人間関係の基礎力アップにラポールの活用は効果的!
有効的な人間関係は、時に期待以上の成果を上げ、生産性を向上させるなど、企業や組織のレベルを大きくアップさせてくれます。人間関係を構築する上で、基本的であり最も大切だとされている「信頼関係」は、フランス語で「ラポール」と言われています。ラポールはカウンセリングや心理学では一般的な用語です。
ラポールの意味としては、心と心が通じ合い、互いに安心感を持ち警戒心のないリラックスした状態で話し合えるという信頼関係ができている状態の事を指します。ラポールを活用することはビジネスにおける社内のコミュニケーションはもちろん、社外のお客様や取引先との関係構築においても有効的だと言えます。
ラポールを人間関係に活用する最大のメリットは、警戒心や不信感を無意識のレベルで取り除き、相手も自分もリラックスした状態で話合うことができ、本当に伝えたいことを本音で話し合うことができる事にあります。
企業や組織を円滑に動かし、期待以上の成果を上げるためには、健全な人間関係の構築が重要だとされています。人間関係が企業や組織の生産性に与える影響は大きく、その事実はホーソン実験に代表される人間関係論の実験にて証明されています。
世界的大企業として知名度の高いGoogleにおいても、生産性を向上させることはもちろん、個々の高いパフォーマンスを発揮させるために最も大切なことは、心理的安全性だと結論づけています。心理的安全性とは、自分の考え方や意見を包み隠さず発言できる環境が守られており、自分が受け入れられ理解されているということが前提にあるということを指します。
今回の記事では、具体的にラポールを構築するための方法について説明します。
ラポール形成するために必要な知識やスキルはある?
ラポールの構築する前に、前提として相手との信頼関係を気づきたいという自分自身の誠実な思いが必要になります。この思いが根底にない場合、多くの場合ラポールの構築は失敗に終わりますので、その事をまず頭にいれておくことが大切です。ラポール構築をするためには、いくつかの考え方やスキルを知る必要があります。
特に「ペーシング」「リーディング」「キャリブレーション」については初期段階においても重要な役割を担っているため十分理解しておく必要があります。
「ペーシング」とは相手の話すスピードや声の高低に併せて話をすすめるという考え方です。ペーシングを行うことにより、相手は無意識に自分と似ているという感覚を覚えます。ペーシングは心理学における「類似性の法則」と言われており、人は自分と似ているものに親しみを感じやすいという傾向を利用した手法です。相手にあえて自分と似ている感覚を持たせることで、警戒心を解いて心を開いて話してもらうという考え方です。
「リーディング」とは、相手を自分のペースに合わせるように意図的に働きかけるという考え方です。自分が目的としている結果に向かって話をリードすることでラポール形成を優位にすることができます。
「キャリブレーション」とはペーシングの前提となる考え方でもあり、相手の表情や姿勢、仕草などをよく観察し相手の情報を収集することを指します。細かな情報かもしれませんが、相手の気持ちや心理状態は、こうした細かな部分に必ず現れています。これを細かく観察分析することが、今後のラポール形成におけるステップには重要だといえます。
具体的なラポール形成方法を紹介
ここからは今説明した基本的な考え方を踏まえた上で、より具体的なラポール形成の方法について紹介します。
ミラーリング
相手に安心感を与え警戒心を解きほぐすために、ミラーリングは効果的です。具体的には相手の仕草や姿勢、動きを鏡に写すように真似るという方法です。
例えば商談の席などで、相手が頭を前後左右に傾けていたら、さり気なく自分も合わせるように傾けます。また手は揃っているか、組んでいるか、呼吸は深いか浅いかなど、相手の事をよく観察しながらそれを真似ます。
ポイントとしては、相手よりも若干遅らせながら真似ることです。すぐに真似て相手に気づかれてしまうと、逆にラポール形成は難しくなります。
マッチング
主に聴覚により得た情報声の大きさや、話し方を合わせ相手に安心感を与え警戒心を解いていく方法です。具体的には、相手の話すテンポに合わせて話す、声のトーンを合わせる、ボリュームも合わせて話すことが効果的です。
声色や話し方の他に、その人が持っているムードやエネルギー、雰囲気などに合わせて行くのも、マッチングの手法の一つと言われています。
バックトラッキング
一般的に「オウム返し」と言われている方法で、相手が会話の中で使った言葉をそのまま返すというテクニックです。具体的には相手が「仕事にはコミュニケーションが大切だと思う。」と話した事に対して「コミュニケーションはとっても大切ですよね。」と言うように、ポイントとしては、相手が使った言葉をそのまま返すことです。
少しでもニュアンスの違う言葉を返してしまうと、妙な違和感が残り、ラポール形成には逆効果となるので注意しましょう。
ラポール形成には実践を踏まえたトレーニングや経験が重要
カウンセリングや心理学、コーチングなどの分野でも日々活用され研究されているラポールですが、ラポールを構築するための方法やテクニックには色々な種類があります。自分が求めている人間関係の構築において、どの方法が一番効果的なのか、自分が置かれている状況や相手に合わせて使い分けることがラポール形成を成功させるためには大切です。
知識や情報を理解していても、実際のラポール構築に活かすには実践や経験が大切です。まずは日頃から意識して過ごしていくことで、自分にあった方法を見つけ出すことを目指しましょう。