面接で「人柄」を評価する必要性とは
2018年2月、リクルートキャリアが発表した転職求人倍率は、1.80倍に達しました。職種別に見ても、34職種のうち13職種は過去最高を記録したとのことで、依然として採用の難易度が極めて高い状況であることが伺えます。
出典元『リクルートキャリア』2⽉の転職求⼈倍率は1.80倍(前年同⽉差 ▲0.02)
これは同時に、苦労して採用した人材が早期離職してしまわないように「自社に合う人材」を見極めて採用する重要性が高まっているということです。
厚生労働省が発表した「平成 28 年雇用動向調査結果の概況」によると、職場の人間関係を理由に転職した割合は、定年や契約期間満了、収入、労働条件に続いて、男女ともに上位を占めています。
求職者の人柄を見極めることは、求職者が自社に合う人材かどうかを見極めるのはもちろん、既存社員が新入社員との人間関係を理由として離職しないことも見極める必要があります。
人事担当者(採用担当者)は、面接の限られた時間の中で、求職者の人柄を的確に評価する必要があります。
面接で「人柄」を評価するためには「対話」が大切
面接で人柄を評価するためには、一方的に聞きたいことを聞いて質問攻めにしてしまうのはよくありません。かといって、求職者が話したいことだけを話させて、聞き手に回るだけでも採用の合否は判断できないでしょう。
自社に合う人材かどうか、人柄を見誤らないよう、話の内容を深化させていくための「対話」が必要なのです。その手がかりを得るためには、性格や価値観を客観的に分かる適性検査がおすすめです。
次の段落では、面接で求職者と「対話」をするための面接の掟を3つ紹介します。
面接の掟 1. 適性検査を上手に活用する
面接という限られた時間を有効に活用するためにデータを活用することは、いまの時代不可欠です。中でも面接前に行う「適性検査」は、人物特性を見極めるうえで客観的な判断材料となるため、特におすすめです。
しかし適性検査は、簡単に嘘をつくことができます。自分が優秀な人材であるとなりすましたい、適性検査の対策本を元にお手本通りの回答をする、などのことが起こりえます。
その上で重要なのは「自社に合うか」と言った視点です。優秀な人物であるかどうかを見極めるためでなく、自社に合うかどうかを適性検査で確認したいと受検者に伝えることで、普遍的な「正解」がなく嘘をつくメリットを排除することが、正確なデータを得るコツです。
従来の適性検査ですと、受検者の人柄は分かるものの、自社や従業員と合うかどうかは人手で確認しなければなりませんでした。弊社のミツカリは、性格や価値観はもちろん、自社や従業員と合うかどうかを自動で判定し、業務効率化にもご活用できるように設計しています。
面接の掟 2. 質問を用意する
応募時の書類や適性検査の結果を踏まえて、面接で重点的に確認したいポイントを明確にしておくことも大切です。面接で対話を深めていくための質問を用意しておきましょう。
入社後に配置したいポジション(チーム)を念頭に置いて、「早期離職を防止するためには、どんなことを聞いておくべきか?」をシュミレーションしてみましょう。
質問は複数用意しておき、全て質問できなくてもOKという前提で、「どうしても聞いておきたいこと」など、質問の優先度をつけておくとよいでしょう。
面接の掟 3. 客観的な評価基準に沿って評価する
面接で話した内容を評価して採用の合否を判断するためには、「客観的な評価基準」が必要となります。
主観に頼らず「どのような状態であれば能力が高いと判定するのか」具体的な尺度をあらかじめ明確にしておき、その基準に達しているかどうかを見極めるようにしましょう。他の面接官や上司にも説明できるように、客観的な評価基準を定めておくことが大切です。
自社と求職者の「双方にメリットがある」かどうかを大切に
面接で「人柄」を把握する目的は、求職者の人間性をあぶり出すことでも、アラ探しをすることでもありません。あくまで自社の社風に適応し、その人らしく活躍できるかどうかを判断することが目的です。
自分の本心を飾らずに語れる会社に転職できることは、求職者本人にとってもより良い結果をもたらすはずです。面接を担当する際には、企業と求職者の双方にメリットがあるかどうかを意識して、「人柄」の把握につとめるとよいでしょう。