理解するだけでなく、経営戦略に組み込むことで活用をすることが重要であり、その概念が「ケイパビリティ・ベースド・ストラテジー」です。

自社の強みや能力を理解した上で、企業独自のケイパビリティを設定し、変化を恐れない組織改革に挑んでいくことこそが、これからの時代、企業が勝ち残っていくためのキーとなるのです。

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