多くの企業が新たな母集団形成の方法を模索している
労働力人口の減少や働き方改革の影響もあり、近年求職者が企業を選ぶ目線も厳しくなる傾向にあります。そんな中、多くの企業ではより良い人材獲得をするべく母集団形成が課題となっています。
厚生労働省の調査では、有効求人倍率は右肩上がりになっています。有効求人数が増加している一方で、有効求職者数が減少していることが原因です。
出典元『厚生労働省』一般職業紹介状況(平成30年12月分及び平成30年分)について
株式会社ディスコの行った調査結果によると、2020年新卒採用を前年度から増やすと回答した企業は29.0%で、減らすと答えた企業は9.8%と増加傾向にあることが分かります。母集団形成における想定と実態においての調査では、想定よりも少なかったと答えた企業が49.0%とおよそ半数を占めており、今後の母集団形成の競争はますます激しくなることが想定されます。
出典元『株式会社ディスコ キャリタスリサーチ』2020年卒 採用活動の感触等に関する緊急企業調査
母集団形成の手段も多様化しています。一般的な企業説明会だけではなく、スカウトメールやリファラル採用、インターンシップの早期化などを駆使しながら、母集団形成を行っていると会社も増加しています。母集団形成手段の一つとして、就活カフェについて説明します。
就活中の学生にも企業にも魅力的な就活カフェとは?
就活カフェとは、就職活動をする学生にとって利便性の高いカフェとして定着しているカフェのことです。多くの就活カフェではWi-Fi環境はもちろん、就職活動の相談ができるコーナーやコピー機などを設置し、就職活動生向けのサービスを充実させています。利用料金に関しも、格安で利用できるところや学生無料というところまであり、就職活動中の学生にはとても魅力的なスポットと言えます。
就活カフェの主な目的は、就職活動中の学生を支援することはもちろん、企業において各種採用イベントやセミナー、インターンシップなどを開催する場所として提供することが目的となります。
学生が就活カフェを活用するメリットとしては、就職活動にかかる費用を抑えられることや就職活動中の時間短縮につながることが挙げられます。多くの学生は資金余裕がない中、就職活動にかかる交通費や飲食代などを捻出しています。こうした費用を就活カフェを活用することで押さえられることは大きなメリットと言えます。また同じ立場である就職活動中の学生同士の交流だったり、直接的な情報収集にも繋がります。
企業が就活カフェを活用する目的としては、自社の認知度の向上や学生とのマッチングの場としての目的があります。学生が集まる場所としてイベントやセミナーを開催することで、効率よく母集団形成を行う事ができたり、自社に興味がある学生以外の色々なタイプの学生と接点を持つことも就活カフェでは可能となります。リラックスしたカフェという空間の中で、より学生と近い距離でじっくりと話すことができることも魅力のひとつだと言えます。
企業が就活カフェを導入するには、カフェとの年間契約でおよそ100万円ほどの費用がかかります。実際に活用するためには、そこで行う施策の企画や運営人員の確保も必要となるでしょう。導入を見当する際には、費用やリソースの確保が必要であることを念頭に入れて検討することが大切です。
企業が就活カフェを最も活用する効果的な方法としては、イベントやセミナーなどの開催はもちろんインターンシップの公募などが挙げられます。その他にも実際に人事担当者を常駐させて現状の学生の考えや興味関心がどこにあるかなどを探るといった情報収集にも有効的です。
就活カフェの活用の仕方は、企業とカフェ側の話し合いにより決定できるものであり、その可能性は無限大とも言えます。
就活カフェは今後の人材獲得競争を勝ち抜く手段のひとつ
就活カフェと似たようなサービスは以前からもありましたが、ここへ来て再注目されている背景には人材獲得競争が激化していることが挙げられます。
就活カフェはセミナーやイベントの開催だけではなく、直接学生と採用担当者が話せる接点の場所としても注目されています。すでに多くの企業がスポンサードを行い、母集団形成に活用している就活カフェは、今後の人材獲得競争を勝ち抜く有効的な手段の一つになる可能性があります。