ゆでガエル理論とは?既存の業務や施策が深刻な問題に発展する可能性も

激変する価値観と企業を取り巻く状況

多くの企業が実感しているように、現代の社会は変化のスピードが早く、激流のように変わり続ける状況に対応し続けなければ生き残れない、VUCAワールドと言われる予測困難な時代であると言えます。

市場や消費者のニーズが些細なきっかけで激変し、多国籍企業が増えた上、グローバル化により海外の出来事が国内の市場にダイレクトに影響を与えるようになりました。技術的にはコンピューターやスマートフォンの普及、ロボットやRPAによる単純作業の代替化、AIによる意思決定支援なども、市場や生活の変化のスピードを加速させています。

社会の価値観の変化もビジネスや企業のあり方に影響を与えており、政府の進める働き方改革では、労働生産性の向上や女性の活躍推進など、今までの企業活動を変化させ、新たな価値観に対応した企業となることを求めています。

取り巻く労働環境が激変している中で、企業も大きく変わることが求められているものの、急激な変化に気が付かず、従来のやり方で十分とタカをくくっている間に、気がついたときには深刻な問題となっておりそのまま倒産を余儀なくされてしまう企業は少なくありません。

ビジネスの世界では、そのような状況をゆでガエルに見立てて表現されることがありますが、今回はそんなゆでガエル理論について説明していきます。

ゆでガエル理論の意味とは?

ゆでガエル理論とは、カエルを煮えたぎる熱湯に入れれば驚いてすぐに飛び出すため死なずに済むものの、水の状態から徐々に温度を上げていった場合には温度の変化に気づかず、命の危機を感じないまま茹で上がってしまうという元々欧米で例え話として知られていた寓話をもとに作られた理論です。1950~70年代にアメリカで活躍した思想家であるベイトソンによって提唱されたと言われています。日本では2000年前後に桑田耕太郎や大前研一などにより紹介されています。

ビジネスにおいては、過去の成功体験などに依存しぬるま湯のような環境に慣れきってしまうと市場の変化に気づけず企業として致命傷を負ってしまうという教訓として語られています。

ゆでガエル理論の科学的根拠とは

一見本当らしく聞こえるこの話ですが、実は科学的な根拠はありません。

実際にそのような実験を行えば、熱湯にそのまま入れた場合にはカエルは飛び出す前に死に至り、水から徐々に温度を上げていけば熱くなる前に飛び出して逃げると言われています。

ゆでガエル理論の作り話が広く一般に受け入れられているのは、例え話が人間の陥ってしまいがちな状況を的確に言い表しているからにほかなりません。

ゆでガエル理論のビジネスシーンでの具体例について

過去の実績や成功したモデルに囚われて、組織改革や収益構造の思い切った転換に踏み切れない企業や、時代のニーズに取り残されて、かつて売れた商材をいつまでも売り続ける企業等はこの例に当てはまる具体例と言えます。

多くの企業が楽に成果を上げていたバブル時代のやり方に固執するバブル世代が「ゆでガエル世代」と揶揄されたり、時代の流れに逆らって今ではパワハラとされるような強引な社員教育を後輩や部下に行う上司など、ビジネスの中でゆでガエル理論に当てはまる状況は多々あります。

ゆでガエル理論によって引き起こされる企業への問題について

変化の激しい現代では、常に変化に対応し、変化を先取りして動き続けることでしか生き残れない状況です。

過去のあり方に囚われたやり方は、社内教育や人事、採用などあらゆる部分において企業の足かせとなり、早めに手を打たなければ最悪の場合倒産のような致命傷につながってしまうでしょう。

既存施策の見直しを適宜行い、挑戦を忘れずに

ゆでガエル理論とは、変化が緩慢な組織において、危機を認識したときには致命的な問題となっている現象のことであり、寓話であるとされているもののビジネスシーンにおける一つの教訓として広く用いられています。

市場のグローバル化やテクノロジーの進化によって、市場競争が激化している中で、過去のやり方にすがって新しい挑戦をしなければ、組織としてゆでガエル理論に陥る可能性があるでしょう。

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