面接の精度向上には、将来の行動予測と過去の行動例のどちらが良いのか

面接の妥当性を高めるために、すべき質問とは?

以前の記事において、「面接の妥当性」を高めるための要因を挙げ、面接官として何を準備して面接に望むべきかについて説明をしました。「面接官が事前にトレーニングを受けて」いて、「事前に決められた質問をする」面接の方が、そうでない面接よりもパフォーマンスの予測妥当性が高い、という内容を紹介しました。

面接では、応募者から聞き出したいことを正しく聞いて評価する事が重要です。しかし面接環境や価値観などから、実は正しく聞き出せていないことがあります。この記事では、面接官の振る舞いに着目した実証研究から、面接官が心がけるべき5つのことを説明します。

では、「どのような質問をすればいいのか?」という問いに、有用なアドバイスを示してくれる研究報告を見つけたので紹介します。

将来の行動予測ではなく、過去の行動を聞く

2002年のテイラーとスミスの49の実験をメタ分析した研究があります。

「このような状況の時は、どう行動しますか?」などの、仕事に必要なスキルに関連する場面を仮定した質問よりも、「このような状況は過去にありましたか?そしてどう行動しましたか?」というような、実際に過去で起こった場面について直接聞く質問でパフォーマンスを予測しました。

そうすると後者の「過去の行動を聞く」の方がパフォーマンスの予測性は高かったという報告がされています。

その効果は、仕事の難易度を三段階に分けた場合でも、上・中・下どの部類でも、同じような結果が得られています。

そしてこの研究で調べられた全ての面接中の質問タイプの中で、最も予測妥当性の高かった質問形式は、「実際にどう行動しましたか?」などの過去の事例を直接聞くタイプに加えて、その出来事や行動を評価する5点法などの尺度を用いている質問タイプでした。

ミツカリでも使用している、記述式でよく見かける方法ですが、面接でも使うと有効であることが明らかになりました。過去の出来事を描写する際に、このような指標はより受験者の明確な体験を聞き出す助けになるようです。

まとめると、ある想像上の場面で想像上のアプローチを話させるより、実際に体験した場面において、実際に自分が行ったアプローチを聞き出した方が、応募者の入社後のパフォーマンスを予測するのには信頼出来る面接の仕方であるということです。

面接官の質問の仕方で、妥当性は必ず上がる

一見当たり前の事のように感じるが、たった一言の違いで、予測妥当性が向上するのだから、今一度、慎重になっておいても良い部分なのではないでしょうか。

一方、データを見ると「このような状況の時は、どう行動しますか?」という仮定した質問でも、決して妥当性が低いわけではありません。過去の事例を直接聞くタイプの質問では、就労経験のない応募者などが答えられない場合もあります。仕事の複雑さによれば、そもそも一部の人からしか回答を得るのが困難であるから、仮定した質問をせざるをえない場合もあります。

これらの質問の仕方は、求人しているポジションのレベル、想定している応募者のレベルを吟味した上で、考慮しておきたい質問の仕方です。

面接官に事前のルールや質問事項が綿密に課せられていない場合だと、何気ない事で忘れてしまったり、変わってしまいそうな言葉遣いですが、このようなデータが示す通り、質問の仕方一つで予測性が高まることを念頭に置いておけば、面接官のトレーニングをより徹底して取り組むきっかけになるのではないでしょうか。


引用元:Taylor, P. J., & Small, B. (2002). Asking applicants what they would do versus what they did do: A meta-analytic comparison of situational and past behaviour employment interview questions. Journal Of Occupational & Organizational Psychology, 75(3), 277-294.

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