人事データベースとは?目的や活用するメリット・デメリットについて

人事データベースの重要性とは

人事データベースを活用していますか。

PwCの調査によると、多くの企業のCEOは自社に蓄積され積極的に活用可能な人事データ及びその分析が非常に重要であると考えているようです。

データについての重要度
出典元『pwc』第22回世界CEO意識調査

特に注目されているのはピープルアナリティクスなどの人事データ分析です。うまく活用することで自社が抱える問題の解決や将来直面するであろう課題の発見に繋げることができます。

データ分析を行うためには人材データの収集が必要不可欠であり、収集したデータを蓄積するための人事データベースの構築や活用が、戦略人事としても注目されています。

今回の記事では、人事データベースとは何か、どんなことに活用できるのか、どのようなメリットがあるのかについて説明していきます。

人事データベースの意味や定義について

人事データベースとは、人事に関する各種のデータを集約してデータベースの形で可視化し、利用しやすくしたもの」を指します。従来の人事の業務として収集していたような保管が目的のものとは異なり、閲覧や共有、分析を目的に作られるのもその大きな特徴の一つです。

作成する目的や意図などの違いから、データベースの形は業界や企業ごとに異なりますが、基本的には、氏名や年齢、性別、所属などの社員の基本属性に関するものに、実績や経歴、勤怠状況やスキルなどを組み合わせて作られることが多いです。企業によっては性格やモチベーションなどの社員の性質や、行動データ等も合わせて用いる場合もあります。

人事データベースを活用する目的について

人事データベースを作成・活用する大きな目的は「分析」にあります。

データを分析することで何を判断あるいは発見したいのかは企業や場面によって異なりますが、人事データベースは保管よりも活用にフォーカスした使い方をされることがほとんどです。データの一括管理だけでなく、客観的な数字に画像や表・グラフなどを組み合わせることで様々なものを「可視化」できます。

昔は分厚い帳簿につけていたような情報も、テクノロジーの発達やデータ管理の進歩等により、共有や保管がしやすく、データの収集や管理にかかるコストを減らす目的でも人事データベースは利用されます。

人事データベースを活用するメリットについて

人事データを分析することで人事課題、経営課題の分析が可能になるのはもちろん、人事データベースはタレントマネジメントに積極的に活用されています。

人材を適材適所に配置するだけでなく、適切な人材育成プランの作成や人材採用にも効果を発揮しますし、離職防止や予防の対策も立てやすくなります。

人事データベースを活用することで、社員一人ひとりの勤務実態や働き方が可視化されるため、長時間労働の抑制やフレックスタイム制の導入など現在進められている「働き方改革」にも有効な手段となります。

人事データベースを導入する上での注意点とは

人事データベースを導入する上で気をつけなければならないのは、閲覧や編集などの権限の設定です。

従来の人事情報に加えて、多くの詳細なデータがデータベースの形で集約されている上、給与や評価など多くのデリケートな情報を含んでいるため、管理には慎重を期する必要があります。一方でせっかく作っても共有できないのでは意味がなくなってしまうので、項目ごとに権限を設定し、共有すべき項目とそうでない項目の区別を明確に行うことでその価値を最大化しましょう。

データは継続的にアップデートしていく必要があります。しっかりと更新頻度やタイミングなどのルールを設け、信頼できる情報源であらせ続ける努力をすることが重要になるでしょう。

人事データベースはスモールスタートが効果的

人材データベースは、人材に関わる様々なデータが可視化され、集約されることで分析や施策立案に役立てることができる有用なツールです。

あくまで人事データベースはツールであるため、導入する際にはどのような業務や経営課題に活用したいのかをを明確にイメージとしてもつことが重要です。活用方法を想定しながら作ることで使いやすいデータベースになるだけでなく、導入から運用・活用までの一連の流れがスムーズにいくことが期待できます。

人材に関わる情報は多種多様で、いきなりすべてを取得するのは難しいため、特定の課題に絞る・特定の部署に絞るなどのスモールスタートで始め、効果的な運用方法が確立できたタイミングで拡大していくのがおすすめです。

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