あなたの「ビジネスマナー」は大丈夫?
仕事をする上で重要なのがコミュニケーションです。社外の人と接する職種の場合は、先方に好印象を持ってもらえるような対応が不可欠です。そのために大切なのが「ビジネスマナー」です。みなさんはちゃんとできていますか?
メディケア生命の調査によれば、ビジネスマナーを「仕事を円滑に進めるために欠かせないものである」と答えたビジネスパーソンは8割以上でした。しかし「自分自身がビジネスマナーができているか?」という質問に対して「はい」と答えたのは約44.2%でした。ビジネスマナーを重要だと認識しつつも、自分ではできていないというビジネスパーソンが多数を占める結果になったのです。
マイナビの調査では、新卒採用で評価基準としてビジネスマナーを挙げている企業は37.2%、中途採用の現場でも49.6%という結果が出ました。つまり「もっとも重要とはいえないが、あるに越したことはない」という位置付けだと推測できます。
大企業に新卒入社で入ったりすると、ビジネスマナー研修を受ける機会があることが多いですが、中小企業勤務の方だと「これまでビジネスマナーをちゃんと教えてもらったことがない!」という方も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、最低限押さえておきたいビジネスマナーを紹介します。
ビジネスマナーはなぜ大切なのか?
まずはビジネスマナーとはなにかを知り、「なぜそうするのか」を理解することが重要です。
ビジネスでは個人の能力や発想による貢献というのはたしかに重要ですが、そもそもほぼ全ての仕事は大勢の人が関わって達成されています。つまり、どんな仕事であっても他者とのコミュニケーションがどこかで必要になり、コミュニケーションを円滑にこなすことが良い仕事をするための分岐点になり得ます。「この人と仕事がしたい」と思ってもらうことが、良い仕事をする第一歩になるのです。
一般に、人間は物事の8割を視覚情報により判断していると言われています。身だしなみや立ち居振る舞い、またはメールの文面など、そうしたところから人はあなたに対して第一印象を抱きます。第一印象を元に無意識的に「この人はこういう人間だ」という判断がなされるため、ビジネスで本格的に関わる手前の段階で人間関係のありかたがほぼ決まってしまう可能性があります。
仕事のコアとなる部分ではないところで不利にならないためにも、最低限のビジネスマナーを身につけて置くことは重要なのです。
特に重要なビジネスマナー
特に重要と言えるビジネスマナーが「身だしなみ」「敬語・挨拶」など、第一印象に関わる対面コミュニケーションのマナーです。
身だしなみのポイントは、兎にも角にも「清潔感」です。寝癖などないように髪をきっちりと整え長さや色にも注意しましょう。男性はヒゲの剃り残しには注意しましょう。女性の化粧は厚くなりすぎず健康的な感じかをチェックし、また香水がきつすぎないかも注意しましょう。
挨拶は、とにかく「自分から率先して行う」というスタンスを持つことが大切です。そして「相手に聞こえること」「必ず相手の目を見ること」「笑顔で行うこと」の3つが基本になります。
自分や相手の立場に合わせて言葉を使い分ける必要が生じるので、敬語もきちんと知っておきましょう。
代表的な間違いとして「ご苦労さま」と「お疲れさま」の使い分けがあります。「ご苦労さま」という言葉は「目上の人が目下の人に対して労をねぎらう言葉」ですので、新人が上司に対して使用する言葉として不適格です。
些細なことに見えますが、社会人としては知っておきたい「常識」です。
気をつけておきたいビジネスマナー
要所要所で気をつけておきたいのが、電話・メールの対応です。基本的に敬語(=正しい日本語)ができれば自然と対応できるものですが「相手をなるべく待たせない」という配慮と、電話なら電話の、メールならメールの定型句の使用に慣れるとすぐに身につきます。
接待などの席では上座・下座など座り位置には注意しましょう。最近はあまり気にする方が減ってきてはいますが、特に自分が幹事のときなどは他の方々の注文などを取りまとめる仕事がありますので、下座に座るのが一般的となっています。
知っておくと一目置かれるビジネスマナー
使用機会が多くはありませんが、知っておくと「かっこいい」タイプのマナーが慶事・弔辞などの立ち居振る舞いや、手紙・お礼状の書き方です。
これらは特に日本文化に根付いたものですので、適切にこなせると「教養ある人」という印象を持ってもらうことができます。
優先順位をつけてできるものから身につけましょう
ビジネスマナーと言っても多岐にわたり、まずは使用する頻度が高く、優先順位の高いビジネスマナーから順に知ることからはじめて見ましょう。
営業であれば訪問マナー、事務など常に社内にいる場合であれば来客マナーなど、ご自身の業務内容によって優先順位は変わります。そのため必要に応じて身につけるマナーを変えていく必要があります。
人は良くも悪くも「印象」の影響を大きく受けます。だからこそ、ここぞというところで損しないためにも、最低限のビジネスマナーを心がけるようにするだけで、仕事がうまく回り出すこともあるのです。