再就職手当とは?3割しか活用されていない再就職お祝い金

受給率わずか3割の「再就職手当」

皆さんは「再就職手当(早期就職手当)」をご存知でしょうか。「失業保険」は知っていても、この言葉は聞いたことないという方も多いのでは。

多くの人が知っている「失業給付金」は再就職のための資金補助であるため、就職が決まった後は受け取れません。それだけ考えると「早く就職先が決まると、受け取れたはずの金額が受け取れないじゃないか」とギリギリまで就職を伸ばす人が出てきてしまいます。そうならないために、失業保険を受ける資格がある人が、早めに職業に就いた時に支給されるものが「再就職手当」です。

「再就職手当」は雇用保険が受給できる残日数の70%もしくは60%とある程度固まった金額になるものの、認知度はまだまだ低く平成27年度の受給者は受給資格者のうち約3割にとどまります。

今回は、知らないと損なのに日本人の3割しか活用していない「再就職手当」について、ご説明します。

再就職手当を受け取るために

「再就職手当」はハローワークで「失業保険」の受取手続きをした後に、「失業保険」をもらえる最大の期間よりも早く就職した場合に支給される手当です。

早く就業できた方が収入は多くなる場合でも「失業保険」だけを考えると、就業せずに受け取れるはずの金額分を「損した」と考える人も少なくありません。早期に仕事が決まっても損と感じることがないように「再就職手当」があります。

どのくらい早く就業が決まれば貰えるかというと、仕事を再スタートする予定日の前日時点で「残りの給付日数」が全体(所定給付日数)の3分の1以上です。受け取れる金額は就職日までに残った日数分の失業保険70%もしくは60%で設定されており、早いほど割合が高くなります。

受給するための条件は8つ

当てはまるなら是非、受給したい「再就職手当」ですが、受け取るには一定の条件があります。下記の8つが対象の条件なのでチェックしていきましょう。

1. 手続き後7日間の待機期間が終了している

ハローワークへ失業保険の手続きをした日から7日間は待機期間です。「失業状態であることを確認」するための期間であり、失業手当も同様に最初の7日間は支給対象外です。

待機期間は自己都合で退職した3ヶ月の給付制限のあるなしに関わらず全ての方が対象です。

2. 失業手当の支給「残」日数が3分の1以上(就職日前日まで)

「再就職手当」が受け取れるかどうかは、「失業手当」の支給残日数が就職予定日前日まで3分の1以上が残っている必要があります。具体的に所定給付日数が90日(3分の1が30日間)の場合を見てみましょう。

再就職手当
出典元『ハローワーク』再就職手当のご案内

3. 再就職先が離職前の会社と関係ない

失業直前に勤めていた会社、その関連会社が再就職先の場合は、対象外となります。この場合、期間をおいての社内異動、配置換えに近いと考えられるためです。

4. 給付制限が3ヶ月ある場合、最初の1ヶ月目はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介

この条件は「自己都合退職」のように給付制限3ヶ月ある方の場合に限ります。

「2」でご説明した図にも記載されていますが、給付制限3ヶ月がある方は、最初の1ヶ月間はハローワーク又は紹介事業者の紹介で就職した場合のみが対象です。

5. 再就職先で1年以上の雇用が見込める

再就職先で1年間以上仕事をする予定がない場合は対象外となります。特にパート、アルバイトなどの非正規雇用で多く見られます。

契約社員であれば企業に更新意思があるか、数ヶ月契約の派遣社員であれば、派遣会社が1年以上働く可能性があると判断するかで決まります。

6. 再就職先で雇用保険に加入予定

雇用保険の被保険者となるのか否かです。

1週間の所定労働時間が20時間以上、同一の事業所で継続して31日以上仕事をする、の2つが必要です。試用期間中は雇用保険に入れない会社もありますが、この2つの条件を満たしていれば問題ありません。

7. 過去3年以内に「再就職手当」又は「常用就職支度手当」の支給を受けたことがない

過去3年以内に支給を受けた人は対象外です。

「常用就職支度金」とは、障害者または就職が困難な方が安定した職業に就いた場合に支給される手当です。

8. 失業保険手続き前に再就職先が決まっていない

制度の目的を考えると当然ですが、ハローワークでの手続き前に再就職先が決まっている方は対象外です。

再就職手当で受給できる金額・受け取り時期について

支給金額と受け取り時期について触れておきましょう。

支給金額は「失業保険」の受け取り金額をベースに計算されます。所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合は支給残日数の70%、所定給付日数の3分の1以上の場合は60%です。

申請の提出期限は、基本的に就職日の翌日から1ヶ月以内です。申請用の資料には、雇用側に記入してもらう箇所があるため、早めに準備をした方が安全です。

申請書を提出してから審査が行われ、1ヶ月以内に「就業促進手当支給決定通知書」という封書が届きます。(繁忙期などで遅れることも稀にあります。)その後、封書が届いてから1週間以内に指定の口座へ振込まれます。

「再就職手当」は「就職お祝い金」のようなもの

「失業保険」は再就職の活動を援助するもの、「再就職手当」は早期就職を促進するものと異なる位置付けです。

残った期間の失業保険差額分すべてが受け取れるわけではありませんが、再就職先を早く決めることで、再就職先の給与に上乗せして保険金を受け取ることができます。いわば、一種の就職お祝い金とも考えられます。

条件を確認して、自分に合っていると思う方はぜひ活用しましょう。

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