他己分析とは何か?
自己分析は、就職活動の準備の第一歩と言われています。
キャリタスリサーチの調査によると、就職活動準備において最も行われていることが「自己分析」であり、2月時点で約8割もの就職活動者が実施しています。
自己分析は、就職活動の満足度に直結します。サポーターズの調査によると、就職活動に満足できた人が考える要因として「自己分析を徹底的にした」が最も多く、就職活動に満足できなかった人がやっておけばよかったと思うこととして「自己分析を徹底的にする」が挙げられています。
他己分析は自分を知るための手段の一つです。自己分析が自分視点で自分を分析することだとしたら、他己分析は他者の視点を把握して、自分を分析することだと言えます。
他己分析とは?自己分析との違いを理解する
一人で取り組む自己分析は、自分の過去の経験などから価値観や強み・弱み、将来やりたいことなどを明確にする方法です。しかし、他の人から見た「あなた」は自己分析で得られた結果とはギャップがある可能性があります。
他人からどのように見られているのかを理解し、自分の目線だけでは認識できない自分を知るために使うことができる手段が「他己分析」なのです。
他人が知っていて自分が知らない”自分”
他己分析はあくまでも「他人から見た自分」を人に教えてもらい、行う自己分析です。複数人に自分に対する質問について答えてもらうことで、自分の特徴を把握することができます。
コミュニケーション心理学者によって考案された、ジョハリの窓という考え方があります、自分自身に対して「自分は知っている/知らない」「他人は知っている/知らない」の4つに区分した捉え方です。他己分析は「盲点の窓」に当たる、「自分は気づいていないが他人は知っている自己」を知るための手段だと言えます。
他己分析をやる目的と得られる効果について
社会で働くということは、人と関わるということです。自分を活かすためには、他者から見た自分を意識する必要があります。
他己分析は客観的な視点からの評価が手に入り、自分の知らない部分を知るきっかけになります。また、自分の自己分析がどれくらい他者認識と重なっているかを知る事で自己分析が正しいかどうかの見直しをする事ができます。
自分では気がつかない「強み」を知ることができる
自分にとってはあたりまえ過ぎて気づけない事は他者から見たらあなたの強みかもしれません。客観的に評価してもらうことで、自分では気が付かないような強みを知ることが出来ます。
短所を知ることができ、改善につなげることができる
目を背けがちな短所も教えてもらうことができ、短所に気が付くことで自分を成長させることができます。
短所は長所の裏返しでもあります。苦手な部分と得意な部分を理解して自分自身を活かす方法を考えるという意味を含めて、自分を成長させる方法を戦略的に考える事が出来ます。
客観的な視点を取り入れることで、説得力や自信を増すことができる
「自分は気づいていないが他人は知っている自己」を理解すると、他者へ自分自身について伝えやすくなります。
他者目線から得られた「自己」だからこそ、自信を持って説得力のある伝え方が出来るのです。その結果、相互理解も早まります。
他己分析のやり方とは
他己分析は他人から見た自分を知る事。つまり他己分析に必要なのは、自分を知っている人へのインタビューです。
質問相手は親しい友人・家族・それほど親しくない関係の人からそれぞれ聞くことをオススメします。訊く質問事項は「長所」「短所」「性格」「第一印象」などです。具体的なエピソードとともに訊くとより理解しやすくなります。
出来るだけ複数人へインタビューしましょう。他人も自分のすべてを知っているわけではありません。複数人の意見から総合的に判断する必要があります。目安は10人程度だと考えてください。
他人も自分も知らない”自分”がいる
多数の意見を聴くことで、自分の情報が多く集まるだけでなく、情報の偏りを減らすこともできます。
他者による印象は、その人の理解力や個性によっても異なる要素が出てきます。必ず複数人にインタビューしましょう。あくまでも自分のすべてが理解できるわけではないという事にも留意しておきましょう。
ジョハリの窓で言う「誰からもまだ知られていない自己」が必ずあることを覚えておいてください。
他己分析は「他人から見た自分」を理解してツール
他己分析はその名の通り「他人から見た自分」を聞き出し分析を行う方法です。
大切な点は自己分析と他己分析の結果を比較することです。ギャップを見つけ、それは何故かと深堀して考えることでより社会の中での自分を理解することができ、活かすための方法を考えることが出来ます。