AI面接の導入前に知っておくべき課題と注意事項とは?

AI面接の導入には課題が多い

AI(人工知能)で人事業務の効率化を図る「HR Tech(HRテック)」が右肩上がりで増加しています。採用における面接も例外ではありません。しかしAI面接の導入には、企業・応募者ともに抵抗感が根強い、という大きな課題があります。

AI面接などHR Tech導入増加の背景には、企業における人手不足が挙げられます。採用業務の効率化を図りたいという企業ニーズは強い一方で、人事担当者のなかにはAIに仕事を奪われるのではないかという不安を抱く人もいます。

AI面接の課題にする、早期理解が重要

ミック経済研究所が発表した「HRTechクラウド市場の実態と展望2018年度版」によると、2019年度のHR Tech市場規模は、前年比141.5%でまさに急増。AI面接をはじめ、企業におけるHR Tech導入は、今後もますます増えることが予測されます。

HRTechクラウド市場規模推移図
出典元『IT人材ラボ』「HRTechクラウド市場の実態と展望2018年度版」を刊行、2023年度のHRTechクラウド市場規模は1000億円以上に―ミック経済研究所

前述した通り、AI面接の導入には、それ自体に対する根強い抵抗感があることを忘れてはいけません。他社がやっているから我が社も、と焦って導入を決めるのではなく、AI面接の課題にしっかりと向き合い、自社なりのスタンスを持つことが必要なのです。

AI面接を導入するために、知っておくべき2つの課題と、事前に確認すべき注意事項を紹介しましょう。

AI面接を導入する上で懸念すべき課題とは?

AI面接を導入する上で懸念すべき課題として「AI面接そのものに対する不安の払拭」と「コミュニケーションロスが生まれる可能性がある」が挙げられます。

1.AI面接そのものに対する不安の払拭

AI面接を導入するうえでの1つ目の課題は、企業人事担当者も応募者も、AI面接そのものに対して不安を抱えているということです。

HR総研が楽天「みん就」と共同で実施したアンケート調査によると、新卒採用において応募者である学生は、AI選考に対して否定的です。AIがエントリーシートの合否判定を行うことについて、賛成派は約2割にすぎず、約4割は「どちらともいえない」と態度を保留、残り約4割は明確に反対しています。

AIによるエントリーシートの合否判定について
出典元『HR pro』HR総研:「2019年卒学生 就職活動動向調査」(3月調査)結果報告 vol.2

ディスコが実施した「キャリタス就活2019 学生モニター調査」からも、AI選考に対する否定的な姿勢が見受けられます。AIが書類選考の合否を判定することについて、約半数が反対。AIが面接試験の合否を判定することについては、約6割が反対でした。機械的に合否判定されることで、人間性尊重の姿勢が排除されるのではないかという心理的な嫌悪感も強そうです。

企業探しや採用試験に人工知能が導入されることについての考え
出典元『株式会社ディスコ』キャリタス就活 2019 学生モニター調査結果

企業人事担当者からも、AI面接導入に対して強い懸念が示されています。AIが結論づけた合否判定に対する確認作業が発生し、結局二度手間になるのではないか。AI面接導入によって選考基準が明確になることで、AI対策が上手な人材ばかり採用することになってしまうのではないか、などの懐疑的な意見も多数存在します。

2.コミュニケーションロスが生まれる可能性がある

2つ目に挙げられる課題は、AIを面接に導入した場合、人間対人間であれば未然に防ぐことができる、コミュニケーションロスが生まれる可能性があるという点です。面接中や、面接後の対応において、どんな事象が発生するのか、その場合はどう対応すべきか、あらかじめ設計しておく必要があります。

例えば、面接中に「もう少し詳しく」「具体的に」など、人工知能はロジカルに解釈できない内容をひたすら掘り下げる傾向があり、応募者が圧迫面接のようにストレスを感じてしまう可能性があります。

圧迫面接は、選考辞退が起こりやすくなったり、企業への評価が下がり母集団形成にも悪影響を及ぼすため、避けた方がよい面接手法です。

圧迫面接とは、新卒採用・中途採用共に「クレームや要望への対応スキル、ストレス耐性」を見極めるために、わざと意地悪いな質問や威圧的な態度をとる面接手法です。現在は適性検査などで客観的かつ具体的にストレス耐性を見極めることが可能になったため、圧迫面接で発生するリスクである母集団形成や業績への悪影響について考えることが大切で...

AIは合否の結論を出すことはできますが、その理由を説明することはできません。面接終了後、AI面接を受けた応募者から、合否について質問があった際に理由を説明しにくくなるという課題もあります。

2019年3月29日、政府の総合イノベーション戦略会議は「人間中心のAI社会原則」を発表しました。AIを利用した企業の対する決定過程の説明責任」についても言及されており、AI面接をはじめとするHR Techサービスを導入する企業は、対外的な説明責任をより一層意識することが求められているのです。

参考URL『厚生労働省』人間中心の AI 社会原則

AI面接を導入する前に確認すべき注意事項

AIを採用面接に導入するにあたり、最低限、事前に確認すべき点として、以下2つを紹介します。

1.採用要件の明確化

どんな人材を採用したいのかを明確にしなければ、人工知能といえど判定を下すことは不可能です。

まずは採用における評価項目と評価基準を明確にする必要があります。

採用面接で人材を正確に見抜くためには、評価項目や評価基準、評価方法を具体的にすることが必要です。評価項目が決まらなければ、限られた面接の時間内で有効な質問ができません。評価基準が決まらなければ、質問で得た回答の評価が面接官ごとに異なってしまい、採用担当者と経営者で評価に違いが生まれてしまいます。面接に関わる人材全員が評...

2.選考フローへの組み込み

採用要件として明確に設定されている評価項目を、AIが見極めることができるのか、どの選考フローに組み込むのが妥当か、などを勘案し、自社に最適な設備投資を合理的に行うことが大切です。

この2ステップを踏むことで、AI面接を導入したあと、AIが出した合否判定について社内外から質問が出た場合にも、比較的ロジカルに説明できるようになるはずです。

AI面接について定期的な情報収集を

AI面接は導入したからといって、採用業務の効率化が間違いなく進むとは言い難いものです。しかし、自社の採用要件を明確にした上で、AIに判断を委ねるのか、AIに判断材料を提供してもらうのか、導入の目的を明確にできれば、効果は出やすくなるでしょう。

現在の人工知能がどの程度まで見極められるのかを把握しておく必要があります。人工知能も急速に発展しているため、定期的な情報収集はとても重要です。人工知能がどこまで成長したのかの情報を積極的に入手しておけば、採用業務効率化に対する社内の期待値調整もできるでしょう。

まずは、部署単位で試験的に導入できるサービスから始めてみてはいかがでしょうか。AIを活用したHR Techはこれからもどんどん増えると予測されますが、実際にサービスを使ってみることは、人工知能に関するリサーチとして大変有用です。

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