会社の業績アップや従業員のモチベーションがアップする社風改革
社風は、経営層も含めた全従業員の価値観から成り立っています。自然発生するため「社風のない会社」は存在しません。必ず何かしらの社風が存在しますが、自社の社風を客観的かつ正確に把握できており、説明もできる人は多くありません。
経営者の理想とする社風と、実際の社風がずれていることがあります。例えば、経営者としては「理念重視」な社風を目指したいと思っていたとしても、現実は「ビジネス重視」の社風となっていたり、経営者は「新しいことに挑戦する社風」にしたいと考えていても、実際の社風は「保守的で堅実的な社風」になっていたりします。
経営者が理想とする社風と実際の社風のズレをなくすためには、理想を変えるか、実際の社風を改革するかのどちらかを選択する必要があります。実際に、社風を改革することは可能であるのか、社風を改革する際の注意点などについて説明します。
中長期的に見れば、社風改革は可能である
中長期的に見れば社風改革は可能です。実際に社風を改革することで、従業員のモチベーションがあがったり、早期離職者が減少したり、業績アップに繋がったり、といった結果を出している企業も多数存在しています。
しかし簡単に社風改革をすることはできないですし、失敗すると従業員が退職してしまったり逆に業績が悪化してしまったりする可能性もあります。社風改革を実施するかの判断は、慎重に行いましょう。
社風改革が可能な理由とは
社風というのは、従業員達の価値観が社風を作る要素となっています。人間の価値観は変わる可能性がありますので、価値観が変われば社風も変化していきます。
現状全従業員が挑戦思考だった場合でも、着実思考に移行したいと考えれば、いずれは実現することができます。会社の利益やインセンティブを重視する社風だったとしても、お客様に感謝されたり喜ばれたりすることにやりがいを感じる従業員が増えれば、「お客様を第一に」と考える社風が構築されていきます。
人の価値観は変化するものではありますが、当然のことながら、すぐに変わることはできません。経営者などから「変えてくれ」と言われて「変わる」ものでもありません。社風改革は可能ではありますが、長期的な視点で考える必要があります。
社風改革における注意点について
人には譲れない価値観なども存在していますので、価値観の改革を行おうとすると「社風とのミスマッチ」を引き起こしてしまう可能性があります。
努力やプロセスなども重視し評価する社風だったものが、結果や数字だけを見て評価するような社風に改革した場合、「働きづらくなった」「仕事が楽しくない」「評価してもらえなくなった」などという風に思う従業員が退職してしまうことにもなりかねません。
社風の改革を経営者や管理職だけが主体になって実行しようと考えていても、従業員一人ひとりの価値観が変わらないと意味がありません。経営者や管理者の自己満足的なものになってしまっては意味がありません。
「お客様を大切にしよう」「チームワーク、団結力を持って取り組もう」のような目標ではなく、「何故お客様を大切にするのか」「大切にしたらどのような結果が得られるのか」などと掘り下げて説明し、共感を得る必要があります。
社風の改革を行うためには中長期的な視野を持つ必要があります。急いで改革しようとしても人の価値観は簡単に変わるものではないため、じっくり時間をかけながら少しずつ継続的に取り組むことが大切です。
中長期的な視野を持ち、多面的にとらえることが重要
社風改革、すなわち従業員の価値観を変えるのは、可能ではありますが、現実的には多くの注意点があります。また、短期間で社風を改革することはできないので、中長期的な視野を持って取り組むことが必要となります。
社風改革を行う目的を明確にし、解決するためには社風改革以外の方法もあるのではないか、など多面的にとらえて、慎重に判断すべきです。