グループワークの手法とは?採用選考や研修方法で使える5技法

グループワークには様々な手法がある

選考採用や新人研修など、人事業務の様々な場面でグループワークが使われるようになりました。

グループワークは書類選考や面接だけでは見れない、参加者の主体性や性格などの見極めに適した方法です。しかし、グループワークには様々な手法が存在します。

グループワークの手法の違いによって評価できる項目の得手不得手があるため、どのような手法があるのか、各手法においてどんな点を評価できるのかを知っておく必要があります。

選考採用や新人研修で用いる際は目的にあった手法を選ぶことが重要です。逆に目的にあった手法を選択できれば、自社が求める人材に照らし合わせて、採用選考や新人研修にご活用いただけるはずです。

この記事では、グループワークにはどのような手法があるのか・どのような評価ができるのかについて概要を紹介致します。自社が求める人材に照らし合わせて、目的にあった手法を選択し、採用選考や新人研修でご活用ください。

個人単位での評価とグループ単位での評価

グループワークはグループ単位での成果物が得られるため、個人単位での評価はもちろん、グループ単位での評価も必要になります。

例として成果物を出すための過程が重要となる課題では、個人とグループの双方の評価を併せて評価したい場合があります。個人評価の比重が2/3、グループ評価の比重が1/3として加算するなど、適切かつ公平な評価をするために事前に決めておく事が重要です。

評価項目や基準、比重については、状況によって違うため「企業がどのような人材を探し求めているか」や「テーマ設定からグループワークから期待するもの」、「実際やった結果はどう違うか」など、社内で検討と考察をしたうえでの調整が望ましいです。

正しく評価するためには、個人としての評価とグループとしての評価を事前に決めておくことが大切です。

評価したい能力とは?

グループワークで評価したい能力には、どのようなものがあるのでしょうか?

経済産業省が提唱している「社会人基礎力」というものがあります。
社会人基礎力とは

出典元『経済産業省』社会人基礎力

この社会人基礎力は、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」と定義されています。
この12個の能力要素を参考に、評価項目・評価基準を作成すると良いでしょう。

更に12個の能力要素から、どこに重点をおくかは、
自社の求める人物像と照らし合わせて判断します。

評価基準を作成する際は、評価者(面接官)が主観的に判断しないように、
客観的な評価基準を明確化しておく事が大切です。
(5段階評価で、この行動基準を満たしたら4点など)

グループワークの代表的な5つの手法について

グループワークの代表的な手法として、次の5つの手法があります。

  1. Think-Pair-Share
  2. ラウンド・ロビン
  3. ピア・レスポンス
  4. ジグソー
  5. マイクロディベート

各手法について、どのような評価ができるのか、それぞれ説明します。

Think Pair Share

与えられたお題に対し自分1人で考えをまとめ、その後ペアとなって、お互いの考えを共有します。その後、ペア同士(2人✕2ペア)で再度考えを共有して話し合い、得られた結果を共有する手法です。

自分の考えをまとめる時間を設け、一人の相手に自分の意見を述べられるため、学生の不安(考えをまとめられるか、多人数の中で発言できるか)を取り除けます。

参考URL:Think Pair Share

評価項目

  • 課題発見力
  • 創造力
  • 発信力
  • 傾聴力
  • 情況把握力

お題例

「新規プロジェクトのマネージャとして優先すべきことは?」

ラウンド・ロビン

お題に対して参加者が順番にアイディアや意見を述べていく、ブレインストーミングの簡易版です。意見を述べている際は質問や評価は行わず、次々に新しい考えを出していく事が重要です。

応募者の独創力や発想力を測れます。順番に発表するため、全ての参加者に発言する機会が与えられます。普段物静かな性格な人でも意見を述べ、強い自己主張がある人からの影響力が少なくなるのがポイントです。

ファシリテーターは、参加者全員が気軽に意見を出せる雰囲気を作ることが重要です。

参考URL:Round Robin

評価項目

  • 実行力
  • 課題発見力
  • 想像力
  • 発信力
  • 傾聴力
  • 柔軟性
  • 情況把握力
  • 規律性

お題例

「弊社(製品)の強みは何か?」
「新卒採用を辞めたときに、発生する問題は何か?」

ピア・レスポンス

レポートやプレゼンテーションなどの準備過程で、アウトラインや内容を他者に発表し、感想や改善を伝え合う手法です。

発表者は聞き手を意識した伝え方をする、他人の批判を受け止めて改善する、説明することで自分の考えを深められるといった効果があります。

お互いにアドバイスや意見を出し合うときに、どのような責任態度を持っているのか、フィードバックの内容から判断ができます。発表内容についても、聞き手に分かりやすく伝えられるか、批判を受け止めて改善できたかを判断できます。

参考URL:Benefits and difficulties in using peer response for writing in the EFL classroom

評価項目

  • 主体性
  • 働きかけ力
  • 課題発見力
  • 計画力
  • 発信力
  • 傾聴力
  • 状況把握力
  • ストレスコントロール力

お題例

「A町商店街は隣町のB町に大型ショッピングセンターが出店された影響で客足が落ちている。そこでA町商店街に客を呼び戻す方法を考え、そのために必要なポスターを考える」

ジグソー

グループの各メンバーに異なる役割をもたせ、その役割の専門家として課題を解決させる手法です。各メンバーがジグソーパズルのピース(代替できない役割)を持って、全員で一つのパズルを完成させるイメージです。

参加者は自分しか知らない情報を他のメンバーに分かりやすく伝えながら、チームとして意見を取りまとめる能力が求められます。

Jigsawの考案者Elliot Aronson(1978)によると、このメソッドは参加者を効率良くマテリアル学習に取り込ませることができると述べています。また、メンバーそれぞれが「ベストを尽くす」必要がある雰囲気を作り出せるため、メンバー同士の協力やインターアクションを促せます。

参考URL:Jigsaw Groups for Cooperative Learning

評価項目

  • 主体性
  • 働きかけ力
  • 実行力
  • 課題発見力
  • 計画力
  • 発信力
  • 傾聴力
  • 柔軟性
  • 情況把握力
  • 規律性

お題例

「資料を見て、新たな生命保険を作ってください」

マイクロ・ディベート

三人一組になり、お題に対して「肯定」または「否定」の立場を決め、自分達と反対の立場の論証を予想して、発表や議論を行う手法です。

ディベートは応募者のクリティカル・シンキング力や表現力、人柄などの評価だけでなく、意見が対立する逆境のなかでどのように立ち振る舞うのか、チームワークをどう発揮するのかを見られます。

ディベートのプロセスの中で、問題解決力や革新的な思考力を身につけ、将来未知である課題に直面したとき泰然と対応できます。

参考URL:マイクロディベート

評価項目

  • 主体性
  • 実行力
  • 課題発見力
  • 計画力
  • 創造力
  • 発信力
  • 傾聴力
  • 情況把握力
  • 規律性
  • ストレスコントロール力

お題例

「弊社にフレックス制を導入すべきか、否か」
「小学生に携帯電話を持たせるべきか、否か」

1グループに適切な人数は?

1グループあたりの適切な人数は、3人から5人といわれています。

4人であれば、2人✕2ペアでの作業と連携が可能です。3人掛けの机を合わせて6人組にすることも多いですが、その程度が 1 グループとしては限界でしょう。

逆に7人以上になると、割り当てたグループ内で更に小グループが生まれてしまい、評価が難しくなるため、注意が必要です。

出展元『長崎大学 大学教育イノベーションセンター』いくつかのグループ技法の紹介

評価したい基準でグループワークの手法を決めよう!

グループワークには様々な手法があり、評価できる項目が異なることがわかりました。

代表的な5つの手法と評価項目としては次の組み合わせになります。

  • 課題発見力、発信力をみるなら「Think Pair Share」
  • 創造力、規律性をみるなら「ラウンド・ロビン」
  • 傾聴力、ストレスコントロール力をみるなら「ピア・レスポンス」
  • 主体性、情況把握力をみるなら「ジグソー」
  • 働きかけ力、柔軟性をみるなら「マイクロディベート」

採用選考や新人研修に用いる上で、人事担当者としては、自社の求める人物像にあった適切な手法を選び、正しく評価することが大切です。

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