リクルーター制度では「選定と教育」の準備を
リクルーター制度導入の準備や見直しを行う際、最も重要なのはリクルーターの選定と教育です。リクルーター制度は、採用活動における母集団形成や、求職者の志望動機付けなど、様々な役割が期待されます。
リクルーター制度を形骸化させず成果を上げるために、事前準備が肝心です。
リクルーターへの印象は、求職者の志望度の影響
ディスコが発表した「リクルーターとの接触経験」 レポートによると、就職活動中にリクルーターとの面談を経験する学生は4割以上で、年々増加傾向にあります。
出典元『キャリタス就活2017』就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
しかし約6割の学生が、リクルーターと接することで「良くなかったことがあった」と回答しています。また8割以上が「リクルーターの印象によって志望度に影響がある」と回答しています。リクルーターに対する印象は、求職者の企業好感度や志望意欲に大きく影響するといえるでしょう。
出典元『キャリタス就活2017』就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
出典元『キャリタス就活2017』就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
リクルーター制度導入の準備において、最も重要なのは「リクルーターの選定と教育」です。リクルーター制度を導入する予定がある企業、また導入したものの制度が形骸化している企業は、制度の準備や見直しの必要があるのではないでしょうか。
リクルーター制度の準備、リクルーターを選定する
リクルーターの選定では「リクルーターの人材要件」を明確にします。自社の採用要件と照らし合わせて、ロールモデルとして理想条件を体現している人物がふさわしいでしょう。
注意したいのは、複数人を選定する際、性格や価値観が近しいリクルーターを選定すべきという点です。求職者が複数のリクルーターと接することは多々ありますが、企業に対して統一したイメージを持ちやすく、好感度や志望度が向上しやすくなります。
リクルーターの選定では、適性検査を活用することもおすすめです。リクルーターの人材要件が明確になっても、選定する際に選ぶ側の主観が入ってしまっては、リクルーターの選定に成功したとは言えません。
適性検査を活用することで、類似した性格や価値観を持つリクルーターを、客観的に選定することができるでしょう。
リクルーター制度の準備、リクルーターを教育する
次にリクルーターの教育です。リクルーターへの印象は求職者の志望度の影響します。リクルーターとして持ち合わせるべき「心得」を、リクルーター全員の共通認識にする必要があるのです。
リクルーターとしての心得とは、大きくは3つです。
- リクルーターが会社の顔だと意識すること
- 求職者目線に立って、情報提供につとめること
- メンターとして、求職者に伴走すること
リクルーターとして面談で求職者に説明するべき内容や、質問に対する回答を、予め準備しリクルーター同士で共有しておくことも、会社に対する統一したイメージを与えるのに有用です。
リクルーター面談における求職者の目的は、下記3つです。
- 企業研究・業界に役立つ一次情報を得ること
- 実際に働き始めてからのイメージを具体化すること
- 面談をOB・OG訪問とは異なる選考の場として捉えて、自己PRをすること
求職者の目的をふまえると、リクルーター面談における求職者からの質問には、業種や職種に関わらず共通した傾向があることが分かります。リクルーター面談で質問にどう回答するかを、予め準備しリクルーター同士で共有しておくことは、実現可能な対策なのです。
リクルーター制度が形骸化しないための準備を
リクルーター制度は、求職者が自社への理解を深め、志望意欲を高めるためにも役立つ手段です。選考が進むなかで不安に寄り添ってくれるリクルーターがいることは、自社への企業イメージにつながるでしょう。
リクルーター制度を導入して成果を上げるためには、自社のファン獲得という視点も忘れず、求職者のロールモデルとなる社員の選定およびリクルーターとしての機能を果たせるよう教育を行うことが重要なのです。