長時間労働の原因とは?厚生労働省の調査から読み取れる根本の課題

解決の難しい「働きすぎ」問題について

日本の労働者の総労働時間は諸外国に比べて長く、労働時間の短いドイツと比べると年間400時間もの違いが生まれています。日本では労働者の権利である有給休暇や育児休暇の取得率なども低く、長時間労働の問題は、世界的に有名になってしまった過労死などとも大きく関連しています。

一人あたり平均年間総実労働時間
出典元『独立行政法人 労働政策研究・研修機構』国際労働比較 2018

日本型雇用として代表的な終身雇用のもとでは、会社への個人の依存度が高まり、転職がしづらい環境や会社への不満を言いづらい状況を生み出してきたとも考えられています。成績や会社への貢献度とは無関係に昇進していく年功序列制度のもとでは、生産性は軽視されがちであり、長時間労働と相性のいい諸要素が相まって育まれてきた背景がある日本の労働環境は、やはり簡単には変えることが難しいものです。

政府や各企業による再三の取り組みも虚しく、パートタイマーを除く一般労働者の総労働時間は、約2000時間で横ばいとなっています。


出典元『内閣府』第2章 働き方の変化と経済・国民生活への影響 

長時間労働の原因を探る

政府の推進する働き方改革でも、長時間労働は解決すべき課題として挙げられており、2019年4月1日より施行された働き方改革関連法案においては、それまで「青天井」と言われていた時間外労働の上限規制が盛り込まれるなど改善に向けた取り組みが盛り込まれています。

長時間労働を是正するためには、強制的に退社させるなどの対策ではなく、根本の原因を取り除くことが必要です。今回は厚生労働省などの調査から、会社側が考える長時間労働の原因について説明していきます。

厚生労働省の調査による長時間労働の原因とは?

厚生労働省の調査では、長時間労働を招いている要因について経営企画・事業企画と経営管理に対して調査が行われました。その結果を読み解いていくと、長時間労働につながっている経営者や人事の意識が見えてきます。

参考URL『厚生労働省』我が国における時間外労働の現状

1.管理職の意識・マネジメント不足

調査において最も多かった回答は、管理職が現場の業務を把握できていないことが長時間労働につながっているというもので、この回答は4割に及びました。

管理職が現場の業務内容と量、必要な人員などを適切に把握できていれば、適切とされる時間を超えて長時間働く必要もないため、もっともな意見だと考えられます。

管理職と現場のコミュニケーションが不足していると、長時間労働で疲弊する現場の実態を適切に把握することができず、改善に当たることができません。

2.人手不足による業務過多

コストカットのために人員をギリギリまで減らし最小限の人数で業務に取り組むために、一人あたりの業務時間が長くなったり、一人が抱える仕事量が増え、結果的に長時間労働につながっていると考えられます。

人手が集まらずにやむなくこのような状況に陥っている場合もありますが、いわゆる「名ばかり管理職」と呼ばれる現場の責任者が人員の穴を埋めるべく、膨大なサービス残業を強いられている場合も多く深刻な問題につながってしまいます。

3.長時間労働に肯定的な人事制度・社内風土

部長クラスからの回答では、長時間労働を是とする制度や風潮が職場にあることを指摘する回答が最も多くなりました。

昔の年功序列型雇用で育った世代の意識として、成果や生産性を軽視し、遅くまで会社に残って頑張っている姿勢など、成果に直接結びつかない「態度」的な部分を評価する意識も、長時間労働の蔓延に結びついています。

評価を得るために長く働くという積極的な動機から、上司や先輩が残っていると帰りにくいなどの消極的な動機まで、上司の態度は様々に従業員の労働時間の増加につながっていると言えるでしょう。

経営者が主体となって長時間労働を是正する必要がある

長時間労働を是正するために、ただ従業員を帰らせるといった単純な手段ではなく、長時間労働を招いている根本的な原因の解決が必要です。

会社が考える長時間労働の原因を解決するためには、人事部門だけでなく、経営者の理解や協力も必要になります。業務量が多い場合には、提携業務をRPAにて自動化するなどだけでなく、ビジネスモデルの見直しなどが必要になることもあるでしょう。

長時間労働を大きな問題として受け止め、経営者が主体となって長時間労働を是正していく姿勢が求められています。

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