あなたの会社でもやっていますか?「ランチで社内コミュニケーション」
社内コミュニケーション活性化のために、ランチ懇親会を導入している企業が最近増加傾向にあります。
「社内のコミュニケーションの促進」で大きなハードルとなるのが、「イベントなど実際のプランを実施する時間の捻出」です。社員のプライベートが重要視されるようになった昨今では、飲み会など業務時間後に部下を誘うことは難しくなっています。
最近では育児や介護に取り組む社員も増え、飲み会に参加したい気持ちはあるものの、家庭の事情で実際の参加は難しい……というケースも少なくありません。
このような社員が多くいる場合に有効なのが、「ランチ」を取り入れた施策です。
調査会社マクロミルが実施したアンケートでも、夜の会食などにネガティブな印象を持つ人が調査対象全体の85%以上になるという結果も。その反面ランチ会は、社外に出かけたり、お弁当を持ち寄っての会など、メンバー全員でランチの時間を持つことができ、お互いの嗜好や趣味といったプライベートな面を知る機会にもなって一石二鳥です。
出典元『ログミー』飲み会じゃなくてランチで良くない?会社懇親会の不満を解消する「部ランチ」導入企業が増加傾向に
アルコールが苦手という社員も安心して参加できる点や、他部署との合同ランチ会などで部署間の交流を深める時間になる点など、さまざまな効果が見込めます
「ランチ懇親会」での社内コミュニケーションのメリットとデメリットとは
「ランチ懇親会」による社内コミュニケーションのメリットとデメリットについて、整理してみましょう。
「ランチ懇親会」での社内コミュニケーションのメリット
プライベートの時間を犠牲にすることなく、翌日の仕事にも影響がない
飲み会は、家の事情や個人的な理由(会社の人と業務時間外で会うのは避けたいなど)で参加しづらい人がいますが、ランチであれば仕事の合間の時間を有効活用できます。
また、お酒を飲めない人にとっては飲み会は少々ハードルが高いもの。ランチ懇親会ならそういった心配もなく、誰もが気軽に参加できることができます。
コストパフォーマンスが高い(飲み会などよりリーズナブルなことが多い)
グルメクーポンサイトを運営する「ホットペッパーグルメリサーチセンター」の調査によると、その平均予算は約2,600円だそうです。
出典元『ログミー』飲み会じゃなくてランチで良くない?会社懇親会の不満を解消する「部ランチ」導入企業が増加傾向に
通常のランチよりは少し金額が高めですが、飲み会に参加するのと比較するとリーズナブル。普段の昼食では行かないお店に行けたりと、特別感のある食事の時間を楽しむこともできます。
経営層などと交流できるケースでは、トップが現場の声を直接知ることができる
会社によっては、経営層と複数の部署の若手などでランチ会を開催することもあります。普段、直接話をする機会のない経営層の話を直に聞くことで、会社の方針や方向性を改めて理解する機会にもなります。
人間関係を育てるのに役立つ
新しいサービスや仕事の発想は同じ環境にいたのでは生み出しにくいもの。さまざまな人とコミュニケーションを取る中で新しい発想が生まれるという意味でもランチ会は大きな機会となります。
実際に実施している企業では、「他部署の人でも話しかけやすくなった」「仕事以外の話もできる」など、社内の人間関係が円滑になったとして、社員からは好意的に受け止められているとのこと。
「ランチ懇親会」での社内コミュニケーションのデメリット
話す内容に注意を払う必要がある
外食、しかも職場の近くとなると、同じ職場の他のグループや違う会社の方がいる可能性が高いもの。部外の機密情報などをうっかり話したことを聞かれるなどのリスクがあることに留意し、話す内容に注意する必要があります。
メンバーが固定化されてしまうと、コミュニケーションの促進にならない
ランチ会もただやっているだけでは意味がありません。何も意識しなければ仲の良いメンバー同士で開催している…ということも起こります。そもそもの目的を常に意識しておくことが重要です。
休憩時間は一人で過ごしたいという考えを持つ社員もいる
飲み会と比較するとハードルは低いと言われますが、それでも個人の時間を使うことには変わりはありません。複数の人と交流することが得意でない人や、そういう集まりにネガティブな社員がいるかどうかは、事前に把握し、個人に合わせた施策としていくことが肝要です。
ランチ会を導入している企業の事例
事例1:週に1度のランチはランダムに選ばれた同僚と(株式会社キャリアインデックス)
週に一度、従業員同士でランチに出かけるという取り組みを2013年から始めています。
面白いのは、参加メンバーはプログラムしたシステムでランダムに選ばれる点。4人1組のグループを無作為に抽出し、そのメンバーでランチを食べに行くというのがルールだそうです。
新しいサービスを生み出すためには、いつも同じ人とばかり話すのではなく、さまざまな人とコミュニケーションを取ることが大切だ、という思いのもと、施策を展開しているとのこと。
もともとは、こうした仕事に良い影響を与えるとして始められた取り組みですが、最近では「他部署の人でも話しかけやすくなった」「仕事以外の話もできる」など、社内の人間関係が円滑になったとして、社員からは好意的に受け止められているようです。
参考URL『株式会社キャリアインデックス』社内制度
事例2:コミュラン(株式会社ビズリーチ)
「コミュラン」は、社員が100名を超えた頃に社員からの提案で始まった『全社横断のコミュニケーションランチ』です。 毎月ランダムに数人のメンバーを組み合わせ、それぞれのグループで日程を調整し、ランチに行くというシンプルなもの。
バックグラウンドもさまざまなメンバーが多く入社するため、会社としての成長と部署や職種を超えた社員同士のコミュニケーションを両立するための施策が必要で、その一役をランチ会が担っているのだそうです。
業務でサポートが必要な際や困った時、「こんなことをやってみたい!」と思った時に、声がかけられるような関係性がたくさん生まれたらよいとのこと。実際に、「コミュラン」での会話から生まれたアイデアをもとに実現した取り組みなどもたくさんあるそうです。
参考URL『Reach One』ランチの「ゆるいつながり」が、イノベーションの種になる
事例3:役員ランチ制度(株式会社アカツキ)
月に1度、社員側から役員を指名して一緒にランチに行くという取り組みを実施しています。
社員目線で感じた「会社をもっとこうしたい」「会社のこれからについて教えてほしい」などというさまざまな意見を、役員に直接聞くことができる機会となっているそうです。
参考URL『株式会社アカツキ』アカツキの環境/制度
ランチ懇親会なら、誰でも気軽に参加できる!
最近のプライベートを重視する若手社員の傾向も含め、夜の飲み会より昼のランチが好まれることが多い昨今。見てきたように、社内コミュニケーションの一環として一つの形を作っていますが、休憩時間は一人の時間をのんびりと過ごしたい(人と関わりたくない)人にとってはランチ会もストレスとなってしまうことも……。
コミュニケーション施策として取り組みやすいランチ会ですが、強制力を持たせすぎず、バランスを見て実施することも必要です。
外食などにする場合は、福利厚生費などから補助を出すなどして、積極的な参加を促すなどの仕組みも取り入れ、最適なカタチの「ランチでのコミュニケーション」を考えていくことをおススメします。