ビジネスでのコミュニケーションスキルをアップさせる方法とは?

コミュニケーションは「スキル(能力)」です!

人材採用でいま最も重要とされているのが「コミュニケーションスキル」です。

経団連が行なった新卒採用についての調査を見てみると、「選考にあたって特に重視した点」を企業に対してアンケートを行なった結果、16年連続で「コミュニケーション能力」が1位となりました。

選考時に重視する要素
出典元『一般社団法人 日本経済団体連合会』2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

コミュニケーション能力を重視しているのは、なにも新卒採用だけではありません。

マイナビの調査では、正社員の中途採用でも約半数の企業が「対業務スキル」よりも「対人スキル」を重視しているという結果が公開されており、コミュニケーションスキルは中途採用でもかなり重視されていることがわかります。

雇用人材決定のポイント
出典元『マイナビ』2017年 マイナビ企業人材ニーズ調査

しかし、なぜ「コミュニケーションスキル」が重視されるのでしょうか?

ビジネススキルについて、ハーバード大学の経営学者ロバート・カッツが大きく3つに分けられることを提唱しました。その内訳は、

  • テクニカルスキル(業務遂行能力)
  • ヒューマンスキル(対人間関係能力)
  • コンセプチュアルスキル(概念化能力)

となっており、ビジネススキルを支える三本柱のひとつであるヒューマンスキルに、コミュニケーションスキルは含まれます。そして下図が示すように、ヒューマンスキルは組織内のどのレベルの人材にとっても重要度が高いため、のびしろがあって対応力の高い人材を探すための主要な評価軸になるのです。

カッツモデル
出典元『日本の人事部』マネジメント・管理職に求められるスキル

重要なのは、コミュニケーションは「スキル(能力)」ということです。

コミュニケーションスキルと言っても多岐にわたることには注意が必要です。自分にはどのスキルが備わっているのかを把握することはもちろんのこと、どのようにして伸ばすべきかを知っておくことは、採用選考だけでなく、今後の勤務においても非常に有用です。

基本は「傾聴・アサーション・コーチング」の3つ

コミュニケーションスキルは細分化するとキリがないほどたくさんあります。例えば「話をききながら頷くこと」も相手の話をちゃんと聞いていることを示すために重要なスキルです。しかし、こうした細々としたものをいちいちチェックしていくのは現実的ではありません。

そこでおすすめなのが、「ビジネスにおけるコミュニケーションの考え方」に注目することです。そこで目を向けてもらいたいのが、3つのスキルです。

  • 傾聴
  • アサーション
  • コーチング

コミュニケーションの目的は意思疎通です。「ビジネスの」とつくと「業務を進展させるための」という目的も備わります。

言い換えれば、ビジネスのコミュニケーションには「相手の意見を聞く」「相手に意見を伝える」「双方の意見を検討したのち具体的なアクションを起こす」という3つのステップがあることになります。

傾聴の基本は「オウム返し」

「聴く」ことによりもたらされるのは「相手の意見の理解」だけではありません。相手の意見だけでなく、相手の性格や思考をも理解でき、それがあなたへの信頼にも繋がります。

採用選考では「込み入った話になると、理解の確認を行える」「話題に対して内容のある質問ができる」「抽象的な内容に対する理解力が高い」などに注目することで、「聴く」というスキルを見極めることができます。

なかでも手頃に習得できて、有効なのが「オウム返し」です。

相手の言葉をそのまま繰り返すだけのスキルですが、「ちゃんと話を聴いている」というスタンスを示すことができます。態度として「聴く」を示すことで相手に安心感を与え、言葉をより深く聞き出すことができるようになる傾聴の基本スキルです。

相手から言葉が多く出るようになってきたタイミングで、オウム返しの言葉の後ろに「○○ってどうしてですか?」などの質問を織り交ぜていくと、相手が何を思い、何を考えているかを自然と聞き取ることができるようになります。

アサーションでは「客観的にありのまま」を意識する

「相手に意見を伝える」というステップで重要になるのが「アサーション」です。「傾聴」を前提としながら適切な自己主張ができるスキルのことを指します。

自己主張は大切です。しかし注意しなければならないのが、独りよがりにならないことです。ビジネスにおける議論を進展させるために大切なのは「相手の考えを尊重しながら、新たな発想を見つけ出すこと」です。他者とのコラボレーションを大切にした立ち居振る舞いをすることで、コミュニケーションがあるからこそのアイデアの発見に繋がります。

アサーションで大切なのは、「客観的に、事実をありのままに伝える」ことです。議論の場では必ずしも相手と意見が一致している訳ではないので、お互いの意見の位置関係を明確にしましょう。何が一緒で、何が違っていて、最終的にはどこをどのように調整するのかを整理する技術が必要です。

その際に注意したいのが「思いこみ」です。そうした場合は、自分と相手とで考えている前提がズレてしまっている可能性があるので、議論の道筋を見通しよく進めることが大切です。

普段から「相手の言動に興味をもち、『なぜ』という問いを持つ癖」を身につけることで、アサーションスキルはアップします。

コーチングは「オープン・クエスチョン」を使う

コミュニケーションだけで終わってはならないのがビジネスです。重要なのはその後に「何を行うか」であり、次なるアクションを促すためのコミュニケーションスキルが「コーチング」です。

コーチングスキルは、問題に対して「答え」を与えるものではなく、問題に対して自発的な振る舞いを推進するスキルです。水飲み場に馬を連れて行ったとしても、馬自身が行動を起こさなければ水は飲みません。コーチングは馬を水飲み場に連れて行くスキルではなく、どうしたら馬が水を飲みたくなるのかを考えて実践できるスキルなのです。

相手の自発的な行動を促すために効果的なのが「オープン・クエスチョン」です。これは、「YES/NO」で答えるクローズ・クエスチョンとは違い、「5W1H」で行う質問のこと。

クローズ・クエスチョンでは、相手に回答を選ばせるものであるため、自発的に「どうすべきか」という思考をする機会を奪ってしまう危険性があります。コーチングでは、「何が原因か」「どうすれば解決するか」「いつするか」を自分で考えて回答する必要が生じるので、自発的な思考を導くことができます。普段から相手の回答の幅を狭めないように心がけることで、自然と身に着けることができます。

日頃から意識することでコミュニケーションスキルはアップする!

コミュニケーションスキルをアップさせるためには、「ビジネスのコミュニケーションとはなにか」を知ることが大切です。ビジネスのコミュニケーションの考え方を理解した上で、細分化してどのようなスキルがあるのか、実際にスキルアップを行うために必要なことを具体的にするまで落とし込むことが重要です。

コミュニケーションスキルは理論だけを学んでも実践しなければ身につきづらいスキルです。常日頃から意識してスキルアップに務めましょう。

資料ダウンロードフォーム

    「ミツカリ - 導入事例集」が無料でダウンロードできます


    ミツカリは採用活動における利用だけでなく、入社後のマネジメントにも利用できる適性検査として3,800社以上の企業に導入されています。サービスも5年以上の運用実績があり、効果検証に時間のかかる離職率改善等においても、多くの企業で成果を出しています。

    今回はミツカリを導入した企業における活用方法や導入後の効果について、代表的な7つの事例をまとめました。是非ダウンロードしてご参照ください。

    ダウンロードにはプライバシーポリシーの同意が必要です。

    プライバシーポリシー

    関連するタグ