有効求人倍率はあくまで転職市場の総括
有効求人倍率は年間を通じて大きな変化はなく、この指標を元に転職に適した時期はありません。しかし、あくまでそれは転職市場を総括しての話です。
出典元『厚生労働省』一般職業紹介状況(令和元年7月分)について
具体的な企業や業界に的を絞った場合、年間を通じてさまざまなイベントによって、採用活動への影響が生じていることがうかがえます。本記事では、どのようなイベントが採用活動に影響を与え、具体的に何月頃に採用活動が活発になるのかをご紹介していきます。
企業の採用は「年度の変わり目」「ボーナス支給後」などに活発
具体的にどのような時期に、企業の採用が活発になる可能性があるのか、企業の都合を押さえていきましょう。
月ごとに想定される採用に影響を与えるイベントの時期
最初にあげられるのが、月ごとに想定されるイベントによる影響です。特に採用が増えるイベントには、下記のようなものがあげられます。
ボーナス支給後の欠員補充(1月、6〜7月)
転職者目線で考えると、「ボーナスを貰ってから退職を伝えよう」というケースは珍しくありません。そのため、ボーナス支給後の1月、6〜7月頃は欠員補充が一般的に増える時期です。
新年度に向けた新規採用・欠員補充(2〜3月)
多くの企業では、年度の変わり目で組織変更や経営戦略の見直しが行われます。それに伴い、増員を目的とした採用が行われることが多いのが2〜3月です。また、雇用される側も年度末を節目に退職することは多く、欠員募集が出ることの多い時期でもあります。
企業からすると、新卒入社と中途採用の入社手続きや教育研修が同時に行える時期でもあります。
下半期に向けた新規採用・欠員補充(9月)
10月からスタートする年度の下半期に向け、9月頃は比較的採用が活発に行われるタイミングです。目的は2〜3月同様、組織変更や戦略の見直しなどに基づく場合が多いと言えます。
(2)不定期だが影響があるイベント
月ごとに想定されるイベント以外にも、不定期で採用に影響するイベントとして下記のようなものがあげられます。
事業年度の変わり目
企業によって時期は異なりますが、それぞれの事業年度の変わり目は採用が活発になる可能性が高いです。この時期の採用目的は、前述の新年度に向けた新規採用・欠員補充と同じで、組織変更や経営戦略に基づくものが多いです。
繁忙期前の人員補充
業界単位で見て、特に採用が活発になるのは繁忙期前の人員補充です。繁忙期は業界によって異なるため、志望業界の動きを把握して転職活動に臨むことがおすすめです。
《各業界の繁忙期例》
・不動産業界:12月〜3月
・旅行業界:3月、7月~8月、12月
・ウェディング業界:4月~5月、10月~11月
事業内容に季節性やイベントなどの影響を受けやすい業界は、このように繁忙期が明確であることが多いです。そして、繁忙期に入る2〜3カ月前頃に採用が活発化する傾向があります。
企業・業界によって転職に適したタイミングは異なる
転職の時期を企業・業界の都合を踏まえて検討する場合、どの企業・どの業界に転職したいかによって適した時期が違います。そのため、チャンスが巡ってくる時期に照準を合わせて準備をしておくことが大切です。
明確に転職したい企業や業界が決まっていない場合、夏季休暇や冬季休暇などの時間に余裕がある時期で、自己分析や業界研究などの下準備を進めると良いでしょう。
転職したい業界や企業が具体的に定まってからは、求人が出るタイミングを逃さないように情報をキャッチアップすることが必要です。加えて、現実的に転職を成功させるためには、志望企業に近い条件の企業で募集がないか、アンテナの感度を高めておくことも重要と言えます。
以上のような時期の影響をしっかりと押さえ、転職成功につなげましょう。