ロールモデルで女性活躍を推進する「7つの重点項目」とは

ロールモデルは女性の離職防止に不可欠

ロールモデルとは「お手本となる人物」のことで、将来の理想的な姿や、模範となる行動や考えを示してくれる存在です。

女性はライフステージに合わせたキャリア選択に悩む方が多く、将来に対する漠然とした不安から離職を検討するケースがあとを絶ちません。ロールモデルは、女性の離職防止に役立つとして、注目を集めているのです。

女性活躍推進のため厚労省がマニュアルを発表

働き方改革では1億総活躍社会の実現が掲げられました。2015年4月に女性活躍推進法を施行して以来、女性活躍推進企業を認定する「えるぼし」や、女性活躍推進に優れた上場企業を選定する「なでしこ銘柄」など、女性活躍が推進されています。

厚労省から発表されたのが、女性の活躍を推進するための「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」です。女性は、職場においてすでに約4割を占めています。本マニュアルでは、女性を今まで以上に戦力化することこそ、企業が新たな時代を勝ち抜くための鍵であると言及し、ロールモデルの普及を推進しています。

参考URL『厚生労働省』メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル

女性のロールモデルが必要となる背景について

「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」によると、女性社員が社内で活躍できるイメージを持ちづらい理由として、下記が挙げられています。

  • 社内に女性の管理職や先輩が少ない
  • ライフイベントを乗り越えて仕事をするにあたり、女性社員の先輩が少ない
  • 仕事を進めていくうえでの情報を得にくく、社内でのキャリア相談の機会も少ない

2019年、女性の就業率は69.7%と過去最高を記録しました。働き方改革が進み、女性が出産・育児期に退職する「M字カーブ」は改善傾向です。しかし非正規での就業率が高いことは要注目で、女性社員が社内で活躍できるイメージを持ちづらい1つの要因であると考えられます。

「ロールモデルで女性活躍」知っておきたい7つの重点項目

女性社員が、ライフイベントの有無に関わらず、継続的に社内で活躍できるイメージを持つために、ロールモデルの設定・活用が必要です。下記では厚労省が発表した「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」より、主にロールモデルの普及について概要を説明します。

1.女性活躍推進におけるロールモデルの効果

女性活躍推進におけるロールモデル効果として、大きなものは2つです。

1つは、将来のキャリアを描きやすくなり、チャレンジ意欲が高まること。もう1つは、女性が活躍できる風土づくりに繋がることです。

2.女性活躍推進のためのロールモデルの展開

ロールモデルとは、社員が目指したいと思う憧れの存在で、スキルや行動特性を模倣する対象となります。

本来は社員各自で見つけるものですが、組織の女性活躍推進に結び付けていくためには、(1)ロールモデルの設定(2)ロールモデルとなる人材の育成(3)ロールモデルの周知、3つのステップを踏む必要があります。

3.ロールモデルの設定

会社としてどのようなロールモデルを提示するかを明確にします。次に体現するロー ルモデルが社内に存在しているかを把握します。

例えば(1)キャリア初期(2)中堅社員(3)管理職(4)スペシャリストなどに社員を分類して、キャリア面とライフ面からロールモデルの設定を行います。

4.ロールモデルとなる女性人材の育成

ロールモデルとなる人材の育成は、基本的には男女の別なく育成するべきですが、組織内の女性活躍推進に結びつけていくためには、女性のみを対象としたロールモデルの育成も検討することが必要です。

留意すべきポイントとしては、(1)男性と同様に女性も育成する(2)女性を対象とした育成プログラムを実施する(3)仕事と私生活のバランスをとって働く女性社員に注目、3点が挙げられます。特に3点目は重要です。

仕事と家庭の両立のための制度を整備している企業が大半であるにも関わらず、第1子誕生時に約6割の女性が離職しているのが現実です。それだけ仕事と出産・育児との両立は難しいもので、仕事と出産・育児の両立ができている人はロールモデルになり得る人材であるといえるのです。

5.ロールモデルとなる女性人材の周知

社内にロールモデルとなり得る人材がいる場合は、年代や職位、職種、行動、経験、知識・スキル、ライフイベントなどさまざまな角度からロールモデルの要素を分析し、偏ることなく多様なロールモデルを周知することが大切です。

  • 社内報やイントラネットに紹介記事を掲載
  • 社内研修や採用活動において事例として紹介

6.ロールモデルとなる女性人材が見つからない場合

社内にロールモデルが見つからない場合「色々な人の良いところから学ぶ」ことが重要になります。男性社員からも学ぶ点を見つけることもできるでしょう。

社外ネットワークを活用し、社外で活躍する人材をロールモデルとすることも一手です。

7.効果を測定し、組織風土改善へ繋げる

ロールモデルを設定・育成・周知ができたら、プロセス、アウトプット、アウトカム、3つの視点から評価し、費やした労力やコストに見合った成果をあげているかを確認します。

ロールモデルが組織で浸透し、役割を果たす人が増え、組織風土として定着することがゴールです。

ロールモデルは女性だけでなく、全社員の支援を目指して

ロールモデルは、女性管理職の比率増加をはじめとする、女性活躍推進に役立つことで注目されていますが、本来は全社員の活躍を目指すべきです。

ロールモデルの設定・活用によって、全社員の働きがいや自己成長意欲が向上し、自社に対するエンゲージメントが向上することができれば、離職防止や中長期的な人材育成戦略にもつながるのです。

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