パフォーマンスマネジメントのやり方や注意点とは?人事部のサポートが大切

組織のパフォーマンスを最大化するために必要なこととは?

リーマンショック以降、求人倍率が増加の一途をたどり、人材採用のハードルが上がり続けているなか、人材獲得だけでなく育成についても課題はたくさんあります。

リクルートマネジメントソリューションズの調査によれば、「人事・組織戦略上の課題」として「自分の後任を担える人材・次世代リーダーが育っていない」「採用した人材のパフォーマンスが上がらない」「パフォーマンスの上がらない人材を代謝できない」など、パフォーマンスやマネジメントに関して課題を感じている企業が多くあることがわかりました。

人事・組織戦略上の課題
出典元『リクルートマネジメントソリューションズ』成長企業における人材・組織マネジメントに関する実態調査

カオナビは人事評価に満足している人の割合を調査しました。この調査によれば、人事評価制度に満足していると回答した従業員は2割程度にとどまり「評価結果に納得感がない」、「評価者が信用できない」などの不満が挙げられています。

人事評価について満足しているか
出典元『カオナビ』人事評価に「満足している人」は2割以下!

人事評価結果について不満な点
出典元『カオナビ』人事評価に「満足している人」は2割以下!

人材マネジメントにおいて、評価の透明性や公平性が重要であることがわかります。評価を納得して受け入れるためには、評価対象を明確化するだけでなく、評価する側とされる側の信頼関係も重要です。

今回は上司と部下が信頼しあってマネジメントを行うパフォーマンスマネジメントのやり方について説明します。

パフォーマンスマネジメントの定義とは

パフォーマンスマネジメントとは、組織のメンバーの感情や性格など曖昧なものではなく、メンバーが起こした行動と結果に注目し、定量的なフィードバックを行なうことで自発的な行動を促すマネジメント手法です。1970年代にアメリカのコンサルタント、オーブリー・C・ダニエルズ氏らによって提唱された、行動科学マネジメントに似た手法です。

年月とともにパフォーマンスマネジメントは洗練され、現在では個人の業績・能力の評価だけでなく、組織目標と個人目標を紐付けるなど、組織運営における総合的なマネジメント手法として解釈されています。

パフォーマンスマネジメントの目的とは
パフォーマンスマネジメントの目的は以下の2つです。

1:メンバーの能力とモチベーションの向上
2:生産性の向上

パフォーマンスマネジメントの目的について

パフォーマンスマネジメントの目的は以下の2つです。

  1. メンバーの能力とモチベーションの向上
  2. 生産性の向上

従来のマネジメント方法では、「メンバーの能力とモチベーションの向上」と「生産性の向上」はトレードオフなケースが見られました。生産性を上げることにとらわれ成果至上主義のようなマネジメントを行うと、メンバーのモチベーションは低下します。一方でメンバーの自主性を尊重しすぎると、最低限達成せねばならない目標も未達になり、組織全体の生産性が低下することもあります。

パフォーマンスマネジメントは、両立が難しい「メンバーの能力とモチベーションの向上」と「生産性の向上」2つを実現することを目的としています。

パフォーマンスマネジメントの実践手順について

パフォーマンスマネジメントの大きな特徴は、通常の目標管理制度のように四半期~1年といった中長期的なスパンを想定せず、行動・結果が発生するたびにフィードバックを行うというものです。まずは評価制度の抜本的な見直しが必要になります。

行動分析学では人が行動を起こす際、先行条件・行動・結果の3ステップに分解できるというモデルがあります。従来の目標管理制度はこのうちの「先行条件」にコミットするものである一方、パフォーマンスマネジメントでは「行動」「結果」に着目します。そのため、年次やキャリアではなく、あくまでも行動や結果という定量的・客観的な視点での評価が可能です。

実際にパフォーマンスマネジメントを導入した企業の多くは、行動・結果を重視するため、年次による評価・段階付けを廃止しています。その次に、従業員それぞれ業務を正当に評価するため、従業員間の相対評価し順位付けすることも廃止しています。パフォーマンスマネジメントの導入は、あくまでも実際に起こったことをベースに行うため、副次的な要素が入り込まない制度づくりからはじめていきます。

パフォーマンスマネジメントを実施する上での注意点について

実際にパフォーマンスマネジメントを実施していくにあたり、もっとも注意しなければならないのは、上司と部下のコミュニケーションです。中長期的なフィードバックよりも、行動・結果が生じるたびにフィードバックを行うマネジメントであるため、日常業務内でも両者で密なコミュニケーションがなされていなくてはなりません。

人事業務としてポイントになるのが「上司と対話しやすい環境づくり」です。近年では、Slackやチャットワークなどのビジネス用コミュニケーションツールを導入している企業も多くあります。直接話そうとしても時間が合わなかったり、解釈のズレが生まれたりしますが、チャットツールなどを導入することで、気軽に話しかけることができ、またやりとりのログを残すこともできます。

日頃から密なコミュニケーションをとれる環境であれば、上司としても部下がいま何を考え、なにをしているかがわかり、部下の方もちょっとしたことでも質問しやすくなります。そうしたことを積み重ねることで、信頼関係が生まれます。

細かくフィードバックするからこそ信頼関係が大切

パフォーマンスマネジメントは、行動分析学における3つのステップ「先行条件」「行動」「結果」を正しく把握することがまず大切です。この3つのうち、従来の目標管理制度では「先行条件」が重視されていましたが、市場の多様化・スピードアップに伴い、より柔軟な評価・育成を行うには「行動」と「結果」を随時フィードバックすることが重要です。

パフォーマンスマネジメントの仕組みを制度化したとしても、運用されなければ意味がありません。パフォーマンスマネジメントは従来のマネジメント手法とは異なる概念も含みますので、管理職の意識改革も必要なケースもあります。適切に運用するにあたり、人事担当者として適切なサポートが求められます。

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