採用面接でモチベーションを見極める方法や具体的な質問例とは?

モチベーションの高さは定着率にも影響する

仕事において「モチベーションが高い」ということは、自発的に業務を改善する、チームメンバーをサポートするなど、「業績を上げるために情熱を注いでいる状態」を指します。このため仕事が面白くなり、会社に対しても満足度が上がり、定着率も向上します。

新たに採用した新規人材がモチベーション高く働けば、既存人材も触発されて、組織全体における離職率低下や生産性向上が期待できるでしょう。

採用活動に「危機感がある」企業は9割越え

リクルートキャリアの就職白書2019によると、面接は99%の企業が実施する採用手法です。従業員規模が多くなるほど、実施率も上がります。

採用活動プロセス毎の実施率
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

DISCOの調査によると、採用活動に危機感を覚えている企業の割合は9割以上にのぼりました。新規人材の獲得だけでなく、既存人材の離職防止も重要であることが分かります。

採用活動への危機感
出典元『株式会社ディスコ キャリタスリサーチ』2019年卒採用活動の感触等に関する緊急企業調査

面接で応募者のモチベーションを見極めることができれば、組織全体の意欲向上や組織へのエンゲージメント向上が期待でき、人材の離職防止に役立つでしょう。

しかしモチベーションは具体的に数値化することが難しく、面接官によって採用基準がばらつきやすい項目です。今回の記事では、面接で応募者のモチベーションを客観的に見極める質問について説明します。

モチベーションとは

「モチベーション(motivation)」とは「動機づけ」という意味の英語で「人が行動を起こすことにつながる要因」を指しています。モチベーションには2種類あります。

1つめは、仕事そのものから得られるやりがいや達成感から生じるもので「内発的動機付け」と呼ばれます。2つめは、昇給や昇格など仕事そのものには直結しない「外発的動機付け」です。

面接でモチベーションを見極める際のポイント

面接でモチベーションを見極める際は「セルフモチベーション」に焦点を当ててみましょう。自分自身でモチベーションを高めたり持続させられるか、つまり「モチベーションを自己管理できる」かどうかがポイントです。

自分自身でモチベーションを管理できる人は、目標設定が上手く、目標を達成するための道筋を描くことができます。自らモチベーションを高めて、実際に行動を起こすことで、自己成長意欲を自ら高める人も多いでしょう。

面接でモチベーションを見極める方法

モチベーションの評価は、面接官によってばらつきが生じやすいという難点があります。モチベーションを客観的に見極める方法として、おすすめなのが行動面接(STAR面接)です。

行動面接とは、過去の行動について質問して、応募者の性格や価値観を確認する面接手法で、過去の行動を掘り下げる方法としては「STAR面接」が有名です。

面接でモチベーションを見極める質問例

面接でモチベーションを見極めるための、具体的な質問例を紹介します。ここでは、一般的なモチベーションに関する質問例と、STAR面接に則った質問例の2つを紹介します。

1.一般的なモチベーションに関する質問例

モチベーションを高める/下げる要因についての質問です。応募者の回答は、企業文化や募集職種へのマッチ度や、既存人材との相性を見極めることに役立ちます。

「仕事をするうえで、あなたのモチベーションを高めるものは何ですか?」
「どのようなときに、仕事に対するモチベーションが下がりますか?」
「仕事のやりがいや自己成長を感じられることと、昇給や昇給など他者からの評価、あなたのモチベーションが高まりやすいのはどちらですか?またその理由も教えてください。」

2.STAR面接に則った質問例

過去にモチベーションを高めた経験について、掘り下げる質問です。過去の事実にもとづき、応募者の本来の姿を把握できるため、面接官による評価のばらつき抑止にも役立ちます。

STAR面接では、下記4つの項目の順に質問します。

  1. S(Situation):過去の状況について
  2. T(Task):その時の課題は何か
  3. A(Action):どういう行動を取ったか
  4. R(Result):その結果は

Situation(状況)
「モチベーションが著しく下がったときに、やる気を出したり前向きな気持ちを取り戻したりして、自らモチベーションを高めた経験について教えてください」

Task(課題)
「そのとき、モチベーションが下がっていた要因や、困難に感じていたことは何ですか?」

Action(行動)
「その課題を解決して、モチベーションを高めるために、どのような行動をとりましたか?」

Result(結果)
「行動したあとの状況の変化や、あなたのモチベーションが高まった理由を教えてください」

面接でモチベーションを見極めるメリット

面接でモチベーションを見極めるメリットには、生産性や定着率が向上することが挙げられます。

自己成長意欲が高まり新しい環境でも早期活躍が期待できることや、既存人材にもよい影響をもたらし組織が活性化すること、組織に対するエンゲージメントが向上することなども期待できます。

セルフモチベーションは、中長期人事戦略の重要指標

面接で応募者のモチベーションを見抜いて、セルフモチベーションが上手な人材を採用することは、教育研修の面でもメリットがあります。セルフモチベーションが上手な人は、成長意欲が高い傾向があるためです。

昨今の働き方改革の影響もあり、多くの企業が人材教育に割く時間や費用の捻出に苦慮しています。しかし人材の継続的な成長は事業の成長にも直結します。人材教育は、必要不可欠な投資です。セフルモチベーションが上手く、モチベーションの高め方が自社の組織風土にマッチした人材を採用することは、中長期的な人事戦略として重要指標であるといえるでしょう。

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