失業給付金中に早期に就職が決まった場合には
「失業手当」をもらっている人が、受け取り満了の期日よりも早く仕事を再スタートする時に受け取れる「再就職手当」。 再就職手当制度は仕事をする意欲・能力がある人の「早期」再就職を促す制度で、活用すれば非常に有用です。
平成27年度の調査では、受給資格があるのにもかかわらず実際に受給したのはわずか27.2%。それ以外の72.8%の人はこの手当を知らなかったり、手続きが分かりにくく面倒だ、など何らかの理由で受給しなかったのです。
今回は、受給できるはずの方が「分かりにくい」「面倒そう」という理由で手続きができずに損しないよう「再就職手当」の手続きと必要書類について分かりやすく説明します。
再就職手当受給のための入社前・入社後のやる事リスト
手続きは何から始めれば良いのでしょうか。
最初にしなければならないことは、就職日の前日までに「再就職先が決まったことをハローワークに報告する」ことです。失業保険は就職日の前日まで支給されるので、この時に残りの期間の失業認定も同時にしてもらうことになります。持ち物は次の3点です。
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書
- 採用証明書等
「採用証明書」は、失業手当を受け取り始める時にもらう「雇用保険受給資格者のしおり」の後ろの方にあります。就職先の会社に記入をしてもらって提出する必要がある上に、実際に勤務してからしか書いてくれない会社もあります。ハローワークに行く前に会社から「採用証明」を受け取れないか確認しましょう。もし無理なら、勤務開始日前の提出が難しい旨をハローワークの職員さんに説明して、会社から受け取り次第提出します。
再就職の報告をした時に、「再就職手当」の条件に当てはまる場合は「支給申請用紙」(再就職手当支給申請書、常用就職支度手当支給申請書に分けられる)を渡されます。ただし、支給申請用紙はハローワークの公式サイトでダウンロード出来ますハローワークでは、再就職手当が確実に1年以上就業できるところで働くことを条件として支給されるため、その確認が行なわれるのです。
入社前にやる事リスト
- 入社する会社から「採用証明」をもらう(遅延する場合は、その旨を伝える)
- もらった「採用証明」と「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」を持ってハローワークに提出する(採用証明が遅れる場合は窓口で伝える)
- ハローワークから申請書類をもらう
入社後の手続きにも企業記入が必要
入社後に行う事を説明します。再就職手当の申請用紙は、就職日の翌日以降にしか提出できません。この書類の提出を入社の翌日から1ヶ月後以内に行う必要があります。
申請用紙は自分で記入する欄と、会社に記入してもらう欄があります。企業側の記入欄があるため早めに依頼をしましょう。下記がサンプルとなります。
①、③が本人記入欄です。このうち、間違いやすいものについて簡単に触れておきましょう。
「失業手当の支給番号及び区分」については「雇用保険受給資格者証」に記載されていますので、そのまま転記してください。間違っていると本人確認が出来ないため、受け付けてもらえません。「就職年月日」は初出社する日を入れます。
申請用紙ができたら、ハローワークに提出します。この時の持ち物は下記となります。
- 再就職手当支給申請書(就職先の会社の証明が必要)
- 雇用保険受給資格者証
- その他、ハローワークが求める書類(あれば)
これで申請は終わりです。必ず、この一連を「就職日の翌日から1ヶ月以内」に終わらせてください。
郵送やダウンロードも対応。ぜひ申請を。
「再就職手当」を受け取る手続きについてお分かりいただけたでしょうか。
複雑そうですが、しっかり手続きを行えば有用な制度です。未だに約70%の人が利用していないのは様々な理由があっての事だと思いますが、そこまで難しい事ではありません。
ハローワークが土日祝日は空いていないため、手続きが難しいと諦めている方もいるでしょう。そんな方のために、現在は支給申請用紙がサイトでダウンロードできたり(記入は会社に別途依頼が必要)、提出は郵送でもOKとなっています。条件が合う方は、ぜひ活用しましょう。