内定ブルーが発生する原因や理由とは?学生特有の悩みを考えよう

誰もが陥る可能性がある?新卒学生の内定ブルーとは

売り手市場と言われる昨今の新卒採用。この流れに比例して「入社辞退」のリスクは高まっていると言われています。就職白書の調査によると、人材採用においては採用予定数の167%の内定を出したとしても、76%が内定を辞退し、90%程度の採用しかできていない実態があります。

「採用予定数を100」とした場合の内定出し人数および内定数の割合
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

売り手市場の現在においては、学生側の自己分析・会社研究が十分でないうちに内定が出てしまうケースも多く、内定が出てから入社に不安を感じて、辞退するケースも少なくないと言われています。

企業側も一定数の辞退を考慮し多めに内定を出しているところもあるため、それによって辞退率が押し上げられている側面もあります。そういった環境で辞退する人が増えるほど、学生側の辞退に対する心理的なハードルが低くなるというマイナスの反応が起こっている可能性もあります。大きな労力と時間をかけて採用した人材を逃さないためにも、「内定辞退」への対策は新卒採用におけるマストな事項となっています。

新卒採用における課題として多く挙げられているのが「採用にかかるマンパワー」です。一人ひとりの候補者に割ける時間の確保は年々難しく、人材の見極めや内定者フォローを効果的に実施することが多くの企業で求められています。

新卒採用における課題
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

今回は内定辞退の原因ともなる「内定ブルー」が起きる原因や理由、不安に思う内容について説明します。

内定ブルーが発生する原因とは?

内定ブルーとは就職活動中の学生が陥る現象で、採用活動で内定をもらったとして表面的には「決めた1社への迷い」に見える状態です。本質的には「他の選択肢・もしかして自分が生きたであろう別の人生を捨てることに対する『悲しみ(ブルー)』とも言われています。

就職活動で企業から内定を得た学生が、内定を受諾したものの「本当にその会社に就職してよいのか」「自分が活躍できるのか」などの不安にかられがちです。背景には「他社への未練」がある場合もありますし、単純に入社意思が固まっていなかっただけということもあります。

入社意思が固まっているかどうかの判断は外側からは難しいですが、一番の見極めポイントとしては『就職活動をきっぱりやめたかどうか』だと言われています。

内定ブルーの内容について

就職活動が短期化する中、売り手市場で複数内定を得る学生も多いです。充分に自身の考えや入社動機を深められないまま、もらった内定を受諾してしまうこともあります。

こういった学生が将来について悲観的になり過ぎると、内定ブルーになり悪い想像をしてしまいがちです。就職活動が順調で難なく内定を得られたケース、また同期と比較した際に自分のスキルの未熟さや経験値の低さなどに気が付き、不安になってしまうこともあるでしょう。

今の学生は、氷河期世代や就職活動で苦労した年代や属性にとってはぜいたくな悩みに見えるでしょう。内定ブルーになった結果、うつ状態になり内定辞退に至る学生もいることを考えると、これは昨今の大きな問題とも言えます。内定ブルーに対しては、企業側も真摯なケアが必要だと言えるでしょう。

内定ブルーが起きる原因や理由とは?

自分で納得できてない

内定をもらえたとはいえ、第一志望の会社に内定をもらえなかったり、希望したような就職活動を送れず満足のいく結果を出せなかった人が「自分自身や自分のがんばりに納得できない」と思いやすいと言われています。漠然としているだけ根は深い問題です。

本来であれば自分の大事な将来を決める嬉しいことである内定が、自分が納得できていないために素直に喜べないことが背後にあります。

環境の変化に怖さを感じている

学生から社会人になることは大きな環境の変化です。外的な変化を楽しめる人とそうではない人がいます。企業の一員としての役割や責任をポジティブに意識できるよう、本人はもちろん、企業側の働きかけも必要です。

社会人になると企業の一員としての立場や責任を意識することが必要になります。日本人の傾向として「現状維持」を好む人は多いですが、かといってグローバル化の時代、就職というタイミングで深く迷いが出るようではフラットな時代は生きにくいものになります。変わっていくべきところは変わっていくべきなのです。

就職企業を決定する(一つに絞る)覚悟ができていない

第一希望だと思っていたとしても、実際に内定を承諾した途端「本当にこの企業が最善だったのか」と悩み始めるケースもあります。就職は実際に入社してみないと分かりません。入社までに不安が大きくなることが内定ブルーの原因の一つです。

現在はSNSやネットなどからポジティブな情報だけでなく、企業のネガティブな情報を知る機会もたくさんあります。就職する企業に関してネガティブな話などを目にすると、就職を決めた覚悟が揺らいでしまうこともあるでしょう。就職先については入社してみないと何とも言えないところもありますが、実際に働いてみると想定していたより自分に合った企業だった、働きやすくてよかったことは往々にしてありえます。

社会人としての自覚、働く自信が不足している

社会人としての自覚や働いていくことに対する自信がない就活生も内定ブルーに陥ることがあります。自分が置かれた環境の変化が大きくそういったことを受け入れることが難しいこと、自分が企業の社員としてしっかり成果を出しつつ働くことができるのか、不安を感じる人は少なくなく、誰にもある心理的現象です。

同僚や上司とよい人間関係を構築できるか、企業が求めているスキルを自分が持っているのか、もしくは身につけることができるか、というところも大いに気になるところなのです。

内定者の内定ブルーを防ぐために

内定ブルーとは「内定した会社に対して、社会人になる不安や入社する会社への不安」から引き起こされる問題であり、最悪の場合は内定辞退を引き起こす可能性があります。

新卒採用においては学生から社会人になることや選んだ会社に対する不安など、多くの不安を抱えているため、内定者フォローなどで内定者の不安を取り除きながら安心して入社し、活躍してくれる環境を入社前から構築することが大切です。

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