グループワークとは?意味や目的、やり方や実施方法、効果や意義について

採用選考でグループワークは使われているの?

採用選考や研修などで、グループワークを実施されている企業様もいらっしゃるかと思います。

ダイヤモンド・ヒューマンリソース社の「2016卒 採用・就職活動の総括」によると、採用選考でグループワークを導入している企業は約17%、グループディスカッションを導入している企業は約24%となっています。

グループワーク・グループディスカッション導入率
出典元:『ダイヤモンド・ヒューマンリソース』2016卒 採用・就職活動の総括

インターンシップを活用して、優秀な人材を早い段階で囲い込む企業が増えてきました。インターンシップの選考でも約35%の学生がグループディスカッション・グループワークでの選考を経験しています。
参考URL:『Business Insider Japan, Careers』就活は3年夏の「イン活」で決まる

インターンシップ選考について
出典元:『ダイヤモンド・ヒューマンリソース』ダイヤモンド就活ナビ2018 就職モニターレポート12月調査

今回は、グループワークやグループディスカッションを既に導入している企業さま、今後検討されている企業に向けて、グループワークを実施する目的や意味、グループワークとグループディスカッションの違い、評価の仕方などについて概要をお伝えします。

より詳しい説明は、今後の記事で説明いたしますので、まずは基本部分の理解にお役立てください。

グループワークを実施する意味とは

多くの学生は、講義による授業など、一方的に知識を注入されるような学習が中心です。しかし、仕事をする上では自主的に動けるか、他者とのコミュニケーションは円滑にできるのかが重視されます。

グループワークを実施する目的は、主に書類選考や面接だけでは評価しきれない部分を評価することです。グループワークでの参加者の行動を観察することで、主体性やコミュニケーション能力、人柄や行動理念などを理解することが大切です。

グループワークとグループディスカッションの違いについて

冒頭では、グループワークとグループディスカッションをあわせて説明しましたが、これらの違いが曖昧な方も多いのではないでしょうか。

グループディスカッションは応募者の主体性やコミュニケーション力、チームワーク、またはその者たちの人柄などを可視化し、評価ができる方法です。そもそも正解がない・正解を出すのが難しいテーマでの議論が主な内容です。

グループワークは、グループディスカッションに加えて、成果物があるのが大きな違いです。成果物の結果だけでなく、成果に達成するまでのプロセスの中で、個人のスキルやチームワークが可視化され、評価ができます。

エンジニアの採用であれば一つのプロジェクトの完成、デザイナーの採用であれば一つのアート作品を作るなどのテーマがあります。

グループディスカッションとグループワークには評価できる項目の違いがありますが、話し合いのみのグループワークもあり、混乱しがちです。しかし「ディスカッション」はあくまでも話し合いが中心であるため、個人の能力や職業スキルを評価したい場合には、本格的な「成果物」を作るグループワークにメリットがあります。

グループワーク実施前に準備しておきたいこととは

グループワークを実施する前には、主に4つのことを準備しておきましょう。

  1. 評価したい項目や評価基準を決める
  2. グループワークのテーマを決める
  3. 必要な資材や部屋、スタッフなどの人員を確保する
  4. 参加者の価値観や心理傾向、思考判断を事前に把握する

評価したい項目や評価基準を決める

グループワークで、どんなことを評価したいのか、どんな基準で評価するのかなどの評価項目・評価基準を決める必要があります。ここが最も重要なプロセスです。

自社の求める人物像から、どのような評価項目を設けたほうが良いのか、評価基準はどのように設定するかを決めます。評価項目や評価基準は客観的に分かる(評価者によって評価が変わらない)ように決めるのがコツです。

評価項目すべてを見極めることは難しいものの、グループワークでプロセスと成果を見れるからこそ見極めが容易な項目があります。

グループワークのテーマを決める

評価項目と評価基準が決まったら、適切に見極められるグループワークのテーマを選定する必要があります。

テーマの決め方のコツとしては、自社の業務と関連する内容が理想です。新人研修の際はもちろん、採用選考においても、参加者は貴社の業務のイメージが湧きやすくなります。人事担当者としても、採用した場合にどのように活躍してくれるのか、評価がしやすい事が挙げられます。

必要な資材や部屋、スタッフなどの人員を確保する

グループワーク中に必要とする文房具用品だけではなく、お題に沿った資料(公開して良いのであれば、昔の業務から引用するのは有効です)、参加者の規模から実施する部屋や、司会や評価をする社員などを決める必要があります。

円滑な運営ができなかった場合、応募者は「この会社は仕事の段取りが悪い」などとの不安を抱き、選考辞退・内定辞退を招く可能性もあります。事前に準備すべきことは準備し、タイムスケジュールの共有だけでなく、評価者はどんなタイミングでどこに着目すべきかなども、共通認識を持っておく必要があります。

参加者の価値観や心理傾向、思考判断を事前に把握する

参加者の事前情報がある場合は、グループワークを実施する前に確認しておきましょう。どのような人物なのかのイメージがあれば、注意して観察すべきポイントが明確になり、評価もしやすくなります。特に参加者の価値観が企業の価値観とあっているかどうかを確認することが、活躍社員の見極めに有効です。

進行役と評価者(アセッサー)が企業の状況を十分に理解・把握することが求められます。

評価の仕方~グループワーク評価が良い理由~

書類選考や面接だけでの評価では、正しく評価できないことが多いことが挙げられます。

構造化面接を意識していない場合、面接での質問内容や応募者の「発言」は、面接官の主観によって評価されがちです。自社で求める人物像と合致しているか、自社で活躍してくれる人材になりそうかなどの評価が客観的にできないことが問題視されています。

応募者は優秀な人材を演じようとして「なりすまし」と「印象操作」を目的とした嘘をつく可能性もあります。「なりすまし」は自分の理想像を作り上げ、面接の時間中は理想像になりきろうとする行為のことを言います。「印象操作」は自分の印象を良くするために、自分に都合がわるいことは話さずに隠す行為のことです。

「なりすまし」や「印象操作」が必ずしも悪いというわけではありませんが、人物評価をする際には「応募者のこの発言は嘘である」と見極めて評価しなければなりません。しかし、面接での受け答えだけで「発言の嘘」を見抜くのは現実的ではないため、実際の行動として観察することで、「なりすまし」や「印象操作」に惑わされにくくなります。

その反面、グループワークは目の前で応募者の行動を直接観察して評価できます。多人数でのコミュニケーション能力やリーダーシップ、仕事の進め方など、書類選考や面接だけでは見極められないスキルを客観的に評価できます。

例えば、貴社が「主体性のある」人材を求めている場合は、書類選考や面接、適性検査などで「主体性がある」と判断した参加者の行動を注意して観察したり、「主体性がない」と判断した参加者が、実際には「主体性がある」となったときは、他のスキルなどの評価も合わせて選考を進めるなどができます。

求める人物像から、グループワークが必要かを考えよう

グループディスカッションやグループワークは、準備すべきことも多く、人事担当者の業務が増えている現状では、全ての企業で導入すべき方法であるとは言えません。

グループワークは、書類選考や面接だけでは正しく評価できない項目を補ってくれる効果もあります。まずは自社が求めている人物像を明確化し、重要な評価項目は何かを把握しましょう。他の選考手法で見極められるのか、グループワークで見極める方が良いのかとの視点から、グループワークの実施・導入を検討するのが良いでしょう。

グループワークは、実際の業務と紐付いたテーマで実施することで、参加者も実際の業務のイメージがつくメリットがあります。人事担当者もスキル部分の評価をできるため、グループワークの実施は双方に大きなメリットがあります。

グループワークの目的を理解し、正しく活用すれば、採用の精度向上にも繋がります。採用戦略において、一度必要であるかどうか検討してみるのはいかがでしょうか?

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