アファーマティブアクションの取り組むべき課題や具体例とは?

アファーマティブアクション・ポジティブアクションとは?

アファーマティブアクションとは、男女格差をなくすための措置のことであり、男女間の格差の是正を目的に行う取り組みの総称です。ポジティブアクションという言葉で表される場合もありますが、意味に違いはありません。

格差による不利益を被っている側が女性であることが多いため勘違いされがちですが、アファーマティブアクションという言葉は、女性への救済措置のみを表すわけではありません。今回の記事でも女性への格差を主に扱いますが、保育士や看護師などの女性が多い職場では、男性への格差是正を意味します。

アファーマティブアクションは、男女格差の是正を目的とした取り組み全般を意味する言葉ですので、直接的な男女差別の是正はもちろん、格差はないのに女性の雇用が増えない状況への対策なども、アファーマティブアクションとしての取り組みの一例です。

今回の記事では、アファーマティブアクションで取り組むべき課題と、課題によって異なる取り組みの手法について、具体例を交えてご紹介します。

アファーマティブアクションで取り組むべき課題と取り組みの具体例とは?

アファーマティブアクションで取り組むべき課題と取り組むための手法には、様々な種類があります。取り組みの具体例とあわせてご紹介します。

アファーマティブアクションで取り組むべき課題とは?

アファーマティブアクションの取り組みとは、単に女性を雇用すればよいというものではありません。格差問題を根本から解決するためには、組織風土の改革や従業員への理解促進を行うことが大切です。

最も一般的なアファーマティブアクションの取り組みとしては、産休・育休制度が挙げられます。

女性は妊娠や育児によって長期の休暇を余儀なくされることがあるため、アファーマティブアクションの取り組みへの理解が不足している職場では、女性従業員が長く働くことが難しくなります。産休・育休制度の取り組みを行っていなかった企業では、休暇の必要性の説明や組織全体への意識教育が必要になります。

アファーマティブアクションの取り組みを行うためには、固定的な男女の役割分担意識を解消することが重要です。

建設業や理系職種などそもそもの女性応募者が少ない場合や、純粋な向き不向きとして力仕事は男性従業員が多くなる場合はあります。だからといって女性の募集を行わなかったり、女性からの応募があっても始めから候補として扱わなかったりすると、男女格差の拡大や採用範囲の縮小につながります。

「営業は男性の仕事、事務は女性の仕事」といった組織風土や従業員に根付く男女格差の意識を是正して将来的な男女平等を目指すためには、格差による不利を被っている側への評価に対して、不利を背負っていることを考慮した加点を行う措置が有効です。

格差による不利を考慮して女性の評価に加点を行うことは、均等法第8条に「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保」を目的とした場合であれば違法にはならないと明記されているため、不当な評価を行ったとして罰せられるようなことはありません。

アファーマティブアクションの取り組みの種類と具体例とは?

アファーマティブアクションの取り組みには様々な種類があり、取り組む手法によって目的が異なります。代表的な取り組みの手法を3種類、具体例とあわせてご紹介します。

  1. クオーター制
  2. ゴール・アンド・タイムテーブル方式
  3. 基盤整備を推進する方式

1.クオーター制

クオーター制とは、組織に所属する男女の数や比率を「何人または何割以上」と定めることで、男女格差の是正を目指すアファーマティブアクションの手法です。

クオーター制の「クオーター(quota)」とは「割り当て・分配」を意味する英単語です。同じ音で「4分の1」を意味する「クオーター(quarter)」とは意味が異なります。

クオーター制によるアファーマティブアクションの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 採用計画を立てる上で職場ごとに女性比率の数値目標を設定する
  • 議会の議席において女性枠を割り当てる

2.ゴール・アンド・タイムテーブル方式

ゴール・アンド・タイムテーブル方式とは、指導的地位に就く女性の数や割合について達成すべき目標と達成までの期間の目安を示すことで、男女格差の是正を目指すアファーマティブアクションの手法です。

ゴール・アンド・タイムテーブル方式によるアファーマティブアクションの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 管理職における女性比率を2020年までに30%に引き上げる

3.基盤整備を推進する方式

基盤整備を推進する方式とは、女性従業員への積極的な教育研修を実施したり、男女の共存に必要な施設を用意するなどの施策で働く環境自体を整えることで、男女格差の是正を目指すアファーマティブアクションの手法です。

基盤整備を推進する方式によるアファーマティブアクションの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 男女従業員共に使いやすい器具や設備(更衣室やトイレなど)を導入する
  • 新たな職域を目指す女性従業員に対して知識や技能の習得を支援する研修を実施する
  • 男女の固定的な役割分担意識を解消するために社内で意識啓発研修を行う

アファーマティブアクションに取り組んで男女格差を是正しよう!

アファーマティブアクションの取り組みには様々な種類があり、解決したい課題によって取るべき手法が異なります。男女格差を是正するためには、単に女性を雇用すればよいというわけではありません。

アファーマティブアクションに効果的に取り組み、格差問題を根本から解決するためには、固定的な男女の役割分担意識を解消し、組織風土の改革や従業員への理解促進を行うことが大切です。

社会的な問題となっている男女格差の是正に取り組み、男女従業員共に活躍できる会社を目指して、様々なアファーマティブアクションの手法を試してみてはいかがでしょうか。

資料ダウンロードフォーム

    「ミツカリ - 導入事例集」が無料でダウンロードできます


    ミツカリは採用活動における利用だけでなく、入社後のマネジメントにも利用できる適性検査として3,800社以上の企業に導入されています。サービスも5年以上の運用実績があり、効果検証に時間のかかる離職率改善等においても、多くの企業で成果を出しています。

    今回はミツカリを導入した企業における活用方法や導入後の効果について、代表的な7つの事例をまとめました。是非ダウンロードしてご参照ください。

    ダウンロードにはプライバシーポリシーの同意が必要です。

    プライバシーポリシー

    関連するタグ