VUCAとは?現代のビジネスに潜む予測不可能な要素たち
VUCAとは、ビジネスの先や結果の予測を難しくさせている変動性や不確実性などの、予測不可能な要素の頭文字を取って作られたビジネス用語です。
VUCAという言葉が使われるようになったのは、市場が様々な形で急速に変化していることが大きな要因です。コンピューターの発達やスマートフォンの急速な普及が、ビジネスシーンだけでなく日常のあらゆる状況を激変させている中で、ビジネスの場面における予測不可能な状況のことをVUCAワールドと呼びます。
高度経済成長期の日本は、ものを作れば作っただけ売れる時代であり、工場や製造所で決まったものを作るマニュアルワークが中心でした。現代では、付加価値を創造するナレッジワークが中心となり、競合他社との差別化や新たな販売戦略を講じる必要性が高まったことで、不安定な需要や他社の動きを予測して対応しなければなりません。
今回の記事では、VUCAの意味や概念、企業がすべきことや求められる人材についてご説明します。
VUCAの意味とは?VUCAに対応するための対策とは?
VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って作られた造語で、様々な要素によって形成される予測不可能な状況を指すビジネス用語です。
VUCAとは、いつ起こるかわからない急速な「変動」により、不安定かつ「不確実」な状況が、様々な要素が組み合わさって「複雑」なうえ、そもそもの因果関係も「曖昧」という、予測不可能な現代ビジネスの状況を表す言葉です。
ビジネスシーンにおけるVUCAの意味とは?
ビジネスシーンにおけるVUCAの意味を、VUCAという言葉の元となった要素ごとにご説明します。
Volatility(変動性)
Volatility(変動性)とは、主にテクノロジーの進歩によってもたらされる要素です。
インターネットやSNSの誕生と急速な普及により、多くのビジネスは以前とは全く異なる状況となり、企業は新たな市場に対応した戦略を考えなければならなくなりました。
Uncertainty(不確実性)
Uncertainty(不確実性)とは、グローバル化によって様々な影響が即座に市場に反映されるようになったことによってもたらされる要素です。
現代のビジネスでは、他国で起きた政治方針の変化や自然災害などの思わぬ要因による市場の動向や販売戦略の変化に、リアルタイムな対応を強いられるようになりました。
Complexity(複雑性)
Complexity(複雑性)とは、ひとつの商品を販売するのに数えきれないほどの企業や人、ノウハウや資格がかかわることによる、ビジネス全体の複雑さを表す要素です。
現代では物事の細分化が進み、多部署や多業種がかかわることでビジネスの全体像が大きくなったため、ビジネスにかかわる人や技術の把握が困難になりました。
Ambiguity(曖昧性)
Ambiguity(曖昧性)とは、ビジネスにおいて成功するための要素や成功につながる過程など、物事の因果関係が曖昧であることを表す要素です。
前例のないビジネスモデルに挑戦する際は、どうすれば成功できるのか定かではなく、成功の条件が曖昧な中で挑戦し続けなければなりません。
VUCAに対応するために企業がすべきこととは?
VUCAに対応し、予測不可能な状況下で成果を上げるためには、ビジネスを成功させる明確なビジョンを持つことが重要です。
VUCAを完全になくすことは不可能ですが、ある程度の予測不可能性を受け入れた上で明確な目標を設定し、目標に至るまでの道のりをあらかじめ設定していれば、予測不可能な事態に対して素早く正確に対応できます。
スピード感のある意思決定を続けて即座に状況に対応し続けなければ、物事は前には進みません。起こり続けるハプニングに対し立ち止まるのではなく、即断即決が大切です。
VUCAに対応するために求められる人材とは?
VUCAに対応するためには、しっかりとしたリーダーシップを持ち、主体的かつ自立的に物事を考えられる人材が求められます。
変化を恐れるのではなく楽しみ、新しいことにどんどん挑戦していく柔軟な考えを持った人材であれば、VUCAに対して立ち止まることなく対応できます。
VUCAに対応し、現代のビジネスを勝ち抜こう!
VUCAとは、予測の不透明さを形成する諸要因の総称です。予測不可能な要素に満たされた現代のビジネスにおいては、様々な状況に対する対応力が必要です。
ロボットによる業務の自動化や人工知能の発達によって、人間では解決や予測が困難だった問題の解決が今後期待されていますが、VUCAワールドで勝ち抜くために、企業には柔軟かつ思い切りのいい、バランスの取れた対応が求められています。