時間外労働等改善助成金とは?働き方改革を推進して助成金を受給しよう!

職場環境を改善する時間外労働等改善助成金とは

「時間外労働等改善助成金」をご存じでしょうか。長時間労働による様々な問題が取りざたされ、労働時間や働く人の健康に対する意識が年々高まっています。時間外労働に対する施策を取った中小企業に向けて助成を行う制度「時間外労働等改善助成金」が平成30年4月に新設されました。

現在関連法案の改正などが進められている「働き方改革」ですが、残業規制による「長時間労働」の是正も重要なテーマとして掲げられています。長時間労働における過労死も問題となっていまして、英語でも「Karoshi」と呼ばれるほど、世界的には信じられない、日本特有の問題として認識されています。時間外労働の問題は政府が推進するだけでなく、企業にもきちんと課題意識を持って改善策を導入してもらえるように助成金が設けられ、またもともと存在していた「職場意識改善助成金」をさらに拡充して「時間外労働等改善助成金」へとリニューアルしたものです。

国としても長時間労働をきちんと改善していこうという姿勢がみられます。この新設されたばかりの時間外労働等改善助成金についての概要をお伝えしていきます。

時間外労働等改善助成金の概要や目的とは?

時間外労働等改善助成金とは、長時間労働の見直しや時間外労働の上限設定、働く時間の縮減等に取組む事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。

時間外労働等改善助成金が生まれた背景としては、長時間労働の社会問題化が挙げられます。長時間労働や仕事上のストレスにより自殺・過労死する労働者が増え続けており、週40時間と労働基準法で決められている条件を上回る週40時間以上労働している人の構成割合が高く、週49時間以上働いている割合も韓国に次いで2位となっています。(36協定の特別条項を付記すれば年6回までは上限を超えることが可能です)

長時間労働者の構成比(週当たりの労働時間)
出典元『厚生労働省』長時間労働対策

長時間労働が定型している日本の現状を変えるためにも、時間外労働等改善助成金は誕生しました。

助成金の予算額が大幅に増額されている

職場意識改善助成金から、リニューアルした今回の時間外労働等改善助成金は国の予算が大幅に増加しています。“時間外労働の上限規制など長時間労働の是正”の対策予算は、平成29年度36億円に対し、平成30年度は82億円に大幅にアップしました。

「時間外労働等改善助成金」は29年度10億円の予算に対し30年度35億円へと増額されており、さらなる拡大をしていきたい政府の意向を感じます。長時間労働の課題に対し政府がどれだけ取り組もうとしているのかこの数字からイメージできるのではないでしょうか。

参考URL『厚生労働省』時間外労働等改善助成金

共通となる助成金受給要件

助成金を受給するためには下記の対象事業所である必要があります。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 次のいずれかに該当する事業主であること

中小企業主の定義
出典元『厚生労働省』時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

時間外労働等改善助成金の各コースによって、更に細かい受給要件が異なります。受給できそうなコースを明確にしてから、詳細を確認しましょう。

どのような取り組みをしたら助成金を受け取れるのか

時間外労働等改善助成金で求められる取り組みは、「長時間労働を削減する」ことです。どのように削減するのかの方法によって、該当するコースが分かれます。

例えば、テレワークを推進して通信機器の導入や今ある機器の更新を行う、労務管理担当者に対する研修を行い職場や管理者の意識改革を行う等、生産性を高めながら労働時間の短縮等の取組みをしていくことが必要です。

どのようなコースがあるの?それぞれの内容ともらえる助成金額

時間外労働等改善助成金には5つのコースがあります。

時間外労働上限設定コース

時間外労働上限設定コースは、時間外労働の上限設定や長時間労働の見直しのため、働く時間の縮減に取組んだ際、実施に要した費用の一部を助成するコースです。

助成金額は1企業当たり最大200万円です。

時間外労働等改善助成金の時間外労働上限設定コースとは、残業時間に上限を設けて目標となる残業時間数を達成した場合に受給できる助成金です。労働者の月間平均残業時間は47時間であり、36協定の45時間を超える水準となっており、国としても長時間労働の是正に注力しています。残業を減らすために、労働能率を増進させる設備投資はもちろ...

勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバル導入コースは労働時間等の設定の改善を図り、過重労働の防止や長時間労働の抑制に向け勤務間インターバルの導入に取り組んだ際に、実施に要した費用の一部を助成するものです。

労働時間の設定の改善とは、労働時間や有給休暇等、労働者の生活と健康に配慮する設定を行い、多様な働き方に対応していくことをいいます。勤務間インターバルとは、休息時間数を問わず就業規則等において「終業から次の始業までの休息時間を確保すること」を指します。

助成金額は1企業当たり最大50万円です。

時間外労働等改善助成金の勤務間インターバル導入コースとは、退勤から出勤までの生活時間・休息時間を一定時間確保した際に受給できる助成金です。勤務間インターバルを就業規則に新設することはもちろんのこと、既に記載していたとしても、対象となる労働者を増やしたり、インターバル時間を延長する取り組みも助成金の対象となります。勤務間...

職場意識改善コース

職場意識改善コースは所定外労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進等を図る事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。

助成金額は1企業当たり最大150万円です。

時間外労働等改善助成金の職場意識改善コースとは、有給取得日数などを増加させたり、所定労働時間を短縮させた場合に受給できる助成金です。日本の有給消化率は世界最低水準であり、取得しない理由として「人手不足」や「職場の同僚が休んでいない」などの職場環境に依存する理由が上位に挙げられています。一方で、転職活動で重視することの1...

団体推進コース

団体推進コースは労働者を雇用する事業主が労働者の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取組を実施した場合に、その事業主団体等に対して助成するものです。

助成金額は1事業主団体あたり上限額500万円です。

テレワークコース

テレワークコースは、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。

助成金額は1人当たり最大20万、1企業あたり150万です。

時間外労働等改善助成金のテレワークコースとは、テレワーク導入のための設備投資などの費用の一部負担される助成金です。企業全体の2割弱しか導入していないテレワーク制度ですが、導入企業の8割が効果があったと実感しており、マイナスだと考えているのは1.5%のみと、多くの企業で効果が得られる有用な施策であると言えます。今回は時間...

助成金を活用しながら、働き方改革への対応を進めよう!

時間外労働等改善助成金は、長時間労働の是正や有給休暇の消化率向上など、働き方改革の推進の狙いを反映した助成金です。働き方改革を早期に推進するために設けられました。

時間外労働等改善助成金は元々あった「職場意識改善助成金」が拡充されたもので、2018年に新しく生まれ変わった助成金であり、予算も大幅に増額されています。

時間外労働等改善助成金のような新設された助成金は、受給要件などが変わりやすいため、申請を考えられるのであれば、最新の情報収集は欠かさず確認されると良いでしょう。

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