フリートーク面接とは?採用活動に失敗する場合は構造化面接で精度向上を

フリートーク面接(雑談面接)を見直すべき理由

フリートーク面接とは、雑談を中心として候補者との対話を進める面接手法です。事前に準備できない質問への対応や話し方などから、候補者の真のコミュニケーション能力や素の姿を把握することに役立ちます。候補者にとっても、どのような質問でも自己PRに紐付けて回答しやすく、企業側と候補者側の双方にメリットがあります。

しかしフリートーク面接には、重大な懸念点もあります。面接官によって質問項目や評価基準がバラバラになりがちで、面接の精度が低下するという問題があります。面接実施後の合否判定においても「入社後に候補者がどのようなパフォーマンスを発揮できそうか」を、ロジカルに説明・議論できないというケースも少なくありません。

面接には2つの目的があります。1つ目は人材を見極めることです。2つ目は人材を口説くことです。フリートーク面接では、採用面接官が候補者と自由な対話をできるため、見極めと口説きを一度にできて効率がよいと思われてきました。

ところがフリートーク面接で、面接官によって質問項目や評価基準がバラバラになることで面接が雑談に終始してしまったり、採用合否判定に時間がかかったりと非効率も目立つようになってきたのです。

「就職白書2020」によると、採用計画に対する充足状況において計画通りまたは計画より多かった企業は、半数以下にとどまっていますが、2020年新卒採用に携わる平均人数の比較を見ると、採用人数が充足している企業では16.9人であるのに対して、未充足だった企業では11.7人で、採用活動への人的リソース配置が採用活動の成否を左右することが窺えます。

新卒採用に携わる平均人数
出典元『リクルートキャリア』就職白書2020

採用に携わる人員を、増やすことはあっても減らすことは考えにくい採用トレンドにおいて、このまま非効率なフリートーク面接を継続することは大きなリスクです。

フリートーク面接における注意点や失敗の原因、解決方法や対策方法について説明します。

フリートーク面接を行う企業の目的とは?

フリートーク(雑談)面接とは、フリートークや雑談が中心でざっくばらんな雰囲気の中で行われる面接手法です。フリートーク面接を実施する企業の目的は、候補者の臨機応変の対応力や真のコミュニケーションを見極め、候補者の素の姿や本音を探ることです。

フリートーク面接を実施する企業のメリット・デメリット

フリートーク面接を実施する企業のメリットは、候補者の話し方や受け答えをじっくりと見ることができ、本当に考えていることを引出しやすい点です。候補者のこれまでの経験や体験についても、深く掘り下げて話を聞くことができます。

フリートーク面接を実施する企業のデメリットは、意図を持った質問をするよう心がけなければ、雑談に終始してしまう点です。表面的な情報収集しかできていないと、合否判定においても面接官の印象や主観で候補者を評価することになり、面接の評価にばらつきが生じてしまい、結果として入社後に活躍できない人材を採用してしまうリスクがあるのです。

フリートーク面接を実施する候補者のメリット・デメリット

フリートーク面接を実施する候補者のメリットは、カジュアルな雰囲気の中でリラックスして話せる点です。志望企業にアピールしたいことが明確であれば、どのような質問に対しても自己PRに紐付けて回答しやすく、他の候補者と差を付けやすいというメリットがあります。

フリートーク面接を実施する候補者のデメリットは、事前の準備が難しいという点です。従来の面接で聞かれていたような決まり切った質問ではない、咄嗟の受け答えを見られているため緊張感もあるでしょう。つい話しすぎてしまったり警戒してしまうなど、逆に素の自分をPRすることを難しく感じてしまう候補者もいるようです。

フリートーク面接における失敗例について

フリートーク面接はその自由さゆえに、面接が成功だったのか失敗だったのかを評価しづらいものですが、フリートーク面接実施後に下記3つのような失敗例が実際に起きている場合は、要注意です。

1.合否判定に時間がかかる

合否判定に時間がかかるのは、面接の評価基準にばらつきがあったり、評価すべき項目についての候補者の情報が不足しているためです。

フリートーク面接で、掘り下げるべき項目を掘り下げられていないことが考えられます。

2.本当に欲しい人材を逃してしまう

フリートーク面接は、候補者の疑問解消や情報提供の時間を取りやすいというメリットもありますが、内定辞退されてしまうなど、本当に欲しい人材獲得をできていない場合は、フリートーク面接における「口説き」が失敗していることが考えられます。

3.合否判定への不満が拡散する

面接ではいい雰囲気だったのに、いきなりお祈りメールが来てしまえば、候補者も受け入れがたいものです。その結果、面接や会社への不満をSNSや口コミサイトなどに書き込んでしまうこともあります。会社に対する不評拡散は、採用活動での母集団形成のみならず、営業活動などにも重大な被害を与えます。フリートーク面接が雑談に終始した失敗例です。

候補者自身が面接を自己評価する際のヒントになるような会話があれば、不合格の場合も納得感があるのではないでしょうか。

フリートーク面接における失敗の原因について

フリートーク面接が失敗するケースは様々ですが、多くの原因は、面接官のテクニック不足です。具体的には面接官が主観で聞きたいこと・関心を持ったことばかりを質問している、盛り上がった話題で多くの時間を割いている、見抜くべき項目を掘り下げられていないなどが挙げられます。

しかし根本には「面接における評価項目と評価基準が曖昧で、個々の面接官任せになっている」という組織的な課題があります。面接官や採用担当者が共通の認識を持って採用面接に臨めていないことこそが、フリートーク面接が失敗する最大の原因です。

フリートーク面接で失敗しないための解決方法・対策方法について

フリートーク面接で失敗しないためには、雑談の中でも、面接で見極めるべき項目を統一化することです。また「採用要件をどの程度満たしていたら合格とするのか」という評価基準を、できるだけ具体的に共有しておくことです。

面接における評価項目と評価基準を意識して「意図を持った質問」を投げかけることこそ、フリートーク面接で失敗しないための解決方法といえます。どのような場合にどんな質問が効果的かなどのナレッジを面接官同士で共有するなど、フリートーク面接対策に採用担当者一丸となって取り組むことも有用です。

フリートーク面接は非常に難しい、構造化面接も視野に

採用活動に携わる人員を増やす傾向にあるいま、面接の精度を上げにくくナレッジ共有などの工数もかかるフリートーク面接を積極的に継続することは非効率といえます。Googleが奇抜な質問への臨機応変な対応力と入社後のパフォーマンスに因果関係がないことについて言及するなど、フリートーク面接は採用の妥当性の低さも指摘されています。

採用活動の効率化と面接の精度向上を図るためにはフリートーク面接から構造化面接へと面接手法を変更することが役立ちます。フリートークや雑談のフランクに話し合えるという良さを活かし「前半は構造化面接、後半はフリートーク面接」と半構造化面接を導入したり、採用基準を満たしている人材の口説きとしてフリートーク面接を実施するなど、役割を見直してみてはいかがでしょうか。

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