仕事の幸せはやりがいか給料か?転職ではどちらを重視すべきなのか

お金持ちになればなるほど、幸せになれるのだろうか?

お金で幸せは買えるのか、この問題について、様々な人が様々な意見を述べています。きっと多くの人は、直感的に「お金で幸せは買える」と思っていることでしょう。

今回の記事では、実証研究によって見えてきた「お金と幸せの関係」について、説明したいと思います。

一定の年収以上だと、お金=幸せとはならない

心理学者カーネマンらによる、およそ1100人のアメリカ人を対象にした研究による、年収別の幸福度を調査結果が下の表になります。

年収別幸福度の調査

(*表はわかり易さの為に簡略化してあります。)

年収500万〜899万のグループと、年収900万以上のグループとを比べてみると、「非常に幸せ」と答えた割合と「あまり幸せとは言えない」と答えた割合においては、さほど変わりはない。なおこのデータは一流の学術雑誌「サイエンス」に掲載されている。

欧米での研究によると、お金と幸せの相関係数はせいぜい0.1〜0.2であり、そこまで高くはない。

その意外な関係性については様々な理由があるが、カーネマンらは以下の候補となる理由を挙げている。

  1. 人は絶対的な収入の増加に対してよりもむしろ、相対的な収入の優劣に注目する傾向があるから。自分の年収が高くなればなるほど、比較する水準も自然と高くなってくるのだろう。
  2. お金で買える物質的な「モノ」は、実はそこまで幸福感をもたらさないから。
  3. 収入が増えることが、必ずしも幸せを生み出すアクティビティに時間を費やすことにつながらないから。

カーネマンらによると、我々が「収入の増加=幸せの増加」と直感的に感じてしまうのは、お金が幸せに与える影響ばかりに注意が集中してしまい、幸福にもっと影響の与えるであろう日常の出来事に注意が回らなくなってしまうからだそうだ。さらに言えば、お金の増加に伴うストレス要因(通勤時間など)については過小評価してしまうからだという。

これらのデータは、ある程度キャリアを積んできて給料にも満足しているが、なんとなくやりがいを見いだせていなくて、転職を考えている人にとって重要な意味を持ってくるように思う。なぜなら、転職後の年収のわずかな増加/減少が、必ずしも現状よりも幸福度を上げる/下げる決定的要素になってくれるとは限らないからだ。

例えば、年収1000万の人が800万の仕事に転職したとしても、やりがいや会社のカルチャーフィットにより、仕事の生産性は以前よりも上がるだろう。それに伴い、長期的に見れば新たな転職先での昇進ということも有り得る。そうすれば、一時的な200万の差額は主観的な満足感と長期的な利益により埋めることは十分可能なのではないか。この辺りの転職における、年収の増減と満足感の推移の深いメカニズムにおいては、さらなる研究や考察が期待される。

余談:幸せ=お金は使い方による

ハーバードの准教授Michael Norton(マイケル・ノートン)氏によると、使い方によってお金で幸せが買えると述べています。

幸せが買えるお金の使い方とは「自分のためでなく、他人のために使うこと」です。

金額の大小でなく「誰のために使ったのか」ということが幸せに繋がり、チームのパフォーマンスさえ向上させると述べています。個人の幸せはもちろん、会社としても従業員のためにお金を使うということが、結果的に良い成果を出すことにつながる可能性を示唆しているのではないでしょうか?

事業レベルで見ると「自分の仕事がどれだけ社会に貢献しているのか」といった視点も幸せに感じる要素として、検討する価値がありそうです。

参考URL『YouTube』マイケル・ノートン: 幸せを買う方法

一定の年収までは「お金=幸せ」一定の年収以上は「お金の使い方=幸せ」

結局、自分を最も幸せにしてくれる職業選択とは、自分のやりがいや自分の強みを活かしてくれるかどうかの内発的動機付けを最優先にすることなのかもしれません。

これらの心理的要素が将来与える利益については、直感的には見えにくいが、実は多大な効果があるのかもしれない。

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