採るべき人、採ってはいけない人材の特徴や見分け方とは?

早期離職により生じる損失コストは重大である

人材マネジメントにおいて大切なのは、在籍社員が戦力としてきちんと機能している状態を作り出すことです。

まず深刻な問題が「早期離職」です。採用が難しい昨今だからこそ、ついつい「採用」がゴールに思えてしまうのですがそれは大きな誤解です。獲得した人材が定着し、会社利益を出す戦力になるまでが採用活動と考えると、新人が独り立ちするまでの3〜5年はいわば投資期間に相当します。

では投資には具体的にどれだけの金額がかかるのでしょうか?新人に対する投資として、獲得にかかるお金があります。求人募集や人材紹介、大学へのリクルーティング活動など獲得には様々な方法がありますが、1人あたり約46万円の採用コストがかかるというのが、人材市場の相場です。

新卒採用コスト2017
出典元『マイナビ』2017年 マイナビ企業人材ニーズ調査

中途採用コスト
出典元『マイナビ』2017年 マイナビ企業人材ニーズ調査

人を雇うには人件費が挙げられます。経団連によれば大卒新入社員(総合職)の初任給の平均は月給218,455円です。さらにそこに社会保険の企業負担分が上乗せされ、年に2回の賞与(1回あたり月給の2.4ヶ月分)の支払いもあります。これだけでも年間400万円以上、3年で1,200万円のコストとなり、早期退職はそれだけの損失を生んでいるのです。

参考URL『日本経済団体連合会』「2018 年6月度 定期賃金調査結果」

早期離職と同様に深刻化しているのが「社内失業」です。「社内失業」とは、会社に在籍していながらも仕事がない状態を指し、またその概念も広く知られている訳でもありませんが、その実態を把握することは人事業務として重要です。

社内失業者の割合については、内閣府の2011年の調査では8.5%にあたる465万人が該当し、リクルートの調査では、このままの推移だと2025年には415万人が雇用保蔵者として該当するとの予測データが出ています。

2025年の雇用者に占める雇用保蔵者数
出典元『リクルートワークス研究所』2025年 働くを再発明する時代がやってくる

大企業となると総合職採用がメインになることが原因の1つと考えられます。総合職では具体的な職務が決まっていません。そのため実力が育ってない社員が社内で「浮いてしまう」ケースがありえるのですが、そうした人材を法律によって簡単に解雇できないこともあって「社内失業」状態にならざるを得ないということが起こっています。

採用活動では短期的な視点以上に、長期的な視点を持つことが大切です。会社にとって利益をもたらしてくれる人材こそ狙うべきであり、その観点からすれば「すぐ辞める人材」や「就労意識が低い人材」というのは大きなリスクを抱えていると見なせます。

以上を踏まえ、この記事では「採るべき人材」と「採ってはいけない人材」の特徴とその理由を紹介します。

採用選考で採るべき人の特徴とは

採るべきかどうかの判断ポイントとなるのは、その人物が会社利益に対してどのような貢献が期待できるか、具体的に見えるかどうかと言えるでしょう。新卒採用か中途採用で評価方法・評価ポイントは変わってきますが、正社員として採用するなら中長期的な視点に立って判断することが大切です。

採るべき人材の特徴として、まずは「辞めない」ことが挙げられます。もちろん、実際に入社するまでは本当に辞めないのかはわかりません。しかし、業界・業種未経験の若手人材や、異業種からの転職者であれば「戦力になるまでの投資期間」を想定して採用すべきです。最低3年は在籍してくれないと、その採用は赤字になります。採用・教育にかかるコストの回収が期待できるかどうかは、採用すべきか否かの重要な判断基準になり得ます。

1つのことを辞めずに続けられる人材は、業務に関する知識ゼロからはじめても、業務を通してその仕事のやりがいを積極的に見いだせる力が期待できます。例えば「学生時代に何か1つでも自信を持ってやりきった経験」を詳細かつ具体的に話せる人物は、採るべき人材の要件を満たしていると考えることもできます。

採用選考で採ってはいけない人の特徴とは

採ってはいけない人とは、会社に不利益・損害を与えうる人物です。冒頭でも詳しく述べた「早期離職」や「社内失業」に該当するものは、もっとも避けたい人の代表格だと言えます。

特に注意したいのが「会社と価値観や考え方を共有できない人」です。不一致があるにも関わらず採用してしまうことを「採用ミスマッチ」と言い、会社に余計な出費が出るだけでなく、現在働いている従業員への悪影響も懸念され、生産性の著しい低下につながりかねません。今いる従業員がより快適に働ける環境づくりにも具体的に取り組んでいく必要があるでしょう。

人間関係に目を向けたとき、「個人対個人」という最小単位のコミュニケーションがまずあると気づきます。社会心理学のある研究によれば、「人間は似た者同士が惹かれ合う」ということが主張されていて、「個人対個人」の関係性についての基本的なモデルとなっています。類は友を呼び、価値観の違いによって恋人が別れるようなものです。

「個人対組織」であればどうでしょうか?実のところ、大きな違いはありません。性格・価値観が似た組織に属してる方が離職率は低いということが、実証研究によって明らかになっています。

性格や価値観といったものはそう簡単に変えられるものではないが故に、採用時にこうした側面の見極めを重視し、採用ミスマッチが起こらないようにすることが重要なのです。

評価ポイントを明確にし、社内で共有する

採用活動を成功させるためには、採るべき人と採ってはいけない人を明確にする必要があります。どのような要件がマストなのかを具体的に考え、過去や現在に在籍している社員のデータを分析するなどして採用要件定義を細かく行っていくことが大切です。

プロセスで採っても良い人材をMUST要件に、採るべき人をWANT要件に、採ってはいけない人をNEGATIVE要件へと落とし込んで見ると、客観性が出てくるので社内での評価基準を共有しやすくなります。

採用選考プロセスでどのように見極めるのかを明確にすることで、効率的かつ効果的な採用活動を実施できるようになります。

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