テレワークデイとは?参加企業数と実施状況について
テレワークデイとは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、総務省や厚生労働省などの行政機関が、東京都や経済界と連携して展開している国民運動です。
テレワークデイの参加企業は、2017年には927団体で実施者は約6.3万人でしたが、2018年には1682団体で実施者数は延べ30.2万人と、大きく増加しました。
総務省のテレワーク・デイ実施結果報告では、テレワークを実施した企業の従業員の90%以上がテレワークを継続実施したいと回答しており、テレワークデイがテレワークの導入促進として大きな効果があることが分かります。
HRプロの調査によるとテレワークを導入している企業は25%に留まっています。テレワークデイの導入促進効果があれど、テレワークを導入している企業は1/4程度となっています。
出典元『HRプロ』HR総研:「多様な働き方」実施状況調査【1】全般、テレワーク
2019年のテレワークデイは、本番となる翌年の東京オリンピック開催期間に合わせて、7月22日から9月6日の期間で実施されます。2019年のテレワークデイ参加企業は、前年の参加企業の大幅増加による知名度向上で、更に増加すると予想されます。
今回はテレワークデイ参加企業の報告書をもとに、テレワーク実施で得られるメリットについてご紹介します。
テレワークデイ参加企業がテレワーク実施で得られたメリット
テレワークデイの参加企業が得られるメリットがよく分かる事例を、テレワーク・デイズのホームページで公開されている、2018年のテレワークデイ実践事例報告書の中からご紹介します。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の事例
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社では、従業員人数4,309名の内、テレワークデイの期間中に999名がテレワークを実施しました。独自に設けた7月30日から8月3日までの拡張期間を含めると、全従業員の4割以上である約2,000名がテレワークを実施しています。
従業員の自宅を使った在宅勤務や自社保有のサテライトオフィス勤務だけでなく、共用オフィスを利用したサテライトオフィス勤務やモバイルワーク勤務など、様々な形態のテレワークを実施しました。
実施後に行われた全従業員に対するアンケートでは、テレワークによって通勤時間が削減できただけでなく、働き方への意識向上や創造性の向上、働きがいの向上にもつながったという結果が出ています。
NECネッツエスアイ株式会社の事例
NECネッツエスアイ株式会社では、2017年に参加した際には262名の実施に留まりましたが、2018年には全従業員5,009名(2018年3月末時点)の内、前年の10倍以上となる2,632名がテレワークを実施しました。
テレワークデイのコア日として設定した7月24日には、本社勤務営業・スタッフ部門の約8割がテレワーク勤務を実施しました。テレワークデイ総計では全国2,632名がテレワーク勤務を行い、海外とのweb会議を実施しました。
実施後のアンケート調査では、上司から見たテレワーク実施者の業務成果は、9割以上がオフィスと同等以上の成果が出たと回答しました。テレワーク当日の組織全体としての生産性も、9割以上がオフィスと同等以上の成果が出たと回答しています。
NTTコムチェオ株式会社の事例
2018年に参加したNTTコムチェオ株式会社では、テレワークデイのコア日となる7月24日には、363名の従業員がテレワークによる在宅勤務を実施しました。
NTTコムチェオ株式会社では普段からテレワークを導入していることもあり、全従業員1,200名の内、5日間の全日程で延べ1,745名がテレワークによる在宅勤務を実施しました。
在宅勤務の従業員全員が全国8カ所の拠点型センターに通勤した場合との比較データが公開されているので、ご紹介します。
- 通勤に伴う交通費の削減
往復800円×363名=291,400円 - 通勤時間の有効活用
往復116分×363名=42,108分(=701時間48分=29日5時間48分) - オフィス賃料の費用削減
全国8ヵ所の拠点型センターを賃貸した場合のオフィス賃料(概算)
月30,306,825円(1日あたり977,639円)
363名分の合計ではありますが、たった1日で100万円以上の費用と約1ヶ月分の時間を削減できたことになり、テレワークのメリットの大きさを示しています。
テレワークデイをきっかけにテレワークを導入してみよう
テレワークデイの参加企業数は、2017年から2018年で大きく増加し、東京オリンピック前年となる2019年には更なる増加が予想されます。
テレワークデイに参加した企業のほとんどで、労働生産性の向上や従業員のワークライフバランス向上に効果があり、テレワーク導入のメリットを実感する結果となっています。
政府主導の国民運動であれば自社の従業員への説明が容易なことを利用して、多くの企業がテレワークデイをきっかけとしてテレワークを導入しているように、2019年・2020年のテレワーク導入を目指してみてはいかがでしょうか。