求人倍率の推移状況について
リクルートの調査によると、2020年卒の大卒求人倍率は8年ぶりに減少したものの、1.83倍と高い水準を維持しています。
出典元『リクルートワークス研究所』第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)
求人倍率の推移を従業員規模別で見ると、従業員数300人以上の大企業は低い水準で安定しており、労働力人口減少の影響は主に300人未満の中小企業が受けています。
出典元『リクルートワークス研究所』第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)
労働力人口の減少が続く中で企業が成長を続けていくためには、人材を適切に採用・異動・配置するための採用計画を立てる必要があります。今回は採用計画について紹介します。
採用計画の意味や定義とは?
採用計画とは、言葉通り採用のための計画です。
事業の経営方針や計画を踏まえ、かつ採用市場やマーケット状況を踏まえ、人員補充が必要と判断された場合、どのような人員をいつ採用するのか、どう採用するのかの計画のことを指します。採用だけでなく、社内の人材を効果的に活用するための計画なので、異動、配置も含めた計画になります。
採用コストや費用も加味し、事業計画達成に基づいた計画やスケジュールになります。
採用計画の目的について
採用計画をたてる必要があるのは、日本が少子高齢化により圧倒的な人員不足の状況にあるからです。今後、若手の採用はさらに厳しくなることが確実視されています。採用環境が厳しくなる中で、優秀な人材を確保するためには、採用計画を綿密に立てることが不可欠です。
新卒採用の動きも毎年変化しており、スケジュールや広報、インターン、採用活動など、人事が行わなければいけない仕事も多様化してきました。若手人材が減少しているため、優秀な人材を採用する動きが激化しており、きちんと採用計画を立て綿密に動き出す必要があります。
採用計画を立てるメリットとは
採用計画を立てるメリットでまず挙げられるのが人材の確保や育成の管理がしやすくなる点です。
採用計画は、自社の現在の人員構成を把握し、人材構成表を作成します。構成表によって、各部署において年齢ごとに何人の社員がいるのか、どんな仕事内容でどんな人的課題があるのか、今後の業務繁忙など人材の状況を管理することができます。社員のキャリア希望や家庭の状況なども含めて管理することで、採用だけでなく、配置や異動にも活用でき社員活躍へと繋がるでしょう。
採用計画を立てることで社内で採用する人材の人物像や譲れない点、面接の仕方などが統一化され優秀な人材を採用しやすくなるといったメリットもあります。どんな人を採用したいのか、社内で活躍する人はどういった人材なのかといったことを会社全体で決めておき、面接でも使うシート等を統一しておけば面接官や部署間でのブレがなく、会社として優秀な人材の採用にコミットすることができます。
採用計画を立てる際の注意点とは
採用計画で気を付ける点は何があるでしょうか。
まずは採用コストの考慮をすべきという点です。あくまで採用計画は事業計画の達成のための計画であり、部署の要望に応えてばかりでは対応できません。採用コストの意識をもち、将来と事業を見据えた計画を立てることが必要となります。
採用計画では競合調査・競合比較もきちんと行って立てることが必要となります。事業における比較と採用における比較とどちらも調査し、これからさらに人員不足となっていく状況に備え、自社の強みやアピールポイントを見つけ、他社との差別化を図るようにしましょう。
自社の求める人物像を明確に定義することも重要です。自社にとってどんな人が活躍するのか、どんな人物が自社の社風に合うかという点も採用計画に盛り込みましょう。
採用計画を立てることで優秀な人員確保に繋がる
労働力人口の減少による採用難が続いているため、しっかりとした採用計画を立てる必要があります。
採用計画を立てる際には、自社の求める人物像を明確に定義して優秀な人材を獲得し、人手不足に陥らないようにしましょう。