企業や組織におけるコミュニケーションの重要性は年々高まっている
会社や組織が成長する上で欠かせない要素として、コミュニケーションの重要性が挙げられます。コミュニケーションが良好であれば、良好であるほど、組織やチームは活性化され、生産性も向上することが期待できます。
人事関連の取り組みにも積極的な米大手企業のGoogle社が発表している中に、生産性の高いチームを作り上げる為に最も必要な事として、心理的安全性の重要性があります。心理的安全性とは、他の人の反応に怯えたり恥ずかしいといった気持ちを持つことなく、自分本来の考えや行動を取ることができる環境、状態のことを指します。
HR総研が実施した「社内コミュニケーションに関するアンケート」の報告によれば、「社内のコミュニケーションに課題があると思うか」との質問に対し、およそ8割近い企業が、コミュニケーションに課題があると感じていることが分かっています。その原因背景としては、組織風土や社風、対面でのコミュニケーション機会の減少、ITツールなどへの依存を挙げている人が多く、一朝一夕では解決が難しい課題であることが分かります。
出典元『HR Pro』「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告
こうしたコミュニケーションの活性化や円滑化に向けた取り組みの一環として、特に濃密な人間関係の体験学習を通して、学ぶことができるTグループについて紹介します。
人間関係を深く学ぶなら体験型学習Tグループが効果的
Tグループとは「トレーニンググループ」の略で、1946年に米国のコネチカット州において心理学者のクルト・レヴィンらが発見し発展した手法です。
Tグループは、自己理解や他社理解はもちろんグループ・ダイナミックスやリーダーシップなど人間関係を総括して深く学べる体験学習方法で、多くの場合郊外の研修施設などで1週間ほど泊まり込みで実施されます。1グループ10人前後に分かれ、グループメンバーは円座し、今個々で起きている減少に意識を集中し話し合いが行われます。その中で、感じる心の動きや他社との関わり合いの中で、人間関係のあり方や主体的な生き方についてを学びます。
Tグループの特徴としては、特に話し合いのテーマを定めずに行われることで「今、ここ」での関わり合いをよりリアルに体感することができます。参加者は自他の存在や人間関係のあり方、主体的な生き方をその時感じた言葉で言語化し、発信することで人言的な成長を目指すことが目的となります。
Tグループは本来福祉職や管理職のためのリーダーシップ研修などに活用されていたプログラムです。近年こうしたコミュニケーションに関する課題解決の一貫として、他社との関わり合いを学ぶ場として広く活用される用になりました。
Tグループを実施するメリットとしては、一定の期間(1週間なら1週間)集中して普段味わうことのできない環境で、他社との関わり方や自己についてじっくりと見つめ直すことができることが挙げられます。デメリットとしては、企業がそうした場を提供するためには、コスト面はもちろんプログラム導入に関して専門家を探したり誰を対象に行うのかについて十分に話し合う必要があります。
Tグループ実施には、一定の期間を要するため、受講者がいない間も業務が滞り無く行われる準備などもしておくことが必要です。
Tグループは企業や組織運営における人間関係構築研修にも活用できる
一般的な研修とは違いよりリアルな人間関係体験を通じ、一定の期間で濃密な学習体験ができるのがTグループです。教師やコーチ、カウンセラーなど人にまつわる仕事をする方に向けても、積極的に使われており人との関わり合いを学ぶことのできる有効手段として注目されています。
企業内においては、管理職研修はもちろんのこと、新人研修やチームビルディングなど、人との関わりを学び強化させるための手段としても有効活用できると考えられます。