面接マニュアル作成手順と、記載すべき6つの項目(目次例)

面接マニュアル作成による「絶大な効果」とは

面接マニュアルとは、採用面接の手順、心構えや注意事項、質問項目や評価基準などを、面接官向けにまとめたものです。面接マニュアルに沿って面接を行うことで、面接官のスキルや経験に左右されず面接を実施できるようになります。特に新米面接官にとっては、面接を落ち着いて実施するための拠り所となるでしょう。

ほかにも、面接官が応募者との対話を深化できる、遠隔にいる採用関係者にも面接の結果を共有しやすくなる、面接の評価のばらつきを軽減できるなど、採用業務効率化における効果は絶大です。

大手企業ほど、面接担当者の教育・訓練に課題感

「就職白書2019」によると面接の実施率は99%にのぼり、面接はほとんどの企業で実施される採用手法です。

採用活動プロセスごとの実施率
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

一方で、3割以上の企業が、採用関係者への採用選考基準の統一化や、面接担当者の教育・訓練に課題感があると回答しています。

新卒採用における課題
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

なかでも「社内関係部署の協力体制(61.7%)」と「面接担当者の教育(46.1%)」に、最も課題を感じているのは、従業員数5,000人以上の大手企業であることは注目です。「採用関係者への採用選考基準の統一化(49.1%)」に、最も課題を感じているのは、従業員数1,000〜4,999人の企業でした。

熟練面接官などのノウハウを可視化し、社内関連部署の社員や新人面接官までも、一貫した選考・評価をできるようになる面接マニュアルの作成は、採用活動全般の効率化という観点でも、とても重要な役割を担っているのです。

面接マニュアルに記載すべき項目6つ(目次例)

面接マニュアルを作成するにあたり、一般的に記載されている6つの項目を紹介します。(1)面接官の心構え(2)面接の進め方・手順(3)面接実施に役立つノウハウ(4)面接実施時に気をつけること(5)面接の評価・報告(6)合否の連絡・運用の改善です。これをそのまま目次として活用することも可能でしょう。

1.面接官の心構え

面接官の心構えとして、5つの項目をマニュアル化しましょう。

  1. 面接の目的
  2. 面接官の役割
  3. 面接官は会社の顔
  4. 面接官としてNGな態度
  5. 自社の採用要件への理解

1.1 面接の目的

面接の目的とは、応募者との対話を通じて自社の採用要件に合う人材を選ぶことであること、また応募者の真の姿を見抜き、自社とのマッチ度を測ることです。

1.2 面接官の役割

面接官は、会社を代表して応募者を選定する役割とともに、時には応募者に寄り添い自己理解の深化や志望の動機付けをサポートする役割も求められます。

1.3 面接官は会社の顔

面接官は会社の顔であることを忘れてはいけません。面接官への印象は、応募者の入社意向を大きく左右します。

1.4 面接官としてNGな態度

応募者が不快に感じるような高圧的な言動や、採用活動において法的に禁じられているタブーを犯すのは絶対にNGです。

1.5 自社の採用要件への理解

自社の採用要件を十分に理解しておく必要があります。そのためには、自社の理念や事業の状況、どんな人材が自社で活躍しやすいのかなど、日頃から意識的に情報収集してくことも大切です。

2.面接の進め方・手順

面接の進め方・手順として、6つの項目をマニュアル化しましょう。

  1. 出迎え、挨拶
  2. 自己紹介
  3. アイスブレイク
  4. 質問開始
  5. クロージング
  6. お見送り

2.1 出迎え、挨拶

応募者が来社したら、待たせずにお出迎えをします。他の従業員が出迎えて、会議室へ案内する場合も、あまり待たせることのないよう気をつけましょう。

応募者と対面したら、まず自分から名刺を渡して挨拶をします。相手から名刺をいただく必要はありません。

2.2 自己紹介

挨拶が終わったら、応募者には上座に着席いただき、まず自分から自己紹介をします。氏名や所属部署、組織における役割や業務内容を簡潔に述べます。

応募者と共通項がある場合には、その話題から次のアイスブレイクに入るのも一手です。

2.3 アイスブレイク

面接では、いきなり自己PRを求めたり質問を始めるよりも、アイスブレイクを挟むほうが良いでしょう。

応募者の緊張をほぐし、お互い話しやすい雰囲気を作ることで、応募者の本音を引き出しやすくなるでしょう。

2.4 質問開始

簡単な自己紹介や志望動機を聞かせてもらうのが一般的な流れです。応募者の発言を深掘りしていく形で、ヒアリングして行きます。

質問は、面接でチェックすべき評価項目に沿って行います。

2.5 クロージング

面接を終了する前に、応募者の方から聞きたいことは無いか、確認します。また、選考結果の連絡方法や日時についても、伝えておくと丁寧で好印象です。

入社して欲しい人材であれば、他社での選考が進んでいるかどうかを把握できるとベターでしょう。

2.6 お見送り

一般的には、オフィスの出入り口までお見送りします。

エレベーターで階下に降りる場合は、応募者がエレベーターに乗り扉が閉まるまで礼をして見送ります。社外からのお客様をお見送りするのと同様に対応します。

3.面接実施に役立つノウハウ

面接実施に役立つノウハウとして、3つの項目をマニュアル化しましょう。

  1. 目的と意図を持って質問する
  2. 会話を掘り下げる
  3. 評価項目と評価基準を明確にする

3.1 目的と意図を持って質問する

面接での質問は、目的と意図を明確に持って行うのがポイントです。

面接では、限られた時間のなかで、初対面となる応募者の人柄や性格、価値観といったマインドセットを見抜かなければなりません。面接官自身が「何のためにその質問をするのか」という目的意識を明確に持ち、意図を持って質問を投げかけることが重要になります。

超売り手市場が続くいま、【採用のミスマッチ】を防ぐことは面接官の最重要課題です。短時間で応募者のマインドセットを見抜くには、予め目的を明確にして質問することが大切です。目的や意図を一覧にして、それぞれの質問事項を紹介します。

3.2 会話を掘り下げる

採用面接で、応募者が自社に合うかどうかを見極めるためには、多面的かつ表面的な質問を繰り返すのではなく、会話を掘り下げていくテクニックが必要です。

「オープンクエッション」「発言の背景や理由を聞く」「発言をより具体的にする」「共感やフィードバックをしてさらなる発言を引き出す」などを上手く組み合わせることで、会話を掘り下げることができます。

採用面接で、応募者の人柄や価値観といった人物特性を上手く引き出して人材を見抜くためには、回答を掘り下げながら質問する質問術が重要です。初めての面接官の方でも応募者の本音を引き出せる、基本となる質問の仕方や具体的な質問例について説明します。

3.3 評価項目と評価基準を明確にする

自社の採用要件に合わせて、評価項目と評価基準を明確に把握します。重要なのは、概念的・主観的に理解するのではなく、より具体的・客観的に腹落ちすることです。評価項目や評価基準が曖昧だと感じる場合には、事前に人事担当者やベテラン面接官と意見交換するのもよいでしょう。

評価項目がまだ決まっていない段階であれば、経済産業省が掲げる「社会人基礎力」などを参考にして、自社で重要視する評価項目を明確にしていくことから始めます。

4.面接実施時に気をつけること

面接実施時に気をつけることとして、3つの項目をマニュアル化しましょう。

  1. 圧迫面接をしない
  2. 法的タブーを犯さない
  3. お見送りの場合こそ、丁寧に

4.1 圧迫面接をしない

応募者の真の姿を見るためといっても、圧迫面接はいけません。多くの企業で、ストレス耐性の高さを測る目的で圧迫面接が導入されていますが、内定を出そうと決めていた人材から辞退される、会社に対するネガティブな情報をSNSで拡散されるなどのリスクがあります。

面接官自身が意図していなくても、応募者が「圧迫面接だ」と感じてしまうケースもあるようです。

圧迫面接とは、新卒採用・中途採用共に「クレームや要望への対応スキル、ストレス耐性」を見極めるために、わざと意地悪いな質問や威圧的な態度をとる面接手法です。面接官が圧迫面接をやろうとしていなくても、求職者が圧迫面接だったと捉えてしまうことがあり、母集団形成や業績へ悪影響を与えることも少なくありません。今回は意図せずやりが...

4.2 法的タブーを犯さない

採用面接で質問が法的に禁じられている項目もあります。家族のことなど、アイスブレイクとしてつい聞いてしまいがちな項目も含まれるので、面接前に把握しておくことをおすすめします。

初めての面接官が失敗しないためには「面接官は会社の顔だ」という意識を持ち入念に準備を行うことが重要です。「法的にタブーな質問」には細心の注意を払いましょう。ここでは「初めての面接官が失敗しないためのTO DOリスト」作成のコツを紹介します。

4.3 お見送りの場合こそ、丁寧に

面接中、すでに「不採用」と判定した応募者にこそ、丁寧に対応するべきです。

今回はご縁がなかった応募者も、将来的に顧客や社外パートナーとなったり、転職を検討する友人知人に勧めてくれる可能性などがあるためです。

5.面接の評価・報告

面接の評価・報告として、2つの項目をマニュアル化しましょう。

5.1 面接結果を社内報告

面接実施後は、所定のフォーマットや方法に従い、面接の評価を報告します。

面接の評価は、自分の主観や経験に基づいた判定ではなく、予め決められた評価基準に則って客観的に行います。

5.2 面接評価シートの活用

面接の評価を客観的に行うために役立つのが、「面接評価シート」です。面接評価シートに沿って、面接での質問を振り返り、評価を明記します。

面接評価シートの導入にはメリットやデメリットもあります。面接評価シートは、ただ書けばよいというものではありません。面接官は、面接評価シートが現場に即したツールとして機能しているかをチェックし、人事と連携するという役割も担っています。

面接評価シートとは、具体的な評価項目や評価基準が明確にすることで、採用面接の精度と効率を向上できるチェックシートです。面接評価シートは、採用合否だけでなく配属先の決定まで活用されることもあるため、自社オリジナルの面接評価シートを作成することが大切です。面接評価シートを導入するメリットやデメリット、注意点を確認しながら、...

6.合否の連絡・運用の改善

面接の結果を応募者に、一般的には人事担当者から連絡します。合格の場合は、次回選考の日程調整、内定の場合は雇用条件の最終確認を進めます。

また面接実施を振り返り、運用の改善を図ります。

面接マニュアルの作成手順と「運用・改善」の重要性

面接マニュアルを作成する際には、まず自社で採用を成功させるノウハウがあるかどうかを確認します。熟練面接官が社内にいる場合は、ノウハウを体系化・具体化し、新米面接官でも実施できるかどうかを加味しながら、もし社内にノウハウがないのであれば、一般的な面接マニュアルを参照しながら作成を進めます。

面接マニュアルの作成は、運用した結果を踏まえてどんどん改善を加えることが重要です。面接官から現場の声をヒアリングし、ブラッシュアップして行くことで、めまぐるしい市場環境の変化にも対応した面接マニュアルが出来上がります。

面接現場の知見が詰まった、自社独自の面接マニュアルの存在は、新たに面接官としてデビューする社員もモチベーション高く採用活動に携わるための、拠り所になるでしょう。

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