転職で役立つアサーションの概要とビジネスシーンでの活用例とは?

アサーションは転職面接でも評価される?

「私は誰とでもすぐに仲良くなれます」

採用面接ではそんなアピールをする方が多くいます。しかし注意が必要です。というのも、ビジネスで想定されているコミュニケーションは、プライベートのものと異なっているからです。

と企業がコミュニケーションスキルの高い人材を求めているのは事実。知っておきたいのは、具体的に採用する側はどんなスキルを求めているかということです。

人材開発実態調査によると、ビジネススキル研修として導入されている項目では「問題解決、課題解決」「ロジカル・シンキング」「コミュニケーション、アサーション」、「コーチング・メンタリングスキル」が特に高い数値を占めていました。

かつて経営学者のロバート・カッツはビジネススキルを「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルスキル」の3つに分類しましたが、上記の調査であげられたものは特に「コンセプチュアルスキル」と「ヒューマンスキル」に該当します。特徴として、業界・職種固有のものではなく、どんな仕事にも必要とされる汎用性の高いビジネススキルであるということができます。

数あるコミュニケーションスキルの中で、アサーションスキルとは「自分も他人も大切にする自己表現」のことです。うまく活用することができれば、自身をとりまくコミュニケーションが円滑になるだけでなく、転職活動や人事評価にも有利に働く重要なスキルです。

今回はアサーションスキルが実際にどの程度ビジネスシーンで活かされるのか、具体的な例を踏まえて説明します。

アサーションスキルとは?ビジネスでどう活かせるのか

コミュニケーションは「相手の意見を聞く」「相手に意見を伝える」「双方の意見を検討したのち具体的なアクションを起こす」という3つのステップが基本です。

3つのステップにおける「相手に意見を伝える」というフェーズで重要になるのが「アサーション」だと考えられます。これは「傾聴」を前提としながら適切な自己主張ができるスキルのことを指します。

自己主張は大切です。しかし、注意しなければならないのが、独りよがりにならないことです。ビジネスにおける議論を進展させるために大切なのは「相手の考えを尊重しながら、新たな発想を見つけ出すこと」です。他者とのコラボレーションを大切にした立ち居振る舞いをすることで、コミュニケーションがあるからこそのアイデアの発見に繋がります。

採用選考では、とにかく「自分の意見」の発言を促すことでチェックできます。他者の意見を考慮した回答ができているか、自分の意見にどれほど自信を持てているか、そうしたところが見極めのポイントになります。

アサーションスキルの高い人材に見られる特徴例

アサーションは3つのタイプに分類されます。

1つは積極的に自己主張を行う「アグレッシブ型」、2つめは自己主張をほとんど行わない「ノン・アサーティブ型」、そして3つめは上記2つのタイプのバランス型である「アサーティブ型」です。アサーションスキルの高い人材は、「アサーティブ型」の特徴を有しています。

これら全てを無理に覚える必要はありません。ポイントは「主張の強さ」という1点であり、3つの分類はその程度によるものです。

アサーティブスキルが高いとは「主張の強さのバランスが取れている」状態をさします。こうした人材に見られる共通点は、「他者を尊重し、自分の発言に責任を持つことができる」ということです。

アサーションは自己主張の能力ですが、必ずしも自らの意見を押し通す能力という訳ではありません。自分の意見と周りの意見を俯瞰して吟味することができ、その上で全体にとって最良の解答を見つけ出し、提案できる能力こそ、ビジネスシーンで重要なアサーションスキルとなります。

このスキルがあると「人の意見に流されて嫌なことを断りきれずに引き受けてしまう」ことや「自分の意見を他者に押し付けて人間関係を悪化させる」ということがなくなります。

アサーションスキルの低い人材に見られる特徴例

「アサーションスキルが低い」とは、自己主張の程度に偏りが見られる状態のことを言います。

3つのタイプのうち「アグレッシブ型」や「ノン・アサーティブ型」に偏った性質を持っている人材のことだと考えることができます。どこで主張し、どこで引くべきかという判断をバランスよく行えていないというのが、こうした人材の特徴です。

アグレッシブ型に偏ったタイプの人材は、ドラえもんでいうところの「ジャイアン」のような振る舞いをしがちです。自分の意見以外を認めない、他人の話を聞かないという態度で人に接してしまい、組織の不和を引き起こす危険性があります。

逆に「ノン・アサーティブ型」に偏った人材は、「のび太」に例えられることが多いです。いわゆる「指示待ち族」で当事者意識に欠け、責任を持つことから逃げようとする傾向があります。

アサーションスキルが活かせるビジネスシーンの例

アサーションスキルは、ビジネスシーンでは対人折衝の場で効果を発揮します。例えば社内会議において、誰もが気兼ねなく意見を言える雰囲気づくりは、アサーションスキルが高い人材がいて初めて可能になります。

様々な考え方や価値観を持つ人が多くいる場所でのディスカッションでもアサーションは役に立ちます。とりわけ現場側と経営側の間に立って業務改善の提案をする立場の仕事や、文化的な差異が大きい海外営業など、広い視野が必要とされる職では不可欠なものだと考えられます。

アサーションスキルが高ければ、相手が何を考えているか、対して自分がどうなのか、ということを冷静に判断した上で適切なタイミングで意見をのべることができますので、企画立案能力や課題解決能力も相乗的に高くなるのも特筆すべきことです。

職場の対人関係によるストレスの軽減や、組織が創造的な仕事をするためにも、アサーションスキルが高い人材は重宝します。

アサーションスキルには需要があるからこそ、日頃からの意識を

アサーションスキルを身につけることで、自分の周りのコミュニケーションが円滑になり、人間関係のストレスや悩みを軽減させることができます。

就職・転職市場では、特に若手人材ほどコミュニケーションスキルに高い需要があります。アサーションスキルは人事考課の面談や転職活動の面接の場でもアピール材料として強く、具体的なエピソードがあると有利になります。

短期的に伸ばせる能力ではないことには注意が必要です。コミュニケーションスキルを高めたいのであれば、アサーションスキルを高める心構えを常日頃から意識することが大切です。

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