BPRの具体的な手法とは?4つのプロセスを理解して実践しよう

BPR(業務改革)が労働生産性の向上につながる

BPR(業務改革)とは、1990年代の長期不況のアメリカで、業務効率化を促し事業を立て直すためのフレームワークとして生まれ、バブル崩壊後の不況にあえぐ日本で注目された概念です。

現在は市場のグローバル化やテクノロジーの発展による市場の予測が不可能なVUCAワールドになっていること、働き方改革による長時間労働の是正や多様な人材の活用などでの労働生産性の向上が求められていることでBPRが再度注目されています。

今回の記事ではBPRのプロセスについて説明していきたいと思います。

BPRの実施プロセスとは?

BPRは四つのプロセスから構成される場合が多いです。一つずつ見ていきましょう。

  1. 検討
  2. 分析
  3. 実施
  4. モニタリング・評価

1.検討

BPRの一般的なプロセスは検討から始まります。

検討として行われることは大きく二点であり、目標・目的の設定と、対象とする業務範囲の設定です。具体的な目標や目標達成までのスケジューリング、またその規模や対象を明確に決定しましょう。具体的な目標がなければ、折角大規模な業務改革を行っても実感がなく達成までや達成後の社員のモチベーションが下がる要因になります。

BPRを行う上では全従業員の理解が重要ですが、目的がはっきりすることでBPR実施の必要性を社員に認識させ、多くの社員を巻き込むことに繋がっていきます。不明確な目標や対象範囲の上でBPRを行ってしまうと社内全体が混乱する要因になってしまうので慎重かつ明確な目標設定が重要です。

2.分析

包括的に現状を分析し、問題点を洗い出します。的確な現状分析と明確な目標設定があってこそ両者の間を繋ぐプロセスを具体的に設計していくことが可能になるため、分析はBPRにおいて最も重要なプロセスであると言えるでしょう。

具体的な手法としては「業務フロー分析」がよく用いられます。特に一人の社員が課や部門を超えて多くの業務を担当しているような場合には、業務フロー分析は特に重要になります。

業務実施マニュアルなどを参考に実際の業務を担当している社員へのヒアリングなどを行い実際の業務フローを可視化していきます。業務の内容だけでなく量や分担なども合わせて可視化していきます。

可視化された業務フローを分析し、問題点の洗い出しも行っていきます。多くの時間を要し、一連の業務フローの流れを阻害している業務や、他の部署の業務と重複している業務、あるいは顧客の立場から見て本質的に必要でないのに行われている非付加価値業務などを洗い出していきましょう。

活動基準原価分析(ABC)で実際の業務にかかるコストを分析することも多く行われています。

3.実施

問題点が洗い出され、計画が決まれば具体的な改革を実施していきます。

業務の中で不要な活動を廃止・縮小したり、業務を 実施している職員(正規職員)を非常勤職員やアウトソーシングに転換するなど、全体としての最適化を意識した見直しを実施していきます。

重要なのは顧客に対して利益を最大化するための見直しであるという視点を持ち続けることです。コストを削減したり効率化を進めても、顧客の利益に繋がっていなければ改革は意味を持ちません。

BPRの実施においてよく用いられる手法としてはEPRとシェアドサービスが挙げられます。ERP(経営管理システム)は部門を横断した統合情報システムであり、販売、在庫、生産など複数の業務分野の情報を集約し、フロー全体の情報を統合的に管理します。一方でシェアドサービスは、人事や経理、情報システムなどの間接部門を複数の企業で共有することを意味します。独立の企業が別々に持っているチームや人材を共有することで人材の有効利用を図ります。通常は同一グループ会社内で実施されますが、最近では異なるグループ企業間でのシェアの事例も見られるようになりました。

4.モニタリング・評価

BPRが実施まで終われば、実施状況をモニタリングし、効果を測定していきます。

各部門ごと、全体としての達成度を評価し、反省・今後の継続的な改善につなげていきます。

BPRはやる価値のある取り組みである

BPRは単なる業務改善ではなく、そもそも企業戦略に則った事業となっているのか、どのようにビジネスを進めていくのかの課題発見と施策実施による改善、効果測定も含めた大掛かりなプロセスです。

大掛かりな分リスクやそれにかかるコストも大きいですが、結果を出している企業も多くあります。先の読めない予測不可能な市場で勝ち残るためには、定期的な業務改善だけでなく、根本の原因を解決できる業務改革が必要となります。

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