社員のモチベーションとは?上げる方法と下がる原因とは
日本では最近、少子化や高齢化社会の影響により、多くの企業で人材不足が問題になっています。
採用活動への危機感を覚えている企業の割合は、飲食店や介護などのニュースで騒がれている職種に限らず、従業員数が1000人を超える大企業でも9割を超えています。
出典元『株式会社ディスコ』「2019年卒・採用活動の感触等に関する緊急企業調査」<2018年3月調査>
人材不足を解消するためには、新規人材の獲得はもちろんですが、既存人材の流出を防ぐ視点も重要になります。離職率を下げるだけでなく、業績アップの方法として、社員のモチベーションを上げる施策が注目されています。
社員のモチベーションと従業員エンゲージメントは密接に関係しており、従業員エンゲージメントを高めると、同時に社員のモチベーションも上がります。
(従業員エンゲージメントやモチベーションなど、言葉の意味や違いについては「エンゲージメント・ロイヤルティ・従業員満足度の意味と違いとは?」をご覧ください。)
今回の記事では、モチベーションという言葉の意味や、社員のモチベーションを上げることで得られる様々なメリットなどについてご紹介します。
モチベーションとは?言葉の意味とモチベーションの種類
「モチベーション(motivation)」とは「動機づけ」という意味の英語で「人が行動を起こすことにつながる要因」を意味します。
仕事において「モチベーションが高い」ということは、従業員が自発的に業務を改善するなど「業績を上げるために情熱を注いでいる状態」のことです。
モチベーションに近い言葉として従業員エンゲージメントがありますが、従業員エンゲージメントは、企業やブランドと従業員の愛着・絆を指す言葉です。従業員エンゲージメントを高めることで、従業員のモチベーションが高まるという相関関係にあります。
よく混同される言葉として、ロイヤルティ、コミットメントがあります。ロイヤルティは会社が圧倒的に強い権力を持っており従業員が会社に尽くすこと、コミットメントは会社が従業員に対して要求して従業員がそれを承認した状態のことで、モチベーションとは違う意味の言葉です。
モチベーションには2種類ある
モチベーションには「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類があります。
内発的動機づけは、従業員の仕事に対する興味や関心から生まれるやりがいや達成感など、仕事そのものにもとづく動機づけです。
外発的動機づけは、昇給や昇格といった人事評価から生まれるやりがいや達成感など、仕事そのものとは関係の無い動機づけです。
社員のモチベーションを高めるメリットとは?
社員のモチベーションを上げることで、代表的なメリットを3つご紹介します。
- サービスの質や労働生産性が向上する
- 様々なリスクやトラブルの可能性が低下する
- 離職率が改善される
モチベーションを上げるメリットは上記3つの他にも、先述した従業員エンゲージメントが高まったり、組織の士気が高まって社内の雰囲気が良くなったりするなど、企業にとって数多くの、大きなメリットがあります。
1.サービスの質や労働生産性が向上する
モチベーションが高い社員は、いかに取引先や顧客に満足してもらうかを考えて行動するため、サービスの質が向上します。
社員が自ら工夫をして業務効率の改善を試みたり、他の社員と協力することで仕事の質が上がり、労働生産性が向上します。
2.様々なリスクやトラブルの可能性が低下する
モチベーションが高い社員は、責任感が強く仕事の手を抜くようなことをしないため、様々なリスクが低下します。
社員一人ひとりが不良品が出ないよう注意を払ったり、社外秘の資料は厳重に管理するようになるため、会社にとって致命的なトラブルが生じる可能性が低下します。
3.離職率が改善される
モチベーションを高めることによって、社員の定着率が良くなり、離職率を下げることができます。離職率が下がれば、雇用や教育コストの削減にも繋がります。
仕事へのモチベーションは、転職の理由として様々な調査で上位に挙げられており、優秀な人材ほど仕事へのモチベーションの影響が大きくなります。
社員のモチベーションが下がる原因と解決する方法とは?
社員のモチベーションを上げることはもちろん重要ですが、せっかく上げたモチベーションの低下を防ぐことも大切です。
社員のモチベーションが下がる原因と、モチベーション低下の原因となる問題への対策を、代表的なものの中から4つご紹介します。
- 達成目標が非現実的
- 不明瞭・不公平な評価制度
- ワークライフバランスが実現できていない
- 社内のコミュニケーションの欠如
1.達成目標が非現実的
目標が非現実的だったり、大きすぎて到達に時間がかかりすぎると、社員のモチベーションが下がります。
少しずつ段階的に達成できるような目標を設定することで、社員のモチベーションを上げることができます。
2.不明瞭・不公平な評価制度
目標を達成したり成果を挙げたりしても評価されず、努力をしても報われなければ、社員のモチベーションが下がります。
成果を正当に評価し、昇給や昇格などに反映することで、社員のモチベーションを上げることができます。
3.ワークライフバランスが実現できていない
長時間労働や休日出勤による疲労が溜まった状態では、社員のモチベーションが下がります。
適正な労働時間の管理や有給休暇の消化推進などを適正に行うことで、社員のモチベーションを上げることができます。
4.社内のコミュニケーションの欠如
社内の人間関係が悪く、仕事と直接関係の無い場面でストレスを感じる状態では、社員のモチベーションが下がります。
社内の風通しを良くしてコミュニケーションを活発化させ、人間関係を円滑にすることで、社員のモチベーションを上げることができます。
社員のモチベーションアップは企業の重要な課題になる!
モチベーションとは、仕事を行う上でのやる気や動機など、全ての起源となる非常に重要な要素です。社員のモチベーションを高めることで、労働生産性が向上し、離職率が低下し、企業の業績アップにつながります。
いつの時代でも、どんな職種でも、社員のモチベーションを高めることは、企業にとって重要な課題です。社員モチベーションを上げる具体的な施策などについては、今後の記事で掘り下げていくので、是非参考にしてみてください。