チームビルディングの方法やポイントとは?4種類の方法を理解しよう!

今、チームビルディングが必要とされている

会社組織が成長し続けるためには、チームの生産性をあげていくことが重要です。

Appleの前CEOであるスティーブ・ジョブスも『全体の力は、部分として個人力を集めたよりもはるかに大きい。個人では決してなしえないことがチームなら可能となる。それがビジネスの素晴らしさだ』と、個人よりもチームの重要性を説明しています。

日本経営協会の調査では、全体の6割の企業が組織やチームに対する問題を抱えていることが報告されています。組織やチームにおける問題を解決するためにも、チームビルディングは欠かせないものとなっています。

組織やチームにおける問題の状況
出典元『一般社団法人 日本経営協会』組織・チームにおけるメンバーのあり方と行動についての調査報告書

チームビルディングの実践方法は4種類

様々なチームビルディングの研修やワークショップが企画されていますが、内容は「対話」「ゲーム」「アクティビティ」「スポーツ」の4種類に分けることができます。4種類の取り組みを単独で実施したり、組み合わせて実施されています。

本文では、チームビルディングの実践方法4種類のそれぞれの内容やメリット、実施の注意点についてお伝えします。静的なものから徐々に動的なワークになっていきますので、並び順も参考にしてください。

1.対話(ダイアローグ)

お互いの価値観を話し合う、相互理解を深めるためのコミュニケーション方法です。雑談のような表面的な情報のやりとりにとどまらず、意見を戦わせたりまとめたりする議論とも異なります。

対話の目的は2人などの少人数で行ったり、チーム全体で行うことも可能です。複数人で行う場合はファシリテーターを立てる方がスムーズに進みます。

対話(ダイアローグ)のメリットとは

  • チームの一体感、信頼感を深めることができる
  • 他者の思考や発言を通じて、自分の固定観念・偏見・思考のくせに気づくことができる
  • 関係の質の向上が期待できる
  • 組織学習の土台や風土が形成される

対話(ダイアローグ)の具体例について

個別面談、チームミーティング、ワールドカフェなど

2.ゲーム

一般的なゲームから、ビジネスに近い題材を扱うビジネスゲームとよばれる種類のものも含まれます。競争や勝敗の有無があり、気づかないうちに夢中になってしまうものが最適です。メンバーの性格や価値観、人間らしさに自然と触れることができ、メンバー同士の距離を近づけることができます。

まずは参加者自身が思い切り楽しめることが重要です。

ゲームのメリットとは

  • ゲーム自体が魅力的で、皆で没頭できるものがすでにたくさん用意されている
  • 会話のきっかけづくりに役立ち、コミュニケーションが円滑になる
  • 研修に取り入れられるゲームは多くのルールがあらかじめ決まっているため、想定外のハプニングなども起こりにくい
  • 運営側が研修に慣れていなくても、短時間で準備がしやすく取り入れやすい

ゲームの具体例について

一般的なゲーム:人狼ゲーム、サバイバルゲーム、マシュマロチャレンジなど
ビジネスゲーム:マネジメントゲーム、THE商社、The Teamなど

3.アクティビティ

チームのメンバー全員で体を動かしながらコミュニケーションを取る手法のひとつです。ゲームとは違い、競争や勝敗の有無はありません。

チーム全員で1つのアクティビティを実施することでチームワークを高めたり、達成感を共有することができます。メンバー同士のコミュニケーションが取りやすくなる状態を目指します。

アクティビティのメリットとは

  • チームメンバーが共通の経験・体験を共有することができる
  • 体を動かすアクティビティがメンバーのリフレッシュになる
  • 仕事とは直接関係の無いワークを実施することで、メンバーの普段とは違う一面を垣間見れ、親近感・相互理解が深まる

アクティビティの具体例について

フープリレー(チームが輪になり、両隣の人と手を繋いだ状態で、フラフープを一周させる)、ウォール(何の道具も使わず、メンバーの知恵と協力だけで高い壁を登る)、Big Picuture(ループ毎に別々のキャンバスに絵を描き、全員で一つの大きな絵を完成させる)など

4.スポーツ

体を動かす点でアクティビティと似ていますが、より既存のスポーツに特化した方法です。チーム対抗戦など、必然的にチーム内の協力が求められるスポーツを選定します。

チームワークを高め、コミュニケーションが取れる関係性を築くための方法として用いられます。

スポーツのメリットとは

  • チーム対抗戦にすることで、チーム内の結束や一体感を高める効果がある
  • アクティビティと同様に、メンバーの普段とは違う一面を垣間見れ、親近感・相互理解が深まる

スポーツの具体例について

サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールなどの一般的なスポーツ。このほか、ブラインドサッカー・フラッグサッカー(ボールの場所を鈴を使って教えるなど、協力が必要な仕組みがある)も近年注目されています。

チームビルディング方法を実施するポイントとは

チームビルディングの成功において最重要な要素は、メンバーの主体性です。チームビルディングの方法には実際の仕事に直接関係のない取り組みも多いことから、メンバーに「時間がもったいない」「強制的にさせられている」と感じさせてしまう場合があります。取り組みの目的や、解決したいチームの問題を事前に共有しておくと良いでしょう。

企画・運用側は、トライ&エラーで取り組み自体を随時改善していく視点も必要です。チームビルディングは一朝一夕で完成するものではありません。

長期的な目線で、現在のチームの状態を理解した上でどのような取り組みが必要なのかを随時検討、調整するようにしてください。

対話における実施のポイントとは

対話が進むにつれて、段々と議論(ディスカッション)に向かってしまうケースがあります。ファシリテーターはチームが議論に向かっていたら指摘し、対話に戻るよう促しましょう。

対話の目的は相互理解を深めることであり、意見を集約して答えを出したり優れたアイデアを生み出すことではありません。あくまでお互いの価値観を話し合い、気持ちを通わせることを優先してください。

ゲーム・アクティビティ・スポーツにおける実施のポイントとは

終了後に「楽しかった」「勝った・負けた」の感想だけになってしまわないようにしましょう。参加者にしっかりと実施した効果を気づかせるように、行う前と後にどのような変化や学びがあったかについて振り返りを行うことが大切です。

振り返りに「対話」を組み込むことで、チームビルディングの相乗効果も期待できます。

チームの状況に応じて効果的なプログラムを構築しよう

チームビルディングとして研修やワークショップで実施されている方法は、大きくわけて「対話」「ゲーム」「アクティビティ」「スポーツ」の4種類になります。単独で実施することも可能ですが、組み合わせて実施するとより効果的です。ゲームやスポーツなどで急速に距離が縮まり、自己開示ができた関係性で対話に臨むと、表層的ではなく本質的な内容に話が及びやすいことが分かっています。

チームビルディングにおいては、まずはコミュニケーションが取りやすくなることを目指し、そこからチーム力を上げることにシフトしましょう。

チームビルディングの企画者が、対象となるチームの状況や、弱み・課題を理解することからはじめましょう。チームビルディングの目的や焦点を明確にすることで、より効果的なプログラムを企画することができます。

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