バウンダリレスとは?組織や従業員の課題を解決するために

様々な働き方・価値観が求められるようになっている

終身雇用や年功序列制度でない企業も多くなり、現代では生涯を通じて2人に1人は転職を行っています。

厚生労働省の調査では、60歳までで転職しなかった(離職回数が0回)である男性は約半数、女性においては3割以下となっています。女性は、結婚や出産などを期に離職することも多いですが、離職回数1回(現在無業)よりも現在有業もしくは離職回数2回以上(現在無業)の割合が多くいるため、転職活動を経験している女性が多くいることが読み取れます。

離職回数割合
出典元『厚生労働省』職業生涯を通じたキャリア形成

社内コミュニケーションの壁として、地域が異なる壁、部署などが異なる壁、役職や年代などが異なる壁の3つの壁があります。物理的な問題は、現在であればビデオ会議の普及などによってコミュニケーションしやすい環境になってはいますが、対面ではないコミュニケーションでは十分でないと考える人も多くいるでっしょう。役職や年代による壁は古くからずっと生じていますが、こちらについては有効的な解決策を実施できていない企業が多くいます。

課題のあるコミュニケーションはどこか
出典元『HRpro』「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告

今回は、自社組織の壁にとらわれないという概念であるバウンダリレスについて説明します。

バウンダリレスとは?組織とキャリアの2つがある

バウンダリレスとは直訳すると「境界(バウンダリ)のなさ」という意味で、企業の従業員が部門や役職、立場、事業所の所在地など、組織内外のあらゆる境界を超えて自社に貢献しようとする姿、あるいはそうした価値観を指す用語です。

以前は分業・分社化などにより「与えられた業務のみを効率よく進める」ことが労働生産性の向上につながると考えられていました。現在はモノが溢れ、決まった業務を行うのはRPAはロボットなどに置き換わってきています。会社の業績を高めるためには、モノに付加価値を生むイノベーション的な活動の重要性が高まっており、社内コミュニケーションを活性化し、普段関わることの少ない従業員同士が交流することで、イノベーションを起こそうという動きも活発になっています。

バウンダリレス組織とは

バウンダリレス組織とは、社員が部門を横断して問題解決に協力しあったり、担当や専門分野にとらわれず情報交換を密にしてアイデアを共有したりできる組織のことです。

バウンダリ組織にすることで、社内コミュニケーションが活性化され、風通しの良い組織風土を作ることができます。全く関わりのない業務だと思っていても、問題点や課題について議論を行うことで、新たな発見が生まれます。

なぜバウンダリ組織が注目されているのか

バウンダリレスが提唱される直前の1980年代後半はオフィス向け情報系システムの揺籃期で、こうしたコンピュータ・ネットワーク技術の進展が、階層組織(中間管理職)から「情報の収集」「情報の伝達」といった役目を奪う時期でもありました。こうした技術的環境変化に呼応する形で、20以上あった管理階層を6にまでダウンサイジングして現場に権限を与え、組織が活性化する改革を行っていきました。バウンダリレスは、そうした改革の延長線上にあるコンセプトです。

1990年代以降に生じたバブル崩壊やリーマンショックは企業組織のあり方に変革をもたらしました。ダウンサイジングや組織のフラット化の結果、それまでの長期雇用を前提としたキャリアマネジメントは機能不全に陥ったのです。従来型のキャリアマネジメントでは、環境の変化に十分に対応することができなかったのです。

バウンダリレスキャリアとは

バウンダリレス・キャリアとは、ひとつの組織の中だけでキャリアが展開される従来の組織キャリアに対して、1つの企業や職務といった境界(バウンダリ)に閉ざされた範囲を超えてキャリアが構築されるものと考えます。

バウンダリレス・キャリアを歩む個人は、異なる企業や業種の境界を横断しながら、新たなスキルや経験、ノウハウを獲得し、自律的に成長を重ねていきます。

なぜバウンダリレスキャリアが注目されているのか

従来の日本企業においては、人材は囲い込みのできる「固定資産」であり、人件費も固定費的性格が強いものでした。しかし低迷する国内景気や激化する国際競争といった環境の中で、日本企業は人材を「流動資産」ととらえるようになり、本当に必要なコア人材の獲得に注力しつつあります。

近年の日本では「終身雇用制度」が成り立たなくなっていると言われています。その中で働き続けるには、他の会社にも雇用されるための能力開発が欠かせなくなっています。バウンダリレスキャリアでは、一つの企業にとらわれないキャリアを考えるため、今の日本人の働き方にも適した考え方となっています。

組織や従業員の課題を解決できるバウンダリレス

バウンダリレスとは「境界のなさ」を示す用語であり、組織においては「部門や役職などの立場だけでなく、所在地も含めた組織内外の境界を越えて自社に貢献しようとする姿や価値観」を意味しており、キャリアにおいては「異なる企業や業種の境界を横断しながら、新たなスキルや経験やノウハウを獲得して成長する」ことを意味しています。

終身雇用や年功序列制度が崩壊し、様々な働き方が容認する流れになっている現在の日本においては、組織もキャリアも非常に重要な概念であり、組織風土の改革や教育研修制度などにも影響を与えているようです。

資料ダウンロードフォーム

    「ミツカリ - 導入事例集」が無料でダウンロードできます


    ミツカリは採用活動における利用だけでなく、入社後のマネジメントにも利用できる適性検査として5,000社以上の企業に導入されています。サービスも8年以上の運用実績があり、効果検証に時間のかかる離職率改善等においても、多くの企業で成果を出しています。

    今回はミツカリを導入した企業における活用方法や導入後の効果について、代表的な7つの事例をまとめました。是非ダウンロードしてご参照ください。

    ダウンロードにはプライバシーポリシーの同意が必要です。

    プライバシーポリシー

    スポンサーリンク
    関連するタグ

    スポンサーリンク