面接の精度を向上させる方法とは?事前に準備し、妥当性を高めよう

面接で聞き出したいことを正しく聞き出すために

以前ミライセルフがHR Techに関してのイベントを開催したときに、中でも「優れた面接官とは一体なんなのか?」について、直感と認知バイアスといった視点で議論が大いに盛り上がった。

面接とバイアスといえば、社会心理学系の知見を一般読者に広く伝えているアメリカのジャーナリスト、Malcolm Gladwellが有名だ。

彼の本の中に、あるオーケストラのオーディションで、応募者の名前と容姿を隠して実施したところ、従来の方法で選考していた時と比べて、劇的に女性の合格者が増えた話(Malcolm Gladwellの「Blink」(日本語版はこちら)がある。彼の描くストーリーは、いかに人間の直感が無意識に働いていて、時に差別までを促してしまうかについて訴えかけている。

そこで今回のブログでは、そのようなバイアスを避ける為の、正確で妥当な面接の仕方とは何なのか、面接官の振る舞いに着目した実証研究から考察したいと思う。

今回はまず導入編として、Bradley University のHuffcutt教授が1999年に発表した、インタビューに関する120個の実験をメタ分析した論文について紹介しようと思う。

なお彼の提案する内容は1999年以前のアメリカで行われた研究に基づいた知見であり、
現代の日本での採用事情に応用できるかどうかについては、批判的に解釈していただきたい。

面接における妥当性に影響のありそうな要因5つ

この論文では、面接における妥当性(「面接で面接官が聞き出したいことが正しく聞けているかどうか」)に注目し、影響のありそうな要因を5つに分けて分析した。
その要因と分析結果を順番に紹介する。

  1. 面接官がトレーニングを受けていたかどうか。
  2. 面接官が事前に決まった質問をしたかどうか。
  3. 面接官が面接中にノートを取っていたかどうか。
  4. 面接官が一人だったか、複数いたか。
  5. 面接の構造がどれだけ形式的だったか。

5の面接の構造については、以下の基準を設けて、形式的だったかを判定している。
(4にいくほど、形式的であると判断する)

  1. 質問内容や評価軸に制限がなかった
  2. 形式的な構造の面接で、複雑な評価軸が設けられていたか
  3. 以下の三つの点を踏まえた上で、応募者間での自由度が認められていた
  4. すべての応募者に同じ質問をし、得られた回答に対してフォローアップの質問などが
    全くなく、すべての応募者を別々に採点した

データを見てみると、それぞれの要因について以下のような結果が得られた。

  • 面接官がトレーニングを受けていた面接ほど、妥当性が高かった。
  • 面接官が事前に質問を用意していた面接ほど、妥当性が高かった。
  • 面接官が面接中にノートを取っていた面接ほど、妥当性は高かった。
  • 面接官が複数人いた面接よりも、面接官が一人の方が、妥当性を高く予測していた。
    (複数の面接官による面接は、妥当性をむしろ下げた。)
  • 面接の構造が、形式的であればあるほど、妥当性は高かった。

さらにそれぞれの要因の妥当性に対する影響度を比較して見てみると、
5の「面接の構造がどれだけ形式的か」が一番高い数値で面接の妥当性に影響していることが分かった。

妥当性の高い面接は、事前に準備し、形式的な違いを最小化した面接

データの示す全体的なメッセージを見てみるとわかる通り、妥当性の高い面接とは、「なるべく事前に綿密な質問項目や流れを準備し、応募者間での形式的な違いを最小化した面接」であることが分かる。

特に注目すべきは、「面接官は複数よりも一人の方が妥当性が高くなる」という点だろう。

複数の面接官による面接はいわゆる「圧迫面接」になる場合が多い。例えば『志望理由はなんですか?』という質問をしたとして、この質問が測っていることは実は「志望理由」ではなく「いかに複数の面接官によるプレッシャーに対して、耐性があるかどうか」を測ってしまっている可能性がある。

さらに応募者と面接官の相性や好みによるバイアスを避けるために、一人の面接官がすべての応募者に同じ質問を使い面接する方が妥当性が高い、とデータは示している。これについては実現が難しいかもしれないが、それ以外の準備など面接を注意深く設計することは、コストも少なく実践できるのではないか。

ここで提案されている方法は、ものすごく当たり前ですでに多くの企業が取り入れている可能性も承知ではあるが、今回のメタ分析による相関係数は一定してかなり良い(0.3~0.6)。
『妥当性』を広く定義し120もの様々な研究を統合して分析したことにより、より一般化できるデータを得た点において、貴重であると考える。

引用元:Huffcutt, Allen I., and David J. Woehr. (1999) “Further analysis of employment interview validity: a quantitative evaluation of interviewer‐related structuring methods.” Journal of Organizational Behavior 20. (4): 549-560.

資料ダウンロードフォーム

「従業員離職防止ガイド 人事施策編」が無料でダウンロードできます

企業の経営課題にも発展する従業員の離職を減らすためには、既存人材と新規人材へのアプローチがあります。
それぞれのアプローチ方法を、離職を防ぐチェックリストとして資料化した小冊子を無料でダウンロードして頂けます。

以下のフォームに必須項目をご記入の上、ダウンロードしてください。

関連するタグ