人物重視の採用とは?実施される意図とメリット・デメリットについて

若手採用なら9割以上が該当する「人物重視」とは?

就職活動・転職活動をしたことがある人なら、おそらく見たことのある「人物重視(人柄採用)」という文字。この言葉の表すものは何でしょうか。

人物重視(人柄採用)と対照的な言葉が「スキル重視」「経験重視」です。つまり「人物重視」の求人には「スキルや経験よりも、あなたの人となりを見ますよ」というメッセージが込められています。

社会人経験のない新卒採用においては、採用基準で「人柄を重視する」と答えた人事担当者は約93%と最も優先する項目です。更に中途採用でも「誠実さ・素直さ」「熱意・積極性」が採用基準の上位に。経験・スキルのある年齢になっても人柄は評価の重要ポイントなのです。

では実際のところ「人物重視」は、企業にとってどのようなものなのでしょうか。「信じて良い?」「評価される人となりのポイントって何?」そんな疑問を持つ方のために、「人物重視」の示す意味や、企業側が実際どう思っているか、採用で評価されるポイントをお伝えします。

幸せな「人物重視」採用への基礎知識

「人物重視」の求人を出している企業は、どんな狙いで人材を募集しているのでしょうか。

企業の狙いとしては「経験・スキルで縛るのではなく多くの人に応募して欲しい」「今までよりも、これからどうするか。ポテンシャルの高い人に来て欲しい」「人を大切にする企業イメージを持たせたい」などがあります。間口を広げたり、今後の成長する人を欲しがっていたりと理由はそれぞれですが「経験・スキル」だけで評価はしないという姿勢が表れています。

新卒採用や第二新卒の場合だと、イメージがつきやすいと思います。社会人経験の少ない層なので、当然「これから、どのくらい伸びるか」「継続して働いてくれるか」などが評価基準となるのは自然です。リクルートキャリアの調査によると、9割以上の企業が応募者の「人柄」を重視していると回答しています。

企業が採用基準で重視する項目と学生が面接等でアピールする項目
出典元『就職みらい研究所』就職白書2017 -採用活動・就職活動編-

中途採用でも人物重視の会社は多いです。DODA(パーソル キャリア株式会社)の調査結果です。中途採用の面接選考で、採用担当者が「重視している」ポイントとして最も回答が多かったのは「第一印象」。また「受け答えの仕方」も多くの業種で重要視されています。

面接で重視するポイント
出典元『doda』採用担当者が面接で見ているのはどこ?

「人となり」という抽象的な言葉ですが、「第一印象」「受け答え」「熱意・積極性」などの項目が「複数」評価項目として設けられていることが多いです。

中途採用でも人柄が求められている理由は、能力があっても会社や既存メンバーとうまくいかなければ力を発揮できない、早期に辞めてしまう事があるためです。企業にとっても、人と企業の人柄マッチングはとても重要なのです。

自分に合うなと思った企業を受けるなら、事前に企業、先輩たちのメッセージなど情報をチェックして、どんな事が評価されそうか対策を打っておくのも手です。こう考えると、応募条件にまったく該当しないと受からないかもしれませんが、人物重視の募集なら、多少至らない点があってもアピールの方法次第で採用される可能性があります。

「人物重視」に重要性をお伝えしましたが、応募者にとって、また企業にとってメリットばかりではありません。ここで、応募者側のメリット/デメリットを見てみましょう。

人柄重視採用の応募者側のメリット・デメリットについて

応募者側のメリットとしては、学歴やスキルでフィルタリングされにくいため、会社選びの幅が広がることが挙げられます。特定のスキルがないと応募できない、学歴フィルターのせいで落とされるなどがなくなります。

人柄重視は会社との相性や伸びしろが期待されているため、入社後のミスマッチを感じづらいことも挙げられます。

応募者側のデメリットとしては、面接などで緊張して本来の自分を表現できなかった場合には、誤解が生じやすいことが挙げられます。誰しもが緊張する面接で、自分の素を出せなかった場合には、人柄を理解してもらえません。

スキルや経験を武器にした給与交渉が難しいことも挙げられます。スキルが前提であれば人柄重視の採用ではないため、即戦力よりも今後の伸びしろや活躍が期待されるため、入社直後に高い給与は得にくいです。

人柄重視採用の企業側のメリット・デメリットについて

企業側のメリットとして、応募人数が比較的集まりやすくなることで、たくさんの人と会えることが挙げられます。売り手市場かつ少子化によって労働力の確保が非常に難しくなっているため、採用したい人材に求める要件を引き下げることで、多くの人からの募集を集める意図もあります。

早期離職の原因となる社風や人間関係のミスマッチを見抜きやすいことも挙げられます。人柄重視でも、どのような人柄が自社に合うのかを定義することで、中長期的な育成を考慮した採用を実現しています。

企業側のデメリットとして、ハロー効果などの第一印象に引きずられて、正しい評価ができないことがあることが挙げられます。応募者だけでなく、面接官も緊張しているため、人柄を見抜く質問ができなかったり、人柄を見誤ってしまう可能性があります。また即戦力が前提ではないため、中長期的な育成が前提となり、教育研修制度が整っていなければ活用しきれない可能性があります。

人柄を構成する性格と価値観の注意点

「人物重視」採用を受ける時の注意点をお伝えしておきましょう。

「第一印象」「受け答え」「熱意・積極性」などの評価項目があり「企業との文化の不一致は困る」ということを考えると、それを踏まえて面接対策をする事は当然です。服装を清潔にする、笑顔で元気に受け答えをする、企業文化を事前に調べて求める人物像に合わせる……。演技をして受かることも出来るかもしれません。

一方で、受かるために自分とは掛け離れた人物を演技して内定をもらったとしても、入社後に不一致を感じてしまっては意味がありません。見せかけのマッチングは将来的に、自身にとっても、会社にとっても不幸になってしまうのです。

長い目で見て幸せなのは、嘘なきマッチング

「人物重視」採用は、経験・スキルの少ない新卒採用ではもちろんのこと、中途採用でも多くの場合に取り入れられています。その中で意識しておきたい事は、採用選考時に人柄を偽って入社できても、入社後に非常に苦労してしまうこと(すぐに辞めてしまう可能性も)です。偽り大きマッチングは誰もハッピーにはなれません。

一言に「人物重視」と言っても「A.性格や価値観など良い悪いがないもの」「B.コミュニケーションなどスキルとしてあった方が良いもの」の2種類に分類できます。企業によっては、これらを明確に分類できていないこともあります。

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