個人でもミッションステートメントは作れる
ミッションステートメントとは、広く認識されている意味としては、企業が社会において最大限の価値を発揮させ成長させる行動指針を明文化したものです。企業の経営・運営に関わる全ての事柄をミッションステートメントとして定める事により、サービスレベルの向上や社会に与える影響力、今後の企業戦略といった企業の根幹を支え成長へと導く重要な役割を果たしています。
実際にミッションステートメントがある企業と無い企業では、ある企業の方が成長率が高いといった調査結果も出ています。
ミッションステートメントは企業にのみ当てはまる概念のようにも見えますが、実は個人においても応用することが可能です。
今回は個人におけるミッションステートメントとはどういったものなのかについて紹介します。
個人のミッションステートメントは人生の指針!
企業におけるミッションステートメントとは、企業活動における全ての考え方、経営理念や価値観などを細かく行動指針へと落とし込んだものを指します。
個人におけるミッションステートメントとは具体的には何を指すのでしょうか?
個人のにおけるミッションステートメントについては、「7つの習慣 人格主義の回復」の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士が提唱したとされており、具体的には自分がどういう人生を送りたいか、どんなことに信念を持ち行動するかについてを明文化したものとされています。
今後どんな自分になりたいのか、具体的にどんな風に生活し何をしたいのかについて、明確にミッションステートメントを定めることで、自分の人生を豊かにするためには今何をなすべきなのかを判断するための重要な役割を果たします。
反対に言えば、個人のミッションステートメントを定めることにより自分の人生がより豊かに意味のあるものになると言っても過言では無いでしょう。個人におけるミッションステートメントはその人それぞれの生活や行動における憲法と言えます。
個人のミッションステートメント作成手順とは
個人におけるミッションステートメントいざ作成してみたいと思っても、急に作るということは無理なことだと思います。実際に作成するためには、どのような手順を踏めばいいのでしょうか?
個人のミッションステートメントを作成する手順としては以下のようなことが挙げられますので参考にしてみてください。
手順1【過去の整理と今現在感じていることまたその先の理想の未来を明確にする】
はじめに行いたいのが、自分の過去について考えることです。
過去の自分の人生を振り返り、どんな出来事があったか、その時どんなことを感じたのかなど、思いつくままに書き出しましょう。過去の自分を経て今現在の自分がどう感じているのかを明確にしていきましょう。
ただ漠然と自分の感じている感情を明確にすることはとても難しいことですので、一問一答形式で自分に問いかけながらすすめると、自分が感じていることについて徐々に明確な答えが出てきます。ひたすら自問自答をし続けることが大切です。
最後に自分が描く理想の未来について考えましょう。一番分かりやすい理想の未来は「自分の葬儀」を想像することです。どんな人に参列してもらい、どんな言葉をかけてもらいたいか、自分が他人に与える影響はどうあってほしいのかを明確にイメージすることが大切です。
手順2【自分の役割の明確化】
人が生きていく上で、社会における役割というのは、とても重要になります。
会社であれば、上司や部下、相談役、専門的な技術などがある場合には専門職としての役割があります。家庭があれば、夫や妻、親、子供、兄、妹など家庭での役割もあります。
どんな人においても、必ず複数の役割を持っていますので、中でも自分が重要だと思える役割を7つ書き出しましょう。闇雲に書くのではなく、手順1で整理した内容を踏まえ、重要だと思う順番に洗い出します。洗い出した役割に対して、本当に自分がやりたいことやこうあるべきだと思うことを踏まえながら、使命を与えていきます。
最後に文章を整え「What」「Why」「How」で再構築することで、より具体性をもたせて完成となります。
手順3【見直しと修正を加え成長させる】
あらかたの個人のミッションステートメントはでき上がりますが、作成したらそれで終わりではありません。
人間は日々成長し、考え方も感じ方も変わる生き物です。ですから個人のミッションステートメントも、日々見直しと修正を加えながら成長させて行くことが重要だと言えます。
個人と企業それぞれのミッションステートメントを定めることで相乗効果が生まれる
個人のミッションステートメントは、企業のミッションステートメントとは異なり、その人自身が生きる上での大切な指針となります。同時に将来的に目指すべき方向性や目標などが明確になるため、企業としては社員個人が掲げたそれに対してどういった価値を提供できるのかなどを明確に示すことも可能となります。
自社で働くことが社員一人ひとりの理想の将来像へ価値を提供できるということは、反対に言えば社員一人ひとりも働くことで企業への価値を提供することに繋がるため、結果的には定着率の向上や、生産性アップへと繋がることが期待できます。