キャリアの棚卸しで自分を知る
自己分析は、就職活動の準備の第一歩と言われています。
キャリタスリサーチの調査によると、就職活動準備において最も行われていることが「自己分析」であり、2月時点で約8割もの就職活動者が実施しています。
自己分析は、就職活動の満足度に直結します。サポーターズの調査によると、就職活動に満足できた人が考える要因として「自己分析を徹底的にした」が最も多く、就職活動に満足できなかった人がやっておけばよかったと思うこととして「自己分析を徹底的にする」が挙げられています。
自己分析は、就職活動時に実施されることが多いです。しかし、同じ会社で働き続ける上でも、自分の将来目標を見直して進捗を確認する点では、社会人であっても非常に有意義なものです。
「キャリアの棚卸し」をすると自分の過去の仕事(業務)や経験から「何が出来るのか、何がやりたいのか、やりたいことを実現するために何が必要なのか」を明らかにすることができます。
海外では職務が明確であるためキャリアの上での目標が立てやすいですが、日本では職能が評価され、総合職採用で様々な業務を経験したけれど自分の強みが分からない、何をしたらよいのかわからないという方は少なくありません。
今後のキャリアに悩みがある時にに自己分析方法の一つとして「キャリアの棚卸し」をおすすめします。自分自身の職業人生に向き合って考えることで、今後のキャリアの方向性や目標を立てることができ、転職活動時にはもちろんのこと、転職する気がなくとも自分の価値観を確かめる上で非常に有意義です。
キャリアの棚卸しとは
キャリアの棚卸しとは、自分の過去の仕事や業務経験から「何ができるのか、何をやりたいのか、やりたいことを実現するために何が必要なのか」を整理する方法です。
キャリアの棚卸しができていないと、転職活動の際に「どんな会社に入りたいのかわからなくなった」「気がつくと、内定を取ることが目的になってしまった」と混乱してしまう可能性があります。転職しなくても、仕事人生の中で何のために働いているのか目的を見失ってしまうこともあるでしょう。
キャリアの棚卸しを行うことで得られるアウトプット
キャリアの棚卸しを行うことで、これまでのキャリアで自分がやってきたことを洗い出し、やってきたことのポイントごとにその時自分はどう感じたかや何にやりがいを感じたか、またどんなことにネガティブな感情をいだいたかなどを分析できます。
自分の価値観が見えてくることで今後のキャリアにおける目標や理想像が浮かび上がってきます。
キャリアの棚卸しを行うことで得られるメリット(効果)
今までの自分のキャリアの中でやってきたことを羅列して、それぞれその時にどう感じたかを分析していくことで個人的な感覚だけでなく、客観的に自分には何が向いていて、向いていないかを見直すことができます。
転職の際に自分のアピールポイントを見つけられるメリットともなります。
キャリアの棚卸しを行う際の注意点とは
経験年数ではなく、具体的にどんな業務を行ったのかに着目しましょう。経験年数だけでは、具体的に自分が何を考え、どう行動して、行動してみてどう思ったか、どういう影響が起こったかなどを読み取ることができません。
転職希望理由やキャリアビジョンなどを深く掘り下げて突き詰めてみましょう。深く掘り下げれていないと、転職しても自分の軸にブレが出てくる可能性があります。
経験業務を大分類・中分類・小分類にわけ、小分類については箇条書きで具体的に職務を洗い出しましょう。分類化していないと、整理しにくくなってしまいます。
転職理由に関しては、ネガティブなものも含めて洗い出しましょう。ネガティブな理由の原因を突き詰めていないと、次の転職先でも同じことがストレスになりえます。
自律的に行動したキャリアと、組織から指示のあったキャリアを分けましょう。自律的に行動したキャリアからは自分が本能的に動いてしまうことが浮かび上がりますが、組織から指示のあったキャリアは自分が周囲から何を期待されているかや自分では気づいていない向いていることなどが顕在化してくるので、分けて掘り下げてみると良いです。
定期的に実施することが希望の道標に
キャリアの棚卸しは自己分析方法の一つであり、今後のキャリアの方向性や目標の道標ともなります。
自分が今何をすべきか、目標と過程を定期的に振り返ることで、「やりたいことが変わったのか」「今どこにいるのか」「今何をすべきか」を明確にし、自身のキャリアプランに活かせるため、転職活動時でなくても、定期的に実施することをオススメします。