企業の成長と深く関係性のあるミッションステートメントとは
従来からある「社訓」や「社是」「経営理念」に似ている概念として、近年注目されているミッションステートメントという概念があります。
ミッションステートメントとは、直訳だと「企業理念」と訳されることも多く、企業の経営・運営に非常に重要な役割を果たす考え方として、欧米では広く研究されています。
労務行政研究所の調査結果によると、従業員が1000人を超える企業においては、100%企業理念が存在し、反対に従業員数が減ると企業理念の比率も減少傾向であることが分かっています。
出典元『日本の人事部』経営理念の策定・浸透に関するアンケート
立教大学経営学部の並木教授の調査結果においても、明確な企業理念、ミッションステートメントがある企業の方が無い企業と比べて、より高い企業成績を達成していることが立証されています。
参考URL『立教大学』ミッション・ステートメント:日米企業の比較研究
今回はミッションステートメントについての意味や定義、設置することで得られるメリットやデメリットについて説明します。
ミッションステートメントの良し悪しが会社の成長を決定つける?!
ミッションステートメントとは直訳すると「企業理念」として訳されることが多く、その概念は従来からある「社訓」や「社是」「経営理念」に似ています。大きく違うところは、実際に企業や従業員が共有する価値観や社会的使命であるミッションをより具体化して明文化させて分かりやすくしたものが、ミッションステートメントとなります。
ミッションステートメントを明確化させる目的には、様々なことが挙げられます。例えば、企業で働く従業員の統率性を高めるための指針として、会社全体の戦略や経営方針など重要な意思決定をする際の指標としても役立つでしょう。ミッションステートメントを決定しておくことで、会社の成長が決まると言っても過言では無いと言われる理由は、全ての企業活動における道しるべとして重要な役割を持っているからなのです。
ミッションステートメントと同じように使われる言葉にビジョンステートメントがあります。ビジョンステートメントとは、企業が描く将来像や目標を明文化したもので、本質的にはミッションステートメントは異なります。時間軸で考えると分かりやすく、ビジョンステートメントは「未来」であり、ミッションステートメントは「現在」についてを明文化したものとなります。一見似ていて混同しやすい概念ですが、しっかりと分けて考えることが大切です。
ミッションステートメント作成におけるメリット・デメリット
企業の思いや信念、社会的使命や行動指針などをミッションステートメントで具体化させることで、企業にとっては様々なメリットがあります。
企業の将来を左右する重要な経営判断を迫られた際には、最終的な判断指針としてミッションステートメントが活かされます。業績や業界の動向、株主の意見を聞いたとしても、新たな取組に対して、100%の保証はありません。そんな時にミッションステートメントに沿った意思決定をすることで、企業の方針や信念からずれることなく会社の存在価値に沿う形で成長していくことができます。
企業で働く従業員の統率はもちろんですが、社会に向けての情報発信ツールとしてもミッションステートメントは役立ちます。ミッションステートメントは言わば、企業そのものを表現したものです。活用の幅は広く、そのメリットも大きいといえます。
デメリットとしては、ミッションステートメント自体がうまくまとまっておらず、会社としての方向性とは明らかに違う場合は、意味の無いものになってしまいます。むしろ、企業の成長にとっては悪影響にしか過ぎないでしょう。
それだけミッションステートメントが企業に与える影響というのは大きく、作成には時間をかけて取組む必要があります。
ミッションステートメントが企業へ与える影響力は大きい!
ミッションステートメントは、企業の思いや信念、社会的使命や行動指針について具体的に明文化し定めたものであり、企業の成長にとっては欠かせない存在だと言えます。活用や作成に関しては、メリットやデメリットがあることはよく理解しておく必要があるでしょう。
上手く活用できれば、ミッションステートメントは業績アップやサービスレベルの向上、社員の統率力の底上げ、ブランディングにまで良い影響を与えることができます。
ミッションステートメントを作成したいと考えている場合には、こうした先々のことを念頭に入れながら、導入を検討することた大切です。