テレワーク導入のメリットとは?導入企業事例から導入効果を探る!

実際の導入事例から見るテレワークのメリットとは?

テレワークとは、会社から離れたところで働くことを意味する言葉です。在宅勤務だけでなく、サテライトオフィスやモバイルワークなども含めてテレワークと呼びます。

テレワーク自体は1970年代から始まっていますが、働き方改革推進の影響やビデオ会議システムの普及による導入の容易化などから近年再度注目を集めており、日本企業でもテレワークを導入する企業が増加傾向にあります。

今回は実際にテレワークを導入した4社の事例から、実施したテレワークの内容と得られたメリットについてご紹介します。

テレワーク導入企業の実施内容と得られたメリット

テレワークを実施している企業がどのようなテレワークを行っているのか、実施した結果どのようなメリットを得られたのか、実際にテレワークを導入した4社の事例をご紹介します。

  • トロシステムズ株式会社
  • 株式会社日建設計総合研究所
  • 日産自動車株式会社
  • アサヒビール株式会社

トロシステムズ株式会社の導入事例

トロシステムズ株式会社の、社員数23人に対する実施事例です。

実施したテレワークの内容

トロシステムズ株式会社では、エンジニアや営業、経理・総務等の間接部門を含めて、社員全員を対象にテレワークを実施しています。

テレワーク環境をしっかりと構築して、日常的なビデオ会議の利用促進や、社員の個人携帯で会社への電話を直接着信可能にする等の環境を整えて、積極的にテレワークを推進しています。

対面コミュニケーションも重視しており、タッチダウンオフィス(定期的に社員が顔を合わせるオフィス)とワイガヤ環境(役職・年齢等に関係なく誰でも自由に話し合える環境)により、コミュニケーションの強化を図っています。

テレワークで得られたメリット

テレワークで得られたメリットとして、テレワークを活用した在宅勤務環境により通勤にかかる時間を削減し、社員のプライベートの時間や家族と過ごす時間を多く確保できるなど、ワークライフバランスの実現ができています。

育児期の男性社員は週1~2回活用することで子育てに積極的に協力でき、独身者の場合も自己啓発の時間が確保できます。

個人の勤務状況をシステムで可視化する、残業申請をシステム上でリアルタイムに行うなど、業務の可視化・効率化が進んでいます。

株式会社日建設計総合研究所の導入事例

株式会社日建設計総合研究所の、社員数62人に対する実施事例です。

実施したテレワークの内容

株式会社日建設計総合研究所では、2011年から研究職を中心とした在宅勤務を開始して、対象者の6割である62人がテレワーク勤務を経験しています。

終日在宅勤務を認めており、業務の都合により出社もできる部分在宅勤務のほか、モバイルワークも認めていて、働き方によって多様な選択肢を用意しています。

サテライトオフィスを設置して、自宅以外の場所で働く環境もサポートしています。

テレワークで得られたメリット

テレワークで得られたメリットとして、生産性の向上と、社員のワークライフバランスの両立が実現できています。特に育児期・介護期の社員が柔軟に活用していることもあり、テレワークに対する社員の満足度も高いようです。

通勤の負担がなくなることは、定年退職後継続雇用している高齢の社員に好評で「仕事に対する集中力が向上した」「休憩時間に散歩等ができ、精神的に余裕ができた」といった声があり、社員の愛社精神向上も期待できます。

日産自動車株式会社の導入事例

日産自動車株式会社の、社員数22,471人の内4,000人が利用した実施事例です。

実施したテレワークの内容

日産自動車株式会社では、2014年1月から在宅勤務制度の対象を製造工程以外の全社員に拡大しました。

月1回だった在宅勤務制度の利用上限を40時間(30分単位の部分在宅勤務も可能)とし、上司への申請期限も在宅勤務利用の前月までから前日までに変更し、テレワークを推進しました。

在宅勤務が難しいと思われてきた生産部門でもトライアルを行い、社内ポータルサイトやメールマガジンによる啓発を進めました。

テレワークを推進した結果、2015年度には在宅勤務制度を利用した社員は約4,000人(管理職含む)に上り、男性社員の利用が増加するとともに、育児・介護期の社員の利用も倍増しました。

テレワークで得られたメリット

テレワークで得られたメリットとして、通勤時間の拘束がなくなり、社員のストレスが軽減されました。

テレワークにより創出された時間は、育児や介護、家族との時間や余暇の時間など、社員のライフ面の質の向上に役立っています。働き方の見直しによる生産性の向上や、早朝・ 夜間の海外との打合せなど、柔軟性の高い働き方によってワーク面の質の向上にもつながっています。

アサヒビール株式会社の導入事例

アサヒビール株式会社の、社員数3,178人中1,580人(約50%)が利用した実施事例です。

実施したテレワークの内容

アサヒビール株式会社では、全社員向けに在宅勤務制度を設けました。

2015年からは、コアタイム時間を設けないスーパーフレックス制度の併用を認め、時間単位での在宅勤務を可能にしました。

テレワークで得られたメリット

テレワークで得られたメリットとして、育児中の社員が保育園の送り迎えにより遅い時間の出勤や早い時間の退社となる場合でも、フルタイム勤務が可能になりました。

通勤時間となっていた出社前や帰宅後の時間を、テレワーク制度とフレックスタイム制度を併用して埋め合わせ、勤務時間を減らさずに勤務することができています。

テレワーク制度を利用してフルタイムで働きたいという需要は高く、やむなく時短勤務を選択してきた社員への新しい選択肢が生まれることで、キャリアの幅が広がりました。

他社のテレワーク実施事例は大きなヒントになる!

テレワークは以前から存在していましたが、働き方改革推進の影響やビデオ会議システムの普及による導入の容易化などから、近年再度注目が集まっています。

既にテレワークを導入している企業も多く、自社の抱える課題と類似した事例から何を準備すべきなのか、成功させるための要因は何かを読み解いていくことが大切です。

自社のどの業務にテレワークを導入するのか、導入した場合どのようなメリットがあるのかを他社の事例を見ながら検討し、テレワークがもたらすメリットを最大限に活用しましょう。

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