今、注目されているセルフブランディング
セルフブランディングとは「自己」(セルフ)を「ブランディングする」ことを意味します。「自分」を社会の中で特定・差別化することで、ビジネスチャンスを広げる「マーケティング施策」です。自分の価値観や社会の中でどう役に立つことができるかを分かりやすく伝え、ファンを獲得し自分の市場を持つことが目的です。
市場のグローバル化やAIやロボットなどのテクノロジーの進化だけでなく、日本が世界に誇る製造業も衰退し、上場廃止や買収など、身の回りの環境の変化も激しくなっています。数十年変わらない業務・安定した会社は存在しないこと、企業から求められる人材になるための方法の一つとしてセルフブランディングが注目されています。そこで今回はセルフブランディングの方法について説明します。
セルフブランディングの方法とは?
セルフブランディングの方法として5つのステップがあります。
- 自分の経験、スキルを洗い出し「強み」を見つける
- 自分の強みが誰の役に立つかを考える
- 絞り込んで専門性を際立たせる
- キャッチコピーをつくる
- 憧れと共感を呼ぶ情報発信をする
1.自分の経験、スキルを洗い出し「強み」を見つける
好きなことを軸にして掘り下げていくと自分の本当の強みがわかるようになります。自分が意識していなかった才能や特性を知ることでそれを最大限に生かしながら顧客のニーズに寄り添っていくようにブランディングを構築していけるようになります。
例えば、以下の項目への自分の答えを書き出してみて下さい。
- 得意なこと、好きなこと
- 子供のころに人からほめられたこと
- 好きなこと、やっていて楽しいこと(情熱がわくこと)
- 1つでも何か人に教えられること
- あなたが人に「○○がすごい」といわれたこと
- つらくても克服してきたこと
書き出す中で出てくる共通点を見つけ、分析すると自分のことがわかってくるはずです。他己分析も併せて行うとより良いでしょう。
注意すべき点として、書きだしたことを絞り込み、一番強いものを選ぶことです。そこが定まっていないと次に進めません。あいまいなままやっていくとブランディングはうまくいきません。
2.自分の強みが誰の役に立つかを考える
自分の強みが「具体的に役に立つであろう人間像を創造してみるといいです。具体的にどんな人物に対して自分のセルフブランディングをするのか?ということです。
- 名前、年齢 性別、職業
- 家族構成 子供がいるのかいないのか?
- 毎日どんなシーンで暮らしているのか?(家、インテリア、ペット、部屋の様子)
- 趣味、興味、こだわっていること
- 服装は?友人関係は?
- 何を悩んでいるか?
- いつ、どのように、どうなりたいと思っているのか?
具体的に名前や年齢もすべて設定してみてください。だんだん自分がやりたいことが明確になってきます。あなた自身も未来をイメージする事が大切です。
3.絞り込んで専門性を際立たせる
強みとは、具体的に言うと「自分には、簡単にできて他人には難しいこと」です。他者と比べていかに差別化できるかを考える必要があります。似たようなスキルなら、ビジネスとしては弱いので専門性(独自性)を見つけることが必要です。
- 目標:本当に自分が好きでやりたいこと
- 実績:これまでの経験と実績がある(独自性を見つける)
- ニーズ(ウォンツ):世の中で欲しがられる分野(マーケット)
これからは、ニーズでなくウォンツの時と言われます。ニーズとは、消耗品のような必需品のこと、ウォンツは、必需品ではなく価値を重んじるものです。
目標が見つかっていなければ、実績やマーケットの分野から見つけていってみましょう。これからセルフブランディングをしていくなら専門知識は必須です。
4.キャッチコピーをつくる
キャッチコピーは、相手を強く引き付け興味を持ってもらうために必要です。いかに的確に短い言葉で伝えられるかで決まってくるのです。
自分の強みを瞬間で理解してもらうチャンスです。聞いた瞬間に興味がわくようなキャッチコピーがあれば関心を持つ人が集まりやすくなります。キャッチコピーを考えるときの方法は、「職種+」を組み合わせて同じ業界の中の差別化を狙います。
ヨガインストラクター
↓
妊婦さん専門であるとした場合
↓
「らくらく出産のためのビューティーヨガインストラクター」
「妊婦さん専門ヨガインストラクター」
「マタニティーヨガインストラクター」
次にまとめたキャッチコピーに基づき、30秒~1分で自己紹介をまとめてみてください。頭の中を整理し、常に人に伝えられるコピーを作っておくのです。これをまとめることでさらに自分のやりたいことがより明確になります。
5.憧れと共感を呼ぶ情報発信をする。
人は、人間味がありユニークで他にはなく自分の考え以上に憧れる内容や雰囲気を持つ人になぜか引き寄せられものです。
セルフブランディングには、自分の価値を高めるためには、理想を語れる存在でなければなりません。自分が決めたお客様(誰に)にどんな商品やサービス(何を)を提供し、何のために(自分のビジネスの目的)どんな風になってもらいたいか?お客様が憧れる世界を提案する必要があります。
市場の中で自分の価値を突き抜けさせるためのセルフブランディング
セルフブランディングは激変する市場において、企業に自身の強みをアピールできる根拠を作れるだけでなく、企業から求められる人材になることができる可能性もある方法です。
セルフブランディングの方法は、業務にも活かせることがあるため、セルフブランディングでの実績が業務遂行能力と紐づけて理解されることもあります。